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スペーサー
自衛隊ニュース   1089号 (2022年12月15日発行)
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分隊対抗バトラー競技会
<第17普通科連隊>
 日々、寒さが厳しくなってくるこの季節、10月24日および25日の2日間、第17普通科連隊(連隊長・山室知由1陸佐=山口)は令和4年度分隊対抗バトラー競技会を開催した。
 この競技会はレーザー交戦装置、交戦訓練装置を使用した実戦により近い訓練であり、分隊長の命令・指揮、分隊員は射撃と運動、知識・技術等を大いに活用して競技会に臨んだ。
 また、ルールは、殲滅、旗の奪取、終了時間までに中間旗の奪取又は生き残り等としている。その為、すぐに勝負が決してしまう。
 試合が開始されると、真っ先に旗の奪取を目指し車両機動をさせる分隊、隠密行動で接近する分隊、大きく迂回して敵に射撃をする分隊など、様々な戦い方が見られ、モニター越しに競技を観戦していた隊員は、戦況の変化にざわめき、勝利時には大きな盛り上がりを見せた。
 また、今年は勝ち進んでいくと夜間での競技が行われ、戦況が大きく変化していたが、勝ち進んできた分隊員は敢闘しつづけ、最後まで諦めず勝利を目指した。
 結果、第3中隊の河田分隊が優勝し、「皆が考えて行動し、戦い続けた結果、優勝できた。これに甘んじることなく精進していきたい」とコメントしている。

5年ぶりに矢臼別を担任
演習場秋季定期整備
<第12施設群>
 第12施設群(群長・荒関大輔1陸佐=岩見沢)は、11月7日から11月15日までの間、「令和4年度演習場秋季定期整備」を矢臼別演習場、北海道大演習場(島松地区)および然別演習場で実施した。
 整備隊長である群長は開始にあたり、「一丸となって整備任務を完遂せよ」「施設科のプロとして、施設技術を積極的に発揮せよ」「安全管理・健康管理」の3点を要望した。
 矢臼別演習場では第398施設中隊が白鳥台の火砲進入路整備を担任し、荒廃箇所や水溜りにより泥濘化した箇所を整備した。また、装軌車道(48km)の路面整形、側溝整備、装輪車道(159・1km)の路面整形、側溝整備、溜めますの浚渫等を実施した。
 この際、方面直轄部隊に対する積極的な施設支援・技術助言等を実施し、方面隊全体の施設技術の向上に寄与した。
 北海道大演習場では、第2戦車道(装軌車道)路盤強化整備を春季に引き続き第399施設中隊が担任し、降雨による泥濘化を解消すべく、「D・BOX」という新素材を活用して路盤強化及び排水性の向上を図った。
 また、今回の整備作業は初めてICT施行を取り入れ部隊のICT化推進に寄与した。
 さらに、第400施設中隊が機械力をもって第5旅団を支援し、然別演習場整備に寄与した。
 群は5年ぶりの矢臼別演習場整備を担任するとともに、北海道大演習場及び然別演習場整備を実施し、整備隊長の要望事項のもと、安全管理・基本基礎を徹底し、新型コロナウィルス感染拡大防止に万全を期し、方面隊の「道場化推進」に寄与すべく、特有の施設技術能力を積極的に発揮し本整備を完了した。

中SAM部隊実射訓練
米国の地で一撃必墜!
<第8高射特科群>
 第8高射特科群(群長・ 久守直紀1陸佐(当時)=久居)は、11月中旬、米国(ニューメキシコ州)において、令和4年度中SAM部隊実射訓練に参加するとともに、本訓練の場をもって、第339高射中隊(中隊長・加耒3佐)及び第343高射中隊(中隊長・中野3佐)に対し、実射訓練検閲を実施した。
 これまでの国内における訓練において、夏の猛暑と新型コロナの猛威を乗り越え、射撃準備、模擬実射及び対空実射の項目を受閲し、高射特科隊員として、一撃必墜の信念のもと、所望の成果を得た。
 参加隊員は、「必死に訓練課目を積み上げてきた。その中において、器材の操作練度が向上できたことはさることながら、何よりも全員一丸となって検閲に臨むことができ、辛さや苦しさよりも、充実感と達成感が一番の成果です」と満面の笑みで語った。
 新たな目標に向かって、「最強群」第8高射特科群の挑戦は続く。
★優秀隊員
 【第339高射中隊】
 南貴文2曹(指揮班射統陸曹)、山口真司3曹(捕捉班射統陸曹)、鳥越圭太2曹(第1射撃班第1射撃班長)、松本将空3曹(第2射撃班発射陸曹)、高橋達也3曹(弾薬班弾薬班長)
 【第343高射中隊】
 吉田魁生士長(指揮班 射統手)、藤原真心3曹(捕捉班射統陸曹)、赤尾瞬2曹(第1射撃班第1射撃班長)、西山栄介3曹(第2射撃班発射陸曹)、坂本健2曹(弾薬班弾薬班長)

師団射撃競技会で5普連が総合優勝
 第5普通科連隊(連隊長・降旗慎生1陸佐=青森)は、10月16日から21日までの間、岩手山演習場において師団で実施された「令和4年度師団射撃競技会」に参加した。
 競技会は、隊員の射撃能力の向上を図るとともに、部隊の団結の強化及び士気の高揚に資することを目的として「至近距離射撃の部」「小銃小隊射撃(攻撃)の部」「狙撃射撃の部」「81mm迫撃砲射撃の部」及び「120mm迫撃砲射撃の部」の5部門で実施された。
 競技会に先立ち10月13日、青森駐屯地で行われた壮行会において、連隊長は「連隊射撃競技会(10月16日km10月26日実施)において優勝した中隊はその誇りを胸に、惜しくも栄冠をつかめなかった中隊はその誇りを取り戻すべく、必勝の信念をもって師団競技会に臨んでもらいたい。全隊員全ての努力が岩手の地で実を結ぶことを祈念する」と訓辞を述べたほか、各中隊の代表者が師団射撃競技会に向けた熱い思いを述べた。
 10月17日「至近距離射撃の部」では、41名中16名が満点をとり最高の初陣を飾った。とりわけ本部管理中隊の木村沙聖1士(女性自衛官)は若年隊員ながら満点を叩き出し、連隊総合優勝に貢献した功績により師団長より褒賞された。10月18日「小銃小隊射撃(攻撃)の部」では、状況開始から偵察に始まり、命令下達、戦闘指導、攻撃(第1状況及び第2状況)という一連の行動に沿って競技会が行われた。特に第2中隊は、精度の高い射撃により見事参加12個小隊中1位となった。10月19日「狙撃射撃の部」では、的の射倒数、点数、残弾数及び射倒速度の4項目で競い、5連隊全チームが満点をとる快挙を成し遂げた。また「81mm迫撃砲射撃の部」では、陣地占領、BP修正射及び効力射の3個状況下で速度点と精度点を競った。参加した3個中隊は、見事な3者連携と精度の高い射撃により奮闘した。
 10月20日「120mm迫撃砲射撃の部」では、陣地占領、ABCA試射、効力射、陣地変換及び修正射後効力射の5個状況下で速度点と精度点を競い、これまでの練成射撃などで培ってきた射撃技術を遺憾なく発揮し、連隊を栄えある総合優勝に導いた。
 連隊長は、21日に実施された優勝報告会で「各隊員がそれぞれ任務を理解し団結してきた成果が優勝に繋がった。『勝って兜の緒を締めよ』とあるように、引き続き練度を維持し、さらに実戦的な射撃ができるように気持ち新たにやっていこう」と述べた。
 連隊は競技会を通じ、各種火器・火砲の射撃練度及び射撃指揮能力の向上を図ることが出来た。

レゾリュート・ドラゴン22
日米の共同連携を強化
<第3即応機動連隊>
 第3即応機動連隊(連隊長・山崎潤1陸佐=名寄)は、10月1日から14日までの間、矢臼別演習場、上富良野演習場及び然別演習場で行われた「令和4年度国内における米海兵隊との実動訓練(レゾリュート・ドラゴン22)」に参加した。
 本訓練は、島嶼作戦における陸上自衛隊と米海兵隊との国内最大規模となる実動訓練であり、第3即応機動連隊、第2後方支援連隊のほか方面直轄部隊が、米海兵隊からは、第12海兵連隊第3海兵大隊のほか航空部隊及び後方支援群らが参加して日米の共同対処能力を向上させた。
 10月1日、秋晴れの矢臼別演習場において訓練開始式が行われた後、上富良野演習場に飛び立ったオスプレイ及びCH53による第3海兵大隊の機動展開を第3普通科中隊(中隊長・須加崎3佐)の援護の下、受け入れを完了した。その後、調整所の開設運営、日米相互の射撃訓練を実施し、特に機動戦闘車中隊(中隊長・齋藤3佐)による16式機動戦闘車の射撃では、その精度に米海兵隊が驚いた様子であった。更に、オスプレイを使用した日米共同の緊急患者後送により、日米の連携強化を図った。
 訓練の中盤からは、上富良野演習場において作戦準備を実施し、言葉の壁を乗り越え準備を完整させ、日米の戦闘力を最大限発揮して上陸する敵を撃破して任務を完遂した。
 共同訓練を終えた隊員達は、共同訓練の場でなければ得難い貴重な経験をする事ができ、達成感と充実感に満ち溢れていた。
 第3即応機動連隊は、今後も国土防衛の実効性を更に向上させるため訓練に邁進していく。

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