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   2005年2月1日号
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角川映画「戦国自衛隊1549」撮影完了
盛大に打上げパーティー開く
 陸自全面協力の東宝映画「戦国自衛隊1549」の撮影がこのほど完了、その打ち上げパーティーが1月18日、グランドヒル市ヶ谷で開かれた。
 最初に、角川映画の黒井和男社長が、製作中のエピソードなどを披露しながら「イラク・サマーワに派遣されている隊員にも是非観てもらいたい」と挨拶したあと、藤野毅陸幕監理部長が「前作以上の大ヒットを願うとともに日本アカデミー賞の全表彰部門を総ナメするよう期待している」と祝辞。鍋島壽夫プロデューサーの乾杯の音頭で懇談が始まり、出演俳優や角川映画関係者多数が、撮影に協力した陸幕、富士学校等の隊員とともに各テーブルで撮影完了を祝った。また、壇上で、俳優の江口洋介氏、鈴木京香さん、伊武雅刀氏らが紹介される度に、カメラのフラッシュと大きな拍手が沸き起こっていた。
挨拶する主演の江口洋介さん
 〈「戦国自衛隊1549」の概要〉▽1979年に公開され大ブームを巻き起こした半村良原作の「戦国自衛隊」の卓越したエッセンスを抽出し、21世紀版"戦国自衛隊"として全く新しいストーリーで甦った▽陸上自衛隊の全面協力によって、90式戦車・AH-1Sコブラなど25種類以上の主要装備品が参加▽総制作費15億円、エキストラ3,000人、総工費2.2億円を投じて東富士演習場内に約100メートル四方の巨大なオープンセットを建設▽ストーリー「陸上自衛隊で人工磁場発生器の実験中に大規模な暴走事故が発生、的場1佐(鹿賀丈史)率いる精鋭部隊が460年前の戦国時代にタイムスリップしてしまった。かつて的場が創設した特殊部隊のNo.2だった鹿島勇祐(江口洋介)は、仲間たちを時空の彼方から救い出すため、事故を引き起こしてしまった神崎怜2尉(鈴木京香)らとともに決死の覚悟で再度タイムスリップを敢行する。制限時間は74時間26分。それを過ぎると時空の揺り戻しに取り残されてしまい、二度と現代に戻ることができない。しかし戦国の世で鹿島たちを待っていたのは、異形の甲冑(かっちゅう)に身を包んだ織田信長と原野を埋めつくす大軍勢だった▽6月11日、全国東宝系で超拡大ロードショー(金澤修治)

防医大でコンサート・演劇開催
 防衛医大病院(関根勇夫院長)は12月4日、入院中の患者やその家族の皆さんを主な対象に、「クリスマスコンサート&演劇・アンパンマンショー」を開催した=写真。
 病院外来診療棟玄関ホールには、数多くの車椅子の患者さんなどおよそ300人が訪れ、「楽しい時を過ごして」という願いのこもった演奏や演劇に、くつろいだ土曜の午後のひとときを過ごした。
 第1回のコンサートの部を受け持った防衛医大弦楽アンサンブル部(代表・岩城弘隆学生)が、他大学の3名の友情出演を得て「カノン」、「クリスマス・メドレー」など6曲を、また、第2回の部では部外協力者の皆様による演劇・アンパンマンショーが、数多くの風船が飾られた中、多くの子供さんの大歓声を受けながら約30分にわたり上演された。
 会場からは、「気分転換になった」、「普段聴けない生の演奏が聴けた」、「入院していることを一瞬でも忘れることができた」、「医大生の一生懸命な姿に感動した」、「子供はもちろんのこと大人も楽しめるショーだった」などの声が聞かれた。また、ある看護師からは「普段は化粧をしない年輩の女性患者が、今日は朝早くから念入りに化粧をして、演奏会を楽しみにしていた」との話も伝わってきた。
 病院での演奏会は今回で3度目で、コンサートの部も演劇の部も準備した椅子全てが埋まるほどだった。今回の演奏会実施に当たっては非番の看護師、看護学院生や事務部職員が支援に当たった。
 病院としても入院中の患者さん方に対する憩いの場を提供するとともに、将来医師として本院で勤務、研修することとなる医学科学生や看護学院生の姿を皆さんに見ていただくとの趣旨にのっとり、今後とも演奏会を続けることとしている。
 なお、今回は演奏会実施に併せ、防衛医大華道部の部員が精魂込めて生けた約13鉢の生花が展示され、演奏会と併せて患者さん方に見ていただいた。

東 千晴さん
500人を前に熱唱
「歌謡浪曲ショー」
 自衛隊中央病院高等看護学院を卒業後、同中央病院に勤務し陸曹長で退職して歌手になった、東千晴さん(キングレコード)が11月21日、今年も東京新宿コマ劇場の隣の東宝会館で、「歌謡浪曲ショー」を開催した。
 この日のショーには、東千晴後援会の堀深会長(東京地連援護協力会名誉会長)をはじめ松本留吉・同副会長、深山明敏・東京都隊友会長、菊地真理子・東京地連女性協力会副会長、佐山詔介・元陸自小平学校長、正木保・元東京地連副部長、陣内透・元陸自普通科連隊長ほか、東京地連援護協力会員や大勢の後援会の関係者約500人が会場入りした。
 歌謡ショーは、青木和人とピンクパンサーのフルバンドをバックに、デビュー曲「俺の人生浪花節」で開幕し、ヒット曲「夜明けの波止場」や「みれんの出船」などのオリジナル曲を唄い、都はるみの「北の宿から」北島三郎の「風雪流れ旅」と続き、心に残るあの歌この歌のコーナーでは「銀座カンカン娘」や「東京ラプソディー」など6曲を客席に降りて、お客さんと握手をしながらメドレーで唄い、会場が大変盛り上がった。また、今年のショーのため、新曲を6曲披露した。1曲目は、はんや節の軽快なリズムを取り入れた「演歌一代おんな節」、2曲目は7年前に亡くなった、東千晴さんのお父さんを偲ぶ歌で「父を偲んで」、3曲目は、みんなへ感謝の気持ちを込めた歌で「ありがとう」、4曲目は股旅演歌の「水戸街道」、5曲目は人生応援歌で「勝負時」など、それぞれパターンの違う歌を発表し、1曲終わるごとに客席から拍手が涌き上がった。
 そして、ラストは、カンボジアPKOタケオ宿営地を慰問した際、現地で作った「星よ風よ」を唄い、約2時間の東千晴歌謡浪曲ショーの幕を閉じた。

<話題の新刊>
自衛隊の誕生 日本の再軍備とアメリカ
増田 弘  著
 1954年に自衛隊が生まれて50年が経過したが、警察予備隊の発足から陸海空の三自衛隊として陣容が整うまでには、さまざまな曲折があった。
 旧陸海軍将校をどう活用するかなど、アメリカの中でも意見の統一を計りがたいことが多く、日本政府との交渉も困難を極めた。
 本書は、ワシントンの公文書館で公開が始まった資料をもとに、政治と社会、そして軍事と多岐にわたる自衛隊誕生の歴史的経過を明らかにするものである。
  ◇ ◇
 (中央公論新社刊、定価820円十税)

防衛ホーム 俳句コーナー
 あとがきを先に読む癖冴え返る  紺野 透光
 春色に染まりきれずにゐて独り  岩崎 清子
 獅子舞のおくれがちなる後脚  越後 小吹
 裸木のただの裸とも言へず  小向 青穂
 小雪舞ふ母撫でくれし髪に舞ふ  小熊 和子
 ふらここを漕ぎ近付きし母の顔  中條 弘道
 梅白く咲いて日向の父の墓  林 雪
 武蔵野の空果てしなく春夕焼  福士 定子
 夫に似し人に蹤きゆき梅匂ふ  森 未知子
 夫婦して鶯餅を指して買ふ  内井紀代子
 夫の靴十年其処に土間寒し  渋谷乃里子
 来し方は振向かずして青き踏む  長谷川ハルエ
 啓蟄の尖兵らしき一つかな  森 荘之助
 お喋りも十人十色宿浴衣  山口千鶴子
 日向ぼこ野良着のままでもてなさる  若林佐喜子
 血潮湧くほどであらねど暖かし  岩崎 悦子
 蓑虫の一微の風に揺れ止まず  松岡 魚清
 犬ふぐり見つけ元気貰ひけり  窪田 功
 水仙の影の吹っ飛ぶ岬の風  今井 文和
 枝垂梅ゆるやかに咲き隊舎前  川村 和栄
     選者吟
 寒くとも暦の春を疑はず  保坂 伸秋
     (「栃の芽」誌提供)
 「栃の芽」誌をご希望の方は〈栃の芽会連絡先=仙台防衛施設局総務部・畠中草史氏?022・295・1281内線3100〉へご連絡下さい。

イラク派遣を終えて シリーズ
空自偵察航空隊 偵察情報処理隊 1空尉 坂本 章
 私は、第3期イラク派遣輸空隊要員として、クウェートにおいて約3カ月間勤務しました。派遣期間中に、空いている時間をみつけて隊員の散髪を行い、その結果、108人の髪を切り、厳しい生活習慣での煩悩を断つことができました。
 私の散髪生活は15年の夏に現在のイラク復興支援活動の先駆けとなるイラク被災民救援空輸隊要員としてヨルダンに派遣された際に、隊員から散髪の依頼があり、散髪を始めることとなりました。他人の髪を切るのは初めてでしたが自分の髪を切るのに比べて簡単で、予想以上に好評でした。
 今回の派遣においても多数の依頼があり、再び始めることとなりました。開始当初は一人一人慎重に切っていたため、非常に時間がかかりましたが徐々に腕を上げ、50人目を過ぎると細かい注文にも応えることができるようになりました。散髪を終えた後に皆のすっきりとした笑顔を見るのがとても嬉しかったです。
 派遣期間中の散髪を通じて多くのことを学ぶことができました。ここで私が考える「派遣先での散髪の効果」について紹介したいと思います。
 まずは隊員のストレス解消です。「頭髪の乱れは心の乱れ」とよく言われますが、特に派遣先において女性がいないためか、どうしても身だしなみを疎かにしがちです。他の連合軍と生活を共にする中で丸坊主ではあまりにも品がありません。また、髪型に気を使う人にとっては大きなストレスとなり、任務に支障をきたす恐れもあります。散髪という小さな事でも長期派遣においては日本での生活により近い環境を提供することが非常に重要であると感じました。
 次に、寒河江隊司令の輸空隊要望事項の一つである「相互理解」です。海外派遣された方は現地での人間関係の大切さを身を持って感じたと思います。空自の派遣は陸自とは異なり、北は稚内、南は喜界島、そして沖縄と津々浦々から集う言わば勇±連合軍であります。各々の職務に誇りを持つ約200名の隊員が、生活習慣の異なる国で共同生活をします。そのためお互いを尊重し、信頼しあうことが任務遂行する上で絶対に欠かすことができません。そこで散髪は大きな役割を果たすことができます。皆さんも今までに床屋さんと、思わず話が弾んだ経験があると思います。散髪を通じ皆が持つ心の中の考え、悩みを知り、他の職種についての見識を深めるとともに物事を多角的な観点から考えるよい経験になりました。
 そして、会話というオアシスです。「水と会話は絶やすべからず」というある教えのとおり、砂漠地帯では会話も不可欠なライフラインの一つであります。私が派遣された期間は最高気温が50℃を超えるあまりにも過酷な気候でありました。その環境下においては何も話したくない気分に陥りやすく、心身ともに不健康な状態が続きます。そこで散髪によって些細なことでも話せる場所を提供することができます。煙草を吸う人にはわかると思いますが喫煙所みたいなものです。しかし侮ってはいけません。たわいのない話をしている間に想像もつかない画期的なアイデアが浮かんだりするのですから。
 以上のことから散髪を得意とする方、現地ではあなたを必要としています。機会があれば是非とも派遣を、希望してください。
 I GO WHERE YOU GO!

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