異動の時期になると沢山の挨拶はがきを弊社宛にいただく。重々しく封筒で前任者と連名のものには新しい職務への意気込みが伝わってくる。退官のはがきをいただき、あれっあの人ももうそんな年だったんだと自分の年も考えないでびっくりすることが何度もある。Sさんからは42年の自衛隊勤務、その間の勤務地を北海道から四国まで10箇所も列記している、どこも今では楽しかった思い出ばかりのようで万感の想いが読み取れる。またOさんからは営門をバックに恐らく最後の制服姿であろう写真を入れて「無事卒業しました」。馬に例えるつもりはないが、まさしく正岡子規の名言「無事これ名馬なり」。なにかと事故・事件の多い組織で「無事卒業」はすばらしい勲章ではないだろうか。再就職の人の多くは第2の人生に出発しますと書いている。状況や立場がどんなに変わっても人生は1回の続きではないかと思っていた筆者はそういう言い方もあるのかと考え直したことがあった。10年ほど前にゴラン高原に一緒に行ったFさんからもご挨拶状をいただいた、Fさんとは今でも「戦友ですからね」と言えるお付き合いをさせていただいている。文面には自衛隊と再就職あわせて43年後の今、充実した第3の人生を郷里で過ごしたいとある。この調子だとFさんにはまだまだ第4、第5の人生がありそうだ。人生はエンドレスかもしれない。 |