5月28〜30日の間、大阪府羽曳野市立総合スポーツセンターで開催されたウエイトリフティング平成22年度第70回全日本選手権大会・第24回全日本女子選手権大会において自衛隊体育学校からは10人の選手が出場し、男子85kg級綾部昌慶士長、女子69kg級谷綾野2曹、女子75kg級今鉾一恵2尉が優勝、女子58kg級金城尚乃士長が3位の成績を収めた。特に谷2曹は、4月に入隊したばかりであったがトータル213kgの日本新記録を更新し、存在感をアピールした。 〈女子69kg級〉女子69kg級に出場した、自衛隊体育学校所属谷綾野2陸曹(23)はトータル谷自身が昨年樹立した記録を更新し213kg(スナッチ93kg、クリーン&ジャークで120kg大会タイ記録)の日本新記録で優勝した。今年度ウエイトリフティングは世界選手権、アジア大会等重要な国際大会が目白押しとなるが、今回の日本新記録樹立での優勝は代表獲得に向け大きなアピールとなった。試合後谷選手は「富山を出る時に暖かく送り出してくれた地元の皆様に今回優勝できたことを報告できることが嬉しいです。試合内容については、試技6本全て成功させて、スナッチでも日本新記録を狙っていたが、力みすぎて失敗してしまいました。それでも、ジャークの120kgは自己ベストであり、今後オリンピックを目指して頑張っていける自信になりました。これからの国際大会はオリンピックのステップと考え少しずつ記録を伸ばしていきたいと思います」と力強く語った。谷選手は今年4月に富山県魚津市体育協会からオリンピックを目指せる環境が欲しいと考え自衛隊体育学校に入隊し、三宅敏博コーチのもと集中的なトレーニングを行い、特に上半身の強化を行ってきたという。入隊2ヶ月で早くも結果を実らせ、今後はロンドンオリンピックに出場しメダル獲得するため、自身の目標をトータル248kgと定め、強化を図って行く。紛れもなく日本を代表する女性ウエイトリフティング選手の一人である谷選手に期待したい。 〈女子75kg級〉平成19年世界選手権で右肩を負傷(けん盤断裂)し、全日本選手権は2年ぶりの出場となる今鉾一恵2陸尉はスナッチ最初の試技で100kgを上げ、順調な復調ぶりをアピール。2回目3回目は大会新記録104kgを狙うものの失敗。しかし、あまり得意ではないというジャークでは、113kgを成功させ、トータルは手術前の全日本選手権(08)と並ぶ213kg。昨年の11月の女子選抜選手権ではスナッチ93kg、ジャーク103kg、トータル196kgであったのが、半年あまりで順調に復調していることを確証できた。本人は、大会前は練習も順調で、今大会では自己ベスト更新も視野に入れていたほどであったため、記録的には不完全燃焼であったというものの復帰できた喜びを感じていた。この階級では他を寄せ付けない強さをもった選手であることは明らかであり、今後は海外の試合を含め、少しずつ記録を伸ばし、オリンピックという目標を現実に引き寄せてもらいたい。 (体校広報)
第49回全自衛隊空手道選手権大会が6月5日、日本武道館で行われ、北は北海道から南は沖縄までの全自空手界の精鋭多数が参加、全試合とも迫力ある熱戦を繰り広げた。 午前9時、片山幸太郎大会委員長の挨拶や吉玉宗生審判長の試合上の注意などが行われたあと、形試合団体戦、形試合男・女個人戦、組手試合男・女個人戦の各予選の幕が切って落とされた。昼食休憩をはさんで式典が始まり、片山委員長の開会宣言、国歌斉唱、中江公人会長(事務次官)の挨拶、来賓祝辞、功労者等表彰、優勝杯返還、選手宣誓などが順次行われた。 午後1時半から各試合の準決勝、決勝戦が始まり、出場選手は手に汗握る好勝負を展開した結果、組手試合団体戦は健軍Aが3年ぶり9度目の優勝を飾った。組手試合男子個人戦では宮下拓弥、同女子個人戦は田畑美貴、形試合男子個人戦は島袋太志の各選手がそれぞれ初優勝に輝いた。また、形試合団体戦は三沢が3度目のV、同女子個人戦は中村祐美選手が2連覇を果たした。 大会成績は次のとおり。 〈組手試合団体戦〉▽優勝=健軍A▽準優勝=海田市▽第3位=健軍B、国分▽敢闘賞=山口、北熊本、防大A、三沢 〈組手試合男子個人戦〉 ▽優勝=宮下拓弥(健軍)▽準優勝=藤井和哉(海田市)▽第3位=石橋史光(健軍)、坊上栄哲(佐世保)▽敢闘賞=二階琢磨(小牧)、丹野宣徳(朝霞)、入江拓哉(高工校)、脇元隆弥(同) 〈組手試合女子個人戦〉 ▽優勝=田畑美貴(健軍)▽準優勝=小金丸亜希子(同) 〈形試合団体戦〉▽優勝=三沢▽準優勝=小牧▽第3位=朝霞、浜松 〈形試合男子個人戦〉▽優勝=島袋太志(国分)▽準優勝=南福太郎(目黒)▽第3位=田渕誉之(高工校)、上村天将(芦屋)▽敢闘賞=古川雅大(浜松)、福島和諭己(海田市)、近藤力也(朝霞)、丹野宣徳(同) 〈形試合女子個人戦〉▽優勝=中村祐美(朝霞)▽準優勝=小金丸亜希子(健軍)