ゴランPKOはナンバー・ワン
ゴランのPKO活動はナンバー・ワンである。去年で開始から30年、国連でもっとも古く長い歴史あるPKO活動だ。これまでに8カ国、5万人が参加。49名の尊い犠牲を出したが、武力衝突などの重大な事態はいっさい起きていない。 その中で、無事故・無傷を誇るのが日本の自衛隊だ。10年という期間は、自衛隊の国際貢献のなかでも最長、しかも参加国のなかで、活動する地域の広さは自衛隊がナンバー・ワンだ。 日本隊の活動は43名(と司令部要員2名)の少数だが、輸送、道路、宿営地の整備、重器材などの整備と改修、燃料など補給品の受領配分、補給倉庫保管物の管理、そして冬季にはヘルモン山の10メートルにおよぶ除雪を日本隊のみで実施する。その各種能力の高さは外国軍から「日本隊は200名くらいの規模だと思っていた」と言わしめたそうだ。 東部方面総監・今村功陸将は「厳しい環境でも、これまでの実績に誇りと自信を持ち」、常に情勢に気を配って「最善の安全確保」を、さらに多忙であっても「家族との連絡をしっかりと」、以上の3点が訓示。「第19次ゴラン高原派遣輸送隊」の看板を佐藤隊長に授与した。 青い帽子、青いマフラー、白い国連マーク。胸にはUNDOFの盾を模したバッジ。日本国旗と、日本隊を意味する「J‐CON」、今次「19th」の文字が刻まれている。佐藤隊長が自前で製作、全員に配った。 ゴラン高原派遣輸送隊は長官直轄部隊となる。約100名の家族が見守る体育館で、柏村武昭政務官が激励の言葉をもって「隊旗」を授与した。ゴランに到着後は、各国軍人・文民たちとともに国連の管理下に入る。(写真=約100人の家族が見守る中、練馬駐屯地体育館で柏村武昭政務官が19次隊長・佐藤3佐に「隊旗」を手渡した)
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