防衛大学校(神奈川県横須賀市)の本科53期学生、理工学研究科前期課程46期学生、理工学研究科後期課程6期学生及び総合安全保障研究科11期学生の卒業式が3月22日、自衛隊最高指揮官の麻生太郎首相を迎え、同校記念講堂で行われた。(関連記事9面)
　午前10時すぎ、壇上に浜田靖一防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、各国駐在武官、来賓多数が陪席する中、麻生首相が臨場、防大儀仗隊による栄誉礼を受けた。全員で国歌を斉唱したあと、五百籏頭眞(いおきべ・まこと)校長が本科53期学生445名(うち女子33、留学生14)と研究科各学生計92名一人ひとりに卒業証書を授与した。
　学位記授与に続いて五百籏頭校長が「廉恥、真勇、礼節」などの基本を大切にし、「胸を張って自らの道を歩むよう」式辞を述べた。次いで、麻生首相が訓示の中で、祖父である吉田茂元首相の「諸君(防大生)は単に自国や自国民の利益を守るというような狭い考え方ではなく、人間として世界の人類の自由までも守るという広い視野に立って任務を遂行されたい」という言葉を紹介しながら「防大で学んだ人間教育を糧として優れた指揮官になるよう」「国際社会の平和と安定は、日本の平和につながっているということを強く認識するよう」要望した。また、浜田防衛大臣が日本を取り巻く安全保障環境について触れ、「今後も不断の精進を重ね、様々な課題に取り組み、いかなる難局をも克服し得る、国民に信頼される精強な自衛隊を作り上げるよう」訓示した。来賓を代表して岡本行夫氏が「広い視野、深い教養をもって日本独自の平和構築へ向け努力して欲しい」と祝辞を述べたあと、五百籏頭校長に対して卒業生代表が力強く答辞。最後に学生全員で声高らかに学生歌を斉唱し卒業式を終えた。
　引き続き、一般幹部候補生任命・宣誓が行われ、折木良一陸幕長が陸上要員197名(うち女子12)、赤星慶治海幕長が海上要員98名(同6)、外薗健一朗空幕長が航空要員101名(同10)をそれぞれ任命、陸海空各代表が力強く宣誓したあと、壇上の麻生首相に宣誓書を託し、固く握手を交わした。式典終了後、恒例の帽子投げが行われ、卒業生一同、全身で喜びを表現していた。

　日本論語研究会という勉強会がある。月に1回土曜日に慶応大学の教室を借りて開く、もう5年になる。始めたのは論語の研究者でも専門家でもなかった、論語に興味を持った数人だったが今は教室がいっぱいになる。3月14日の講師は安岡正篤さんの孫で溝本定子さんだった。溝本さんは文京区や札幌市などで「こども論語塾」を開いており、2歳で入った子どもたちは意味もわからず暗誦しているそうだ。この日も塾と同じようにまず「起立ッ」子曰く「故きを温ねて新しきを知れば、以て師と為るべし。」子曰く「過ちて改めざる、是れを過ちと謂う。」おなじみの「一節」(書き下し文)を子どもから30代、50代、70代全員が立ち上がって大きな声で溝本さんのあとに続くのだ。中学校の頃への郷愁なのか大勢で大きな声を上げるのが嬉しいのか涙声になりそうであわててしまう、周囲もそんな感じだ。いろんな省庁の現役課長や、財務省の主計官らもお年寄りや子どもたちと一緒に声をだしている。上下の関係もなく点数をつけられないから皆なのびのびとしている。講師もすべて無料、ボランティアできてもらっている。最近ではプロ野球コミッショナーの加藤良三さんや富士通名誉会長の山本卓真さんらが体験したことや論語に触れたことなどを柔らかく話してくれた。この後の親睦会も楽しい、普段近づけない人たちと酒を媒介に話が進むのだ。知人に奨められてためしに行ってから毎回行くようになった筆者、こんな人が多いい。このあと4月18日=旧華族四条司家第41代、四条隆彦氏「目で愛でる盛り付けの美学」5月16日=内閣府政策統括官・前財務省主計局次長、松元崇氏「大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清」6月6日=JPファミリー生きがい振興財団理事長・元警察庁長官、山田英雄氏「日本を良くするために」などの話が聞ける。問い合わせは stamura @hg. jimin. or. jpまで。参加費300円 会場は全て慶大三田キャンパスで16時30分から18時。(所谷)