対馬警備隊(隊長・鏡森直樹1陸佐)は6月17日から18日にかけ対馬在島陸・海・空の3自衛隊の下士官交流を実施した。
対馬に在島する陸・海・空自衛隊の下士官同士の団結と対馬を守る自衛官としての資質や識能の向上を目的として陸自対馬警備隊最先任上級曹長の田中克哉陸曹長が音頭を取った。
当日は、晴天に恵まれ、海自から対馬防備隊先任伍長、空自からは第19警戒隊准曹士先任を始め、陸・海・空総勢37名の下士官が駐屯地に集まった。
大半が初対面であり緊張気味な雰囲気の中、陸自最先任からこの企画の趣旨と全般の流れを説明後、警備隊長の講話から始まり、駐屯地見学、会食、装備品展示及び下士官懇談が実施された。
警備隊長講話では、対馬の国防や統合の重要性等が説明され、参加した海曹からは「貴重なお話を聞くことができ、下士官同士の連携強化の重要性を学ぶことができました」との感想が聞かれた。また、装備品展示では、陸自が保有する武器や車両を海・空自隊員に実際に触れて体感してもらいながら説明した。駐屯地見学では、駐屯地の福利厚生などの生活環境について共有し合った。
2日目は、陸自の小火器射撃を見学した後、最後の課目である対馬市博物館研修で対馬の文化と歴史を学んだ。古代から受け継がれている対馬の守りを知ることができこの地で勤務できていることに誇りを持つとともに、改めて対馬を守る重要性を感じることができた。
今回この企画を考案した陸自対馬警備隊最先任上級曹長は、「普段交流の少ない陸・海・空自衛隊の下士官の親睦を深めることができました。また、懇談ではテーマを『対馬を守るために』と掲げ、それぞれの立場での意見が飛び交い下士官としての資質と使命感を向上することができました」と振り返った。
また、今回の下士官交流では、海・空自衛隊の女性自衛官の参加もあり、対馬曹友会女性部会との交流も深まり、これからの島内女性自衛官の活躍も楽しみだ。
【対馬という島は】
対馬は国境の島、防人の島と言われており大陸との距離は約50キロと肉眼で拝見できるほどで、九州本土との間に位置している。古代より大陸との文化・経済の交流点、そして国土防衛の最前線であり「辺要の地」と呼ばれ、大陸と日本との大きな争いに巻き込まれてきた数々の深い歴史を有しており、国防の重要な役割を担ってきた島だ。 |