海上、上空から
北海道の知床半島沖合で4月23日、乗員・乗客26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が行方不明となり、その後沈没が確認された。災害派遣要請を受けた陸海空3自衛隊の各部隊は全力で捜索などに当たっている。
4月23日午後1時15分ごろ、観光船から「船首部分より浸水し、沈みかかっている」との通報が海上保安庁第一管区海上保安本部(北海道小樽市)へ入った。同午後7時40分、同本部長から空自第2航空団司令(千歳市)へ要救助者捜索の災害派遣が要請された。
3自衛隊の各部隊は4月23日から航空機や掃海艇などが事故海域に展開し、懸命な捜索を続けている(5月15日現在)。
空自は千歳救難隊と救難教育隊(小牧)のU125が捜索。また、千歳救難隊のUH60が24日午前8時1分、要救助者1人を発見し収容、同じく同機が同10時11分、海保が発見した要救助者1人を収容した。
飛行警戒監視群(三沢)のE2と、飛行警戒管制群(浜松)のE767も捜索に当たった。
海自は第2航空群(八戸)のP3Cが上空から、護衛艦「せんだい」が周辺海域でそれぞれ捜索。
掃海艇「いずしま」は28日午後4時8分、要救助者2人を発見し、海保に引き渡した。また同艇は29日午前11時7分、海保のソナー調査で特徴的な隆起が確認されていた海底で観光船を確認した。
陸自は上空や地上で映像伝送に当たった。北部方面航空隊(丘珠)のUH1が上空から、第27普通科連隊(釧路)と第5偵察隊(別海)が地上で、関係機関へ映像を送った。 |