全国にある約2万3000棟ある隊舎・庁舎等の建物のうち、約4割は旧耐震基準のもと昭和57年以前に建設されたものだという。また、空調設備やトイレ、浴場、洗濯場等の共用設備・需品等についても必要な数を満たしているとは言い難く、我慢を強いられている隊員も少なくはない。
これらは隊員の士気や新隊員募集等の「人的基盤」に直接影響を及ぼす大きな課題とされてきた。
防衛省は、令和4年末に閣議決定された国家安全保障戦略等3文書を策定。増額された予算をもとに「自衛隊員の生活・勤務環境の改善」に着手、急ピッチで施設の建替え・改修等を進めている。そしてその取組状況をより多くの人に知ってもらおうと、わかりやすくまとめたパンフレットを先ごろ公開した。
防衛省は令和5年に営内者を対象にアンケートを実施し、その結果を踏まえて改善策の検討を行った。パンフレットでは、老朽化施設の更新、空調設備の整備、隊舎の個室化、共用施設の設置基準見直しをはじめ、様々な項目について改修前後の写真を掲載し、その違いを一目で分かるようにしている。
隊員の声を大切にしたい
防衛省人事教育局ワークライフバランス推進企画室の細川圭介室長は、パンフレットについて「隊員の声(アンケート結果)をカタチにすべく、様々な取組に着手していることをこのパンフレットで知って欲しい。今後も、より快適な生活・勤務環境を提供できるよう隊員の声を大切にしていきたい」との思いを込めた。パンフレットは下記のアドレスまたは二次元コードから閲覧できる。
https://www.mod.go.jp/j/profile/environment/pdf/pamphlet.pdf
パンフレット内容
【施設】隊舎・庁舎等の整備/隊舎居室(個室化)/トイレ/シャワー室、浴場/洗面所/洗濯場/廠舎/女性区画の整備/空調設備・エアコン
【需品】寝具等/日用品/被服
【糧食】食事
【備品】自動化(草刈機)
【厚生】トレーニング備品/通信環境(Wi-Fi等)
【宿舎】宿舎の老朽化対策
【給与】給与・手当 |