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自衛隊ニュース   989号 (2018年10月15日発行)
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インドネシア地震・津波被害国際緊急援助隊を派遣
 10月3日、岩屋毅防衛大臣は防衛会議を開き、9月28日にインドネシア共和国・スラウェシ島パルで発生した地震・津波被害の支援に係る「国際緊急援助活動の実施に関する自衛隊行動命令」を発出した。マグニチュード7・5を記録した地震と津波により、10月9日現在、死者は2千人以上、避難者は8万人を超えた。岩屋大臣は防衛会議において「自衛隊が有する豊富な災害派遣の経験、そして装備を活かしてインドネシアの被災者を支援していきたい」と述べた。
 3日夜、インドネシア国際緊急援助隊として約40名が搭乗した第1輸送航空隊(小牧)所属のCH-130H輸送機が現地に向けて出発。領空通過の許可申請や天候の関係で一旦硫黄島に向かい、6日に援助物資集積地となっているインドネシア・カリマンタン島バリクパパンに到着した。到着後速やかに輸送活動を開始。バリクパパンから約350km、被災地のスラウェシ島パルに援助物資を空輸する等懸命な援助活動を実施中だ。また、統幕・空自(空幕)・情報本部で構成された現地調整要員8名も3日夜に民航機で出国。バリクパパンで被害情報やニーズ等の情報収集を行うとともに、他国の援助隊と物資輸送や運航調整等を行っている。

第47回アジア・太平洋地域
後方補給セミナー
<統合幕僚監部>
 米インド太平洋軍が主導するアジア・太平洋地域後方補給セミナー(Pacific Area Senior Officer Logistics Seminar=PASOLS)の第47回が9月25日から28日まで東京港区の三田共用会議所などで行われた。
 これは主にアジア太平洋地域の加盟国から、国防省や統合軍の将官を中心とした実務者が参加し、意見交換による相互理解と信頼関係の構築を目的としたもので、1971年の第1回以来、加盟国の持ち回りで開催されている。日本は1980年のオブザーバー参加を経て1995年に正式加盟し、2007年にわが国で第36回が開催された。
 11年ぶりの日本での開催となった今回は、オーストラリア、バングラディッシュ、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、フィジー、フランス、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニュージーランド、パプアニューギニア、韓国、シンガポール、スリランカ、タイ、トンガ、イギリス、アメリカ合衆国など29カ国から約100名の参加者が25日に来日。翌26日に開会式、基調講演、全体会議、2ヶ国・多国間協議が行われた。
 開会式では米インド・太平洋軍のJ4部長デビッドソン少将、統幕主席後方補給官の近藤奈津枝海将補の開会の辞に続き、大野敬太郎・防衛大臣政務官(当時)が防衛省代表挨拶を行った。その中で大野政務官はまず2011年に起きた東日本大震災で世界各国からの救援部隊によって多くの尊い命が救われたことへの感謝を表明し、功を奏したインド・太平洋地域の協力関係の、さらなる強化のために本セミナーが果たす役割の重要さを強調。華々しい前線の陰に隠れがちだが、後方は作戦の要というべき重要な部門であり、これがNGOや関係省庁、国際機関と連携することでより充実した後方支援活動を目指すべき、と結んだ。基調講演では国連の食糧支援機関WFP=World Food Programmeの元アジア地域局長・忍足謙朗氏が、自然災害では民・軍が人命を守り復旧を助けるという共通の目的で協力することの重要性を、2013年のフィリピン台風、2015年のネパール地震などを例に説明し、出席者からの活発な質疑に答えていた。

【訂正】
 9月15日発行の第987号に掲載された「防衛省・自衛隊高級幹部名簿」に誤りがありましたので、お詫びして訂正致します。
・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部
部  長 陸将補 廣惠 次郎
・奈良地方協力本部 副本部長 二陸佐 宮原  修
・奈良地方協力本部 募集課長 二空佐 桐口 千尋

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