防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1029号 (2020年6月15日発行)
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防衛医科大学校病院
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感染対策室長 藤倉 雄二
 防衛医科大学校病院は埼玉県が承認する第一種感染症指定医療機関であり、今回の新型コロナウイルス感染症においても、流行当初から受け入れを行ってきました。埼玉県からの要請に基づき、当院では2020年2月1日に埼玉県第1例目の新型コロナウイルス患者の受け入れを行ないました。当時、中国武漢市からの政府チャーター便帰国者の一時滞在先が埼玉県内にあったため、初期に当院で受け入れた患者は中国からの帰国者が中心でしたが、3月に入ってからは埼玉県内でも散発的に患者が出現するようになったため、県の要請に基づき、特に中等症以上の患者を中心に受け入れを行ってきました。当院の特色を活かし、比較的重症度が高く人工呼吸器管理を必要とする患者や、合併症(透析患者、精神神経疾患など)のため他の病院では対応できないような患者も受け入れたため、所轄保健所のみならず比較的遠方の患者の対応も行っております。
 当院では3月16日に、病院長を本部長とし、医師、看護師、事務職員を構成メンバーとする新型コロナウイルス感染対策本部を設置し、近隣の感染状況と当院での対応について情報収集するとともに、情報の一元化によって効率の良い対策を行える組織を構築しました。埼玉県内では東京都から少し遅れ、4月上旬に急速に新規患者数の増加がみられ始めました。もともと、当院では感染症・呼吸器内科および事前に登録していた看護師が新型コロナウイルス感染症の診療を行っておりましたが、県内の患者増加に伴い、当院への受入要請も増加し、単一診療科や事前登録した看護師だけでは対応できなくなりました。そのため、病院の事業継続計画(BCP)を策定し、それに基づき病棟を順次閉鎖、最終的に3個病棟を閉鎖し看護職員を確保するとともに、医師に対しては診療科の垣根を越えた診療医師団を結成し4月10日から運用を開始して診療にあたっています。病院内では検査部の協力により早期より核酸増幅検査を新たに実施し、その他、放射線技師や臨床工学技士の協力のもとに十分な感染対策を講じながら診療を継続しています。さらに、人工呼吸器や持続血液濾過透析が必要な重症患者の増加に伴い、救急部の全面的な協力をいただき4月16日から救命センターICUを新型コロナウイルス感染症専用のICUとして運用しています。
 治療については、受け入れ開始当初はまだ知見も乏しいものでしたが、国内外の様々な指針を参考にして治療を行ってきました。ファビピラビル(アビガン?)なども早期から導入しています。本疾患は軽症が多いとされますが、当院に入院となる患者の多くは既に肺炎を発症している中等症以上の方がほとんどであり、入院後比較的急速に悪化する症例、改善傾向にあっても致死的な合併症が生じた症例など様々経験しました。現在ではこれらの経験や日々アップデートされる知見に基づいた防衛医大の治療指針を作成し、それに基づいて治療を行うことで治療の最適化を図っています。
 現在、緊急事態宣言の影響もあり患者数は減少に転じていますが、社会経済活動の再開により再度患者が増加に転じる可能性があり、引き続きある程度の新型コロナウイルス感染症診療機能を維持しながら出口戦略を立案しています。
 今回の新型コロナウイルス感染症の流行は、医療現場のみならず我々の生活様式を大きく変える結果になりました。このようなパンデミックにおいて、限られた医療リソースを有効活用するための仕組みづくりがまだまだ不十分であり、今後発展させる必要があることを認識しました。一方、感染管理・対策の面から考えると、マスクの正しい利用や手指衛生の重要性など、社会啓発が進んだことは今後の衛生概念の向上につながったと思います。十分に有効なワクチンや治療薬が開発され、疾患が制御できるようになるにはまだ時間がかかります。それができるまでは、今後長い時間をかけて新型コロナウイルス感染症との「つきあい方」を模索する必要があると考えます。
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医療安全・感染対策部艦船対策室 三瓶 歩
2波・3波に備えたマニュアル作成が必要

 当院は第一種感染症指定医療機関の認定を受けています。私は、第一種感染症患者受け入れ時の対応要員となっており、当院が新型コロナウイルス感染症患者の受け入れを開始した2月初旬から4月までの約3か月間、病棟で患者対応に当たりました。
 治療薬がないことや、感染力の高さなどの情報が連日伝えられる中での対応に不安はありました。しかし、飛沫・接触感染であるため、必要な個人防護具を正しく着脱し、正しいタイミングで手指衛生を実施するといった、まずは普段から院内で実施している感染対策を確実に実施することを重要視しながら対応に当たりました。
 実際の患者受け入れから対応方法、処置、ケアは当院で作成した「一類感染症対応マニュアル」を参考にしながらも、常に更新される最新情報をスタッフ間で共有し、試行錯誤していく必要がありました。また、自分たちスタッフへの曝露を最小限にするために、テレビカメラや心電図モニターによるモニタリングを活用して患者の観察を行いました。
 受け入れ当初は、政府のチャーター便による帰国者の方が中心で、中には明らかな症状がない無症候性病原体保有の方もおられました。そのような患者に関わる中で、症状が出現しないかの観察だけでなく、通常個室とは異なる陰圧室に入室することや、外出や面会の制限に対する精神面のケアも必要だと改めて認識しました。
 3月になると埼玉県内での感染者が出始め、当院は中等症以上の患者を中心に受け入れることとなりました。この頃受け入れた患者は、はっきりとした感染経路が不明の患者であり、また、家族も濃厚接触者となっているといった状況でした。この時期から入院後、呼吸状態が悪化し人工呼吸器を使用する患者が出てきました。大きな基礎疾患がない方であっても急激に呼吸状態が悪化するところを目の当たりにし、改めて新型コロナウイルス感染症の恐ろしさを感じました。
 重症の患者となると必然的に処置やケアが多くなります。通常より頻回な訪室や、長時間病室に滞在することが多くなるため、曝露しないよう、よりいっそう気をつけて対応に当たりました。
 しかし、曝露の危険はあると言っても、どうにか回復して欲しい、できる限り通常と同じように患者をケアしたいという思いは常にありました。
 3月から4月にかけては重症の患者が亡くなることもありました。入院後も亡くなる間際まで面会もできない患者や家族の思いを考えるととても辛いものがありました。テレビモニターを使用したり、最期の時のみ家族が防護具を着用して面会する形をとりました。
 私は現在、医療安全・感染対策部、感染対策室専従の感染管理認定看護師として勤務しています。患者に関わる前線ではなく、後方からの支援として感染対策の確認や感染防止技術に関する教育、職員からの相談対応などをしています。
 市中蔓延期となってからは、外来通院をしている患者の中にも、新型コロナウイルス感染疑いの患者が出始めているため、感染症病床だけでなく一般病棟での対応についての相談や、職員の健康に関する相談も多くなってきました。2月から4月に前線で患者に対応した経験と感染管理に関する知識をもとに、臨床現場への助言や、職員の不安の軽減に努めていくことが私の役割だと考えています。
 今回、2、3か月の短期間で、社会の状況が目まぐるしく変化し、病院としての対応もフェーズごとに変化していきました。また、予想しない形で第一種感染症病床を開くこととなり、「一類感染症対応マニュアル」が活用できる部分とそうでない部分、また新たに決めておくべき項目や改変が必要な項目などが多くありました。
 今後は第2波、第3波の発生やあるいは新たな感染症が発生した際に対応できるよう、これまでの状況を振り返りながら整理し、マニュアルとしてまとめていくことが必要だと考えます。
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札幌病院

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新型コロナ拡大中でも起こる災害
 4月21日に統裁官(自衛隊札幌病長・大鹿芳郎陸将)は、防衛警備上の事態、災害派遣及び航空機事故における事案等発生時の初動対応の行動を演練する目的として、「令和2年度第1回即応態勢点検」を実施した。
 部隊当直司令は、「0450頃、道東地区において震度6強の地震発生」の状況付与を受け、速やかに電話とメールによる非常呼集を開始、当初残留の営内隊員が、部隊当直司令の指揮の下、携行資材の集積を行った。じ後、登庁した救護班要員が携行資材を点検し、出発準備を完了させ、統裁官(病院長)への報告を終え状況を終了した。
 本訓練において、統裁官は「新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも自然災害が起きる可能性がある。今、起きた時にどう行動するかシミュレーションしておくことが大切である」と訓示をした。
 引き続き、病院は物心両面の準備を万全にして即応態勢を維持する。
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第5対戦車ヘリコプター隊

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私の家族
新型コロナに対して出来る事
人事班長 杉田 和広
 政府は4月16日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言を全国に拡大しました。ニュースでは連日新型コロナウイルスの感染状況、医療崩壊の危険性等を報じており、事態は深刻であることが伺えます。
 このような中、私の妻は、三重県伊勢市の子育て支援センター「きらら館」に勤務し、乳幼児をお持ちのご家庭のお母さん達に対して乳幼児の保育に関する支援をしておりました。
 しかしながら、先日の緊急事態宣言を受け、子育て支援センターも新型コロナウイルス感染拡大防止のため当分の間休園となりました。乳幼児をお持ちのお母さん達の負担が増す事を心配していた矢先、伊勢市から妻に「家庭で過ごす機会の増えた親子が楽しい時間を過ごすことを目的とした動画投稿に協力してほしい」という依頼があり、私もこの依頼に賛同し、妻に是非協力するよう勧めました。妻は当初は迷っていましたが、地域のためになるのであればと引き受けることにしました。
 妻のこの動画は現在「伊勢市きらら館動画」で検索すれば視聴して頂くことができます。これを読まれている方で、ご家庭に乳幼児がいらっしゃる方に是非ご視聴して頂ければ幸いです。
 新型コロナウイルス感染拡大によって日々不安が増すなかで、杉田家はワンチームとして行動することとし、息子・娘は家で待機を、妻はこの動画を作成・配信することで、そして私からは隊務に精励する事で国民の皆様に安心を届けられるよう頑張っていきたいと思います。
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関東補給処松戸支処

 関東補給処松戸支処(支処長・野口恵一1陸佐)は、新型コロナウイルスによる外出自粛が続く4月27日から5月10日までの間、各部署の隊員を募り、被服縫製や落下傘整備等の能力を最大限に活用し、部隊要望に応えるべく布製マスクを製作するとともに、今後発生する同様の事態に備えた技術の継承を図った。製作にあたっては、被服キャンバス工場及び落下傘整備工場のミシンを用いて、専門的技術を有する技官(被服班要員)の指導のもと、延べ約180人により約1500個を完成させた。
 布マスクは、数種類の仕様検討及び試作を経て、旧制服の余った生地を活用した濃緑色の立体型に仕上げた。また、ガーゼ等フィルターの挿入ができるポケットを設けるとともに裏地にはガーゼ生地を使用する等、機能、装着感も考慮した。部隊等への配布も開始されており、着用した隊員からは、迷彩服や制服着用時に違和感がない色であり、むれにくく使いやすい等の高い評価が得られており、感染防止に役立つことが期待される。
 同支処は、マスクのみならず、持てる技能を活用して、各活動場面での部隊ニーズに積極的に応えていく所存である。


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