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2009年7月15日号 |
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新たな服務態勢 |
第6施設群(豊川) 2陸曹 佐野則近 |
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一般的に自衛官とはどのようなイメージを持たれていると思いますか? まとめますと「愛国心に溢れ、どんなに困難な状況下でも命令を遵守し、そして規律正しく、強靱な肉体を持つ国防の戦士」だそうです。
今、徹底を推進されている「新たな服務態勢」の目的とは、一言で言うならばそれらの「在るべき姿の追求」です。もちろん「『在るべき姿』とは、こうだ!今からこのようにしろ」と、朝に指示を出したからと言って夕方に「在るべき姿」が完成するような、容易なものではありません。なぜなら多分に精神的要素を含んでいるからです。したがって、毎日の服務(課業中だけではありません)の中で養い、培っていく必要があると思います。
このために幾つもの改正事項があり、そのために営内者は今までの営内生活を思うとやや息苦しさを感じ、営外者は日々に若干の煩雑さを感じるかも知れません。しかしながら「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」という格言があるように、何事もまずは外殻から正す事が重要です。
様々な社会的状況の変化により、自衛隊に求められる任務が変化した事は周知の通りです。極端な言い方になりますが、今の自衛隊は国民が求める自衛隊とその姿が乖離し、戦士としての自覚の欠如が見られます。また、過度の規律の弛緩により営内における薬物使用等までもが生起するに至っています。
「新たな服務態勢」の内容を聞いて「昔に比べて、厳しくなったね」等という意見は、決して間違ってはいませんが、正確ではありません。服務の宣誓にあるように、「国民の負託に応える」ことのできる自衛隊にしようとしているだけなのです。
変わる事はなかなか難しいです。しかし、やって出来ない事ではありません。今後、教育による周知・徹底がさらに行われていきます。みんなで頑張っていきましょう。 |
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ドアガン接地射撃 |
中部方面ヘリコプター隊 3陸曹 高岡真一 |
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私は6月17日から19日の間、あいば野演習場で実施されたドアガン接地射撃(多用途ヘリUH―1に12・7ミリ重機関銃を搭載し、接地した状態での実弾射撃)に射手として参加しました。これは、中部方面隊では初めての訓練となります。
私は普段UH―1の整備員として勤務していました。同機の飛行の際の振動と、以前に重機関銃対空実射訓練に参加の際の経験から、UH―1から500メートル先の的に命中させるのは難しいだろうと思い訓練に臨みました。
訓練は、M3三脚を使用してのゼロ点規正に始まり、じ後、接地したUH―1に重機関銃を搭載した状態での射撃を実施し、私を含め6名の射手が、いずれも30発中約7〜12発命中させることができました。照準方法は「両目か、片目か」、姿勢は「肘伸ばすべきか、脇締めるべきか」など、研究と努力を重ねながらの射撃となり、部隊としても大きな成果を上げることができたと思っています。 |
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家族の声 |
レンジャー帰還式に出向いて |
奈良岡さと子 (久居駐屯地・奈良岡範彰3曹 姉) |
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突然、弟が「レンジャー訓練を受ける」と言いだしたのは、年末の事だったでしょうか。「挑戦できるとすれば、今年が最後だと思う」と、その時すでに決心は固まっていたようです。しかし、年齢や体力面に不安を感じており、それを考えると、正直言ってこの挑戦は無謀ではないかと感じましたが、それでもそんな弟を突き動かす何かがあったのでしょう。
訓練が終了するとの連絡をもらい、帰還式に招かれた私たち家族は、心配はしながらも弟がどんな姿に変貌しているのかと興味本位にも似た気持ちでおりましたが、それはすぐに後悔の気持ちへと変わりました。
最終想定から戻ってきたレンジャー訓練隊の憔悴しきった姿に驚き、その中でも特に憔悴の激しい弟の姿に絶句しました。その姿は間近で見ても弟とは信じがたく、何度も確認したほどで、身体は痩せこけ、目は見開き、瞬きすらする力もなく、気力だけで立っているという状態。それは訓練の過酷さを物語っていました。
そんな朦朧とした状態でも、私たちに「来てくれてありがとう。みっともない姿をみせてゴメン」と力ない、掠れた声で謝る弟に胸が痛くなりました。
それは、一緒に過酷な訓練を乗り越え、支えてくれたレンジャー隊の皆様と、応援していただいた皆様にも向けた言葉とも汲み取れました。きっと学生長の大役をもらいながら、力ない姿でいることを申し訳なく感じていたのだと思います。
ですが私は、身も心もボロボロになりながら最後まで訓練をやり抜いた弟を誇りに思います。臆することなく胸を張れと伝えたいです。
この訓練を完遂することができたのも、皆様のご指導と激励があったからこそと考えます。その事に心より感謝申し上げます。この経験は、これ以上ない大きな物を残したに違いありません。弟にはその事を忘れることなく、一層の精進を願っております。
『弟へ 本当におめでとう。無事で何より。よく頑張ったな! 姉より』
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「頑張っています」新しい職場 |
活躍するOBシリーズ |
JA共済連山口自動車損害調査部 明木幸夫 |
明木氏は今年4月、岩国航空基地隊を1海佐で定年退職。55歳。 |
平成21年4月2日、満開の桜の花が咲く岩国航空基地での勤務を最後に、35年間奉職した海上自衛隊を定年退職しました。損保関係の仕事を最優先に再就職活動を実施したが、世界的経済不況の中、損害保険関係の募集はJA共済のみであり、就職先を選ぶ余裕はありませんでした。各会社において人員削減が実施され、再就職氷河期と言われる今日、希望していた徳山で再就職できたことに満足しています。退職1か月前から、再就職のための事前研修及び実習を受け、退職した翌日の4月3日からJA共済連山口徳山サービスセンターに通勤しています。仕事の内容は、JA共済(保険)の自動車保険に加入している被保険者が交通事故を起こした時、心と身体に傷を負った被害者の損害賠償額を査定・交渉し、少しでも早く立ち直れるように希望を与えることであります。損害賠償を査定する上で留意すべき事項及びコンプライアンス(法令順守)は複雑多岐なるものがありますが、そのほとんどは、やる気があり円満な人間関係が構築できる常識人であれば十分処理可能なものであり、際立って困難なものはないと思っています。また、損害査定の良・否又は巧・拙は各保険会社(JA共済を含めて)の事業の発展、衰退につながるもので、その責務は極めて重いことを日々痛感しており、特にある特定人に対する安易な妥協は、他の契約者又は被害者との間に不公平感が生じ、ひいてはその保険会社の信用失墜を招くことになります。私は損害査定業務を実施する上で、千差万別の交通事故案件に対して少しでも多くの知識を習得し、誠意と謙虚さをもって被害者に対応できるように精進しております。
今後多くの人身交通事故の対応をすることとなりますが、元幹部自衛官としての誇りを持ち、「的確」「公平」「誠意」の3つの要件を念頭に置き、被害者からの感謝の気持ちを報酬としてJA共済(保険)とともに第2の人生を歩んでいきたいと考えています。
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