平成20年度防衛技術奨励賞((財)防衛弘済会主催)の贈呈式が3月6日、防衛省A棟講堂で行われた。 これは、技術的な発明や創意工夫などにより、自衛隊装備の能力向上に貢献のあった隊員の業績を顕彰することにより、研究・開発等を奨励し、その発展を図ることを目的としたもので、今年度は「発明」1件・2名、「考案」7件・17名、「創意工夫」28件・44名の計36件・63名が受賞した。昭和46年に創設されて以来、今年度で38回を迎え、「発明」「考案」「創意工夫」合わせて1560件・2126名が顕彰されることになった。 贈呈式は午前11時から始まり、防衛省・自衛隊の高級幹部、関係機関の長ら多数が陪席する中、受賞者一人ひとりに対して小澤毅防衛弘済会理事長が賞状を、また、竹村訓常務理事が記念メダルをそれぞれ贈った。 次いで、小澤理事長が関係者の尽力に感謝しながら「防衛装備のより一層の効果的・効率的研究・開発の促進が期待される中、その重要性を認識し、装備開発はもとより装備改善をも対象する本賞の贈呈により、時代の要請に応えていきたい」と挨拶した。 来賓を代表して増田好平事務次官が祝辞を述べたあと、最後に、受賞者を代表して柳田保雄技官(技本陸総研)が謝辞を述べ、式を終了した。
第307ダンプ車両中隊(中隊長・小川3佐)は2月11日から15日までの間、大久保駐屯地と長池演習場基本射撃場などで、予備自衛官招集訓練を担任、実施した。 招集訓練には総員で140人が参加。着隊当日は朝早くから次々と参集し、到着した予備自衛官からは訓練に対する意気込み、熱意、やる気がみなぎっていた。 訓練初日、受付・身体検査の後、被服受領を済ませ久々に作業服に袖を通すと、一市民から予備自衛官に変身。現役時の凛々しい顔つきに戻り、基本教練、訓練開始式、各地本との懇談会等を整斉と行った。 翌日から15日までの間、基本教練、射撃予習、戦闘衛生、野外衛生、消防署員による救命講習、体力測定、検定射撃、人命救助セットの取り扱いなど、時間に追われる多忙な訓練内容だったが、参加者全員が終始熱心に訓練に励んだ。 今回の訓練では、部外の消防署員による普通救命講習も行われ、救急のプロから直に講習を受けた。この講習では予備自衛官はもとより現職自衛官も参加。講習は駐屯地体育館及び城陽コミュニティーセンターの2カ所で行われ、宇治西消防署・城陽消防署救急隊員による3時間にもおよぶ徹底した救命講習(心肺蘇生法・AEDの取り扱い等)が行われた。今回、受講した予備自衛官及び現職自衛官全員に普通救命講習修了証が交付された。 最終日には、離隊式が行われ、体力測定・検定射撃・訓練優秀者に対する表彰を行い、訓練は無事終了した。 今回の招集訓練参加者からは「予備自衛官に対する気遣い・熱意・やる気が非常に感じられた」「現職の消防署員による教育を受け、『救命処置』について大いに自信がつきました」「AEDを体験したのは初めてだったので大変勉強になりました」「充実した訓練内容でした」など感想を語り、訓練の達成感を胸に駐屯地を後にした。
徳島教育航空群(群司令・山本克彦1佐)は2月6日に、新型練習機(TC-90型航空機6835号機)を仙台ジャムコ(株)で領収した。同機は、昨年8月から同社でビジネス機から練習機の仕様に改造されていた。 この日午後4時、徳島教育航空群の隊員が到着を心待ちにしている中、すべるように徳島空港に着陸した後、列線整備員が手先信号で誘導、エプロンにランプインし空輸を完了した。空輸にあたった搭乗員2名と整備員4名は、出迎えた隊員から割れるような拍手を浴びていた。 今回領収した練習機は、TC-90型の最新バージョンのGT型で、プロペラの枚数が従来機では3枚だったのが、4枚になっているのが最大の特徴。 新型練習機の試験飛行と仙台〜徳島間を空輸した機長の渡守幸浩3佐は、「このような機会に携わることができて光栄。この新型練習機とともに学生教育に全力を尽くしていきたい」と語っていた。