防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1029号 (2020年6月15日発行)
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読史随感
神田淳
<第55回>

フランシスコ・ザビエルの書簡より

 フランシスコ・ザビエル(1506-1552)は、日本に初めてキリスト教を伝えた人である。ナバラ王国(現スペイン領)の貴族として生まれ、イグナチオ・ロヨラらと共にイエズス会を結成(1534)、キリスト教の世界宣教を目指した。インドのゴアで日本人アンジローを知り、日本への宣教を決意した。
 1549年、鹿児島に到着、宣教活動を開始した。以後、山口を中心に、平戸、京都、大分にも足を伸ばした。日本の宗教がシナ(中国)由来で、日本人のシナへの敬意を知ったザビエルは、シナへの布教を決意。1552年日本を去り、広東近くの上川島に到着して入国の機会を待ったが、病を得てここで没した。
 ザビエルはローマのイグナチオ・ロヨラを始め、ポルトガルやゴアにいるイエズス会神父らに、布教の様子を克明に知らせる書簡を多く送っている。書簡にはザビエルが当時の日本人をどう見ていたか、日本人がキリスト教をどうとらえたか、などが記されており、それを読むと日本人は470年前とほとんど変わっていないこと、キリスト教と日本人との接点において生じる本質的な問題は、全く変わっていないことがわかる。
 ザビエルは、日本人が知識欲旺盛なこと、盗みを極度に嫌うこと、道理(理性)に従うこと、名誉心が非常に強く、貧乏だが武士も平民も貧乏を恥辱だと思っていないこと、武を重んじること、たいていの日本人は字が読めること、自分が遭遇した国民の中では日本人が一番傑出している、などと記している。
 特に理性に従うことについては、「日本人は驚くほど理性に従います。ここの国民は、恥知らずの行いをしていることを知りつつ罪を犯す他の国々の者と違い、理性に反して手に負えない悪徳にふけるようなことはしません」、などと記している。理性は愛と並び、西洋で非常に重視される精神である。ザビエルは当時の日本人を理性に従う人々と見た。また、異常なくらい名誉心が強い、貧乏だがそれを恥辱と思わない、なども強い印象だったのだろう。
 ザビエルは、宇宙にはたった一人の創造主(神)がおられ、天、地、海などの自然、及び人間を含む万物をその方が創造したのだというキリスト教の教えを聞いて日本人が驚いている、なぜなら日本人はそういうものは自然に生まれてきたものだと思っているから、と書いている。そして、創造主は至高の善であり、悪はみじんもない、という教えに多くの日本人は納得しなかったと記す。日本人は、至高の善なる神がすべての創造主だとすればなぜ悪が存在するのか、なぜ人間をこれほど弱く、罪から逃れられないように創造したのかと言い、人間が救いのない地獄に投げ込まれることもあるという考えに納得しなかった。
 また、ザビエルは信者になった日本人が大きく悲しむことの中に、地獄に落ちた人はもはや全く救われないと知ったことがあると書いている。キリスト教を知らずに、すでに死者となった自分の両親や祖先が地獄に落ちている場合、神はこれを救えないのかと聞き、救える方法はないと言うザビエルの答えに信者は泣いて悲嘆した、と記している。
 日本人がキリスト教に接したとき感じる最大の問題点が、ザビエルが布教を始めた時点で、すでに表れている。私は当時の日本人に健全な理性を感じている。
(令和2年6月15日)

神田 淳(かんだすなお)
 高知工科大学客員教授
著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


 3月以降、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から説明会等を中止せざるを得なかったが、各地方協力本部はそんな中でも創意工夫をしながらウェブ・SNS等を利用し「新しい生活様式」に合わせた募集活動を展開している。全国で緊急事態宣言は解除されたが、第2波・3波への警戒を怠らず万全の感染防止対策を講じ、7月以降の採用本格化に臨んでいく。
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静岡募集案内所「新しい生活様式」取り入れた施策を展開
<静岡>
 静岡地本(本部長・宮川知己1空佐)の静岡募集案内所(静岡市)は、「新しい生活様式」としてさまざまな施策に取り組んでいる。
 これは国が示した新型コロナウイルス感染症対策の一環に基づき、所員の出勤前の検温の徹底からはじまり、マスクの装着、定期的なうがい・手洗い・アルコール消毒を実施し、自分を守ることはもちろん、周囲への配慮を日々徹底している。そして、案内所へ安心して来所してもらえるように、来訪者用のマスクとアルコール消毒液の用意、対面時の飛沫を防止するためのビニールカーテンの設置、室内の換気を実施し、密閉・密集・密接の3密防止を徹底している。
 また、基地祭などの各種イベントが中止される中でも、自衛隊の情報を発信する手段の一つとして、事務所の外壁に新たにデジタルサイネージを設置。普段目にすることのない隊員の生活に密着した貴重な動画を流している。更にスマートフォンで自衛隊の活動をすぐに確認できる静岡地本公式ツイッターでは、営業部長兼ねて応援団長のマスコットキャラクター「しずぽん」が、静岡所を訪れて事務所内を紹介する動画も公開し、新しい生活様式に合わせたPRを行った。
 一方、ステイホームにおいては、3密防止を踏まえた新たな募集活動の準備等に取り組み、ネットをはじめ映像伝送のあり方など新分野の知識を向上させた。日々さまざまな制約が生じているものの、所員は状況に応じたPRの方法を見直す良い機会と捉えて、自己の能力向上をはじめ前向きな気持ちで取り組んでいる。
 今後も静岡地本は、新しい生活様式を実践していくとともに新たな情報発信にも取り組み、より一層自衛隊の魅力をPRしていく。

自候生採用試験開始! 感染防止策万全に
<福岡>
 福岡地本(本部長・深草貴信1陸佐)は5月30日及び31日の両日、令和2年度福岡地本として初めてとなる第1回自衛官候補生採用試験を福岡駐屯地及び久留米駐屯地の2コ会場で実施した。試験に挑んだのは2コ会場合わせて約90名。本試験においては受験者の体調確認、誘導要領、試験要領、試験会場の配置等について規定した「新型コロナ感染拡大防止策を講じた試験実施マニュアル」を作成し、事前に予行を実施し全勤務員に対し徹底を図った。当日は、受験者の事前の体調を確認するための「健康状態確認シート」のチェック、当日の体温チェック、手指等の消毒、受験者の間隔を2m以上確保するなど感染防止対策を徹底し、万全の態勢で試験に臨んだ。
 受験者からは「この時期(5月)に採用試験を実施してもらい大変ありがたい。夏以降になるのではと不安だった」「これまでWebでの就職説明や面接が多かったため不安だったが、今回のように従来通りの要領で試験を受験でき安堵している」「感染拡大防止策が徹底されており、自衛隊の取り組みに感心するとともに、安心して受験できた」との声が聞かれた。
 福岡地本は「引き続き、新型コロナウイルスの感染状況を注視しつつ、対策を徹底し受験者及び勤務員の安全を確保しながら今後の各種試験に臨んでいく」としている。

YouTubeにWebセミナーチャンネル開設
<長野>
 長野地本(本部長・三笠展隆1陸佐)は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う各種就職ガイダンス等の中止・延期により、募集対象者に直接採用説明を行う機会が減少したことを受け、YouTubeに独自のWebセミナーチャンネルを開設した。
 第1弾として、自衛隊の役割と重要性、任用制度、待遇・福利厚生、教育・研修制度等、7つの説明動画を自衛隊広報ルーム(長野市)において撮影し、アップした。各説明動画の前後には、誰でも気軽に見てもらえるように長野地本で勤務する女性隊員ら3名が出演し、各動画についての長野県内の状況等について説明をするなど、長野県内の募集対象者に分かり易い内容となっている。
 今後も第2弾として、女性隊員の活躍や処遇、防衛省のWLB(ワークライフバランス)への取り組み等について、動画をアップしていく予定である。
 長野地本は、この動画を見て自衛隊に興味を持った人などのために、Skypeを活用した個別ガイダンスの機会も設けており、今後も困難な状況にある就活生らに寄り添った募集活動に努めていく。

隊友会が手作りマスクで募集業務を応援
<東京>
 東京都隊友会台東支部(会長・中曽根麻里)は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言発令中の5月中旬、「コロナ禍の今だからこそ、地元で活動する東京地本の台東出張所(所長・武下3陸佐)と同出張所を訪れる募集対象者の感染予防に役立ててもらおう」と、手作りの布製マスクを製作し、台東出張所に提供した。
 綿の素材で作られたオリジナルマスクは洗って繰り返し使用でき、通気性も良いため、夏場の着用にも適しているとともに、隊友会の紹介や自衛官募集に関する情報提供を促す案内文が同封されており、広報活動にも一役買っている。個別相談のため台東出張所を訪れた募集対象者らは、隊友会からの思いがけないプレゼントに感謝の言葉を述べ、マスクを受け取っていた。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、各種活動に制約を受ける中、「今できること」を模索していた台東出張所は、今回の好意を励みに、今後も隊友会をはじめとする関係協力団体と連携しつつ、新型コロナウイルス感染症に起因する諸制約を克服して、防衛省・自衛隊に対する理解と関心を高め、自衛官募集業務に繋げるとしている。

初のスカイプ総員集合訓練「米百俵の精神」で
<新潟>

 新潟地本(本部長・大倉正義1陸佐)は、4月10日、本部庁舎共用会議室及び各地域事務所等において、ビデオ通話ソフト「スカイプ」を活用したVTC形式による総員集合訓練を実施した。
 従来、総員集合訓練は、新潟地本全隊員を本部に参集して四半期に一度、各種教育を実施していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、3月27日に実施した所室長集合訓練におけるスカイプの有効性を確認したため、今回の総員集合訓練でも使用し行われた。
 本部会議室では、感染防止のためマスクの着用、各人距離2メートル以上の確保及び窓等の解放による換気の徹底を行い、モニター画面越しに参加する隊員を含め、計9カ所を繋ぎ総員70名で訓練を開始した。
 本部長は「今年は、米百俵の故事から150年の節目にあたる。『百俵の米も食えば忽ち無くなるが、教育に当てれば明日の一万、百万俵となる』という、この「米百俵の精神」で頑張っていこう。新型コロナウイルス感染拡大により、募集対象者との接触機会は大幅に制限を受けている。その厳しい環境の中でも、隊員一人ひとりの日頃の募集活動が、20年後、30年後の自衛隊の人的基盤の安定に繋がる」と隊員を鼓舞した。
 今回の「スカイプ」を活用した訓練は、感染防止対策として密集を避けられるだけでなく、佐渡駐在員事務所等の遠隔地へ同時教育を行うことができ、有効であった。新潟地本は「引き続き防疫対策を万全にし、令和2年度の各種目標達成に向けて、継続的な隊務運営を実施していく」としている。


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