「第66回全日本銃剣道優勝大会」が4月25日、東京・九段の日本武道館で開催され、防衛省第1部は陸自普通科教導連隊(滝ヶ原)が制した。大会は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、3年ぶりに開かれた。
日本武道館に裂ぱくの気合が響いた。3年ぶりの銃剣道優勝大会は、各試合場で熱戦が続いた。
防衛省第1部、同第2部、一般、女子の4部門で団体戦(5人制、または3人制)が競われた。吉田陸幕長、山根寿一陸幕副長、岸良知樹陸幕監理部長、陸自最先任上級曹長の村脇正伸准尉も来場し視察した。
陸自の普通科連隊等を対象とする防衛省第1部には各方面隊から58チームが出場。普通科教導連隊が52回大会(平成20年)以来14年ぶり6度目の優勝を果たした。
普通科教導連隊は前回覇者第50普通科連隊(高知)との3回戦。次鋒西村健一1陸曹が一本を先制されたものの取り返して勝利し、「流れが変わった」(監督・坂元誠3陸尉)と4-1の勝利につなげた。
第16普通科連隊(大村)との決勝は副将戦を終え2-2の同じ勝率に。優勝を委ねられた大将小倉弘之2陸曹は相突きで出した突きを確実に下胴に決め、一本を奪取した。
一方、陸空自の駐屯地・基地合わせて49チームが出場した防衛省第2部は、日本原と対馬が決勝へ進み、日本原が3-2で接戦を制した。
女子も健闘
入賞チームは次の通り。
【防衛省第1部】(1)普教連(滝ケ原)(2)16普連(大村)(3)40普連(小倉)、15即機連(善通寺)
【同第2部】(1)日本原(2)対馬(3)北熊本、宇都宮
【女子】(1)北海道選抜A(2)愛媛県選抜(3)26普連(留萌)、41普連(別府)
坂元3尉、監督でもV
普通科教導連隊の大将として47〜49回(平成15〜17年)大会で3連覇を達成、個人最強を決める選手権(24年)も制している坂元誠3陸尉が初めて監督を務め、優勝に導いた。
52回大会優勝後、チームは10年以上優勝から遠ざかった。一昨年4月、連隊銃剣道練成隊(40人在籍)の教官に上番。選手のときは勝つことに集中できたが、上番後は訓練基盤の確保や連隊、中隊との調整などにも追われた。
そうした中、「基本に忠実な正しい銃剣道」を改めて徹底。職務に取り組む姿勢を含む意識改革も求めた。新田幸司連隊長の「練成隊に参加している時は銃剣道を学び、訓練・演習等に参加している時は銃剣道に学びなさい」の指導の具現化にも努めた。
監督としてつかんだ優勝。「富士学校長、富士教導団長、連隊長はじめ、多くの皆さまのご支援に感謝申し上げます」と謝意を示すとともに、教育支援に当たる富士学校にあって、銃剣道でも「全国から目標とされる部隊を目指す」と意欲を語った。 |