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自衛隊ニュース   1128号 (2024年8月1日発行)
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1面 2面 3面 5面 6-7面(PDF) 10面 11面 12面

全体テーマ「AIの発展が陸上作戦に及ぼす影響」

 教育訓練研究本部は、陸上自衛隊を変革するシンクタンクです。今年度もウェビナーを開催します。本ウェビナーでは、日本あるいは陸上自衛隊を取り巻く様々な問題をテーマとして取り上げ、自衛隊内外の有識者を交えて議論しています。
 通算4回目となる今回は、AI(人工知能)を取り上げます。全体テーマは、「AIの発展が陸上作戦に及ぼす影響」です。AIの発展は、関連する様々な物事にも影響を及ぼします。関連する分野として、認知戦、ロボット、無人機を取り上げました。これらについて、登壇者そして視聴される皆様とともに考えていきたいと思います。
 視聴には登録が必要です。上記の二次元コードからどうぞ。
09:50〜10:00
 主催者挨拶:廣惠 次郎(教育訓練研究本部長 陸将)

10:00〜10:40
 基調講演「ロシアによるウクライナ侵略の教訓(仮題)」
 講 演 者:小泉 悠氏(東京大学 先端科学技術研究センター 准教授)

10:40〜12:00
 第1部「AIを用いた認知戦」
 モデレータ:鈴木 悠氏(情報通信研究機構サイバーセキュリティ研究所 専門研究技術員)
 パネリスト:名和 利男氏(株式会社サイバーディフェンス研究所 専務理事/上級分析官)
 松尾 豊氏(東京大学大学院 工学系研究科 教授)
 杉本 光伸 (教育訓練研究本部総合企画部DX班長 1等陸佐)

13:00〜14:20
 第2部「ロボット、無人機による陸上作戦の変化」
 モデレータ:尾上 定正氏(防衛大臣政策参与)
 パネリスト:部谷 直亮氏(慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員)
 古田 貴之氏(千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)所長)
 青木 圭 (陸上自衛隊システム通信団長 陸将補)

14:20〜14:30
 クロージング(司会):松本 英樹(教育訓練研究本部 副本部長 陸将補)

お問合せ先:webinar2@pupuru.com


優秀業務隊等を陸幕長が表彰

 7月12日、陸幕会議室において「令和6年度業務隊等に対する陸上幕僚長表彰」が行われた。
 業務隊は、いわゆる「縁の下の力持ち」で、駐屯地の運営や隊員の生活を支える無くてはならない部隊であり、令和5年度中に特に優秀な功績を収めた20コ部隊が表彰された。当日は森下泰臣陸上幕僚長から全国から集まった部隊長等に対して、第2級賞状と副賞の盾が授与された。
 森下陸幕長は、訓示で「隊員やその家族が安心できる環境を整えるという非常に大事な任務に、業務隊が日々努力して取り組んでいるおかげでこの陸上自衛隊が成り立っている」と労をねぎらうとともに、「部隊が限られた資源の中で効率的に最大のパフォーマンスを発揮できるかは、業務隊長等がいかに考えて努力するかにかかってる」と更なる奮闘を期待した。

20コ部隊に2級賞状

 表彰受賞部隊及び功績の概要は以下のとおり。カッコ内は部隊長名。
【北部方面隊】
・真駒内駐屯地業務隊(堀地昌志1陸佐):隊員の健康維持増進に寄与した功績
・東千歳駐屯地業務隊(筒渕紀之1陸佐):生活勤務環境改善に寄与した功績
・南恵庭駐屯地業務隊(永田周三2陸佐):駐屯地即応体制向上に寄与した功績
・函館駐屯地業務隊(佐々木俊2陸佐):給食の魅力化に寄与した功績
【東北方面隊】
・秋田駐屯地業務隊(秩父雅彦2陸佐):秋田県大雨災害対応に寄与した功績
・弘前駐屯地業務隊(吉野宏治2陸佐):女性の生活勤務環境改善に寄与した功績
【東部方面隊】
・相馬原駐屯地業務隊(福岡忠1陸佐):家族支援体制の強化に寄与した功績
・宇都宮駐屯地業務隊(猪瀬智2陸佐):駐屯地即応体制向上に寄与した功績
・高田駐屯地業務隊(東條剛志2陸佐):生活勤務環境改善に寄与した功績
・滝ケ原駐屯地業務隊(松田行祥2陸佐):ネット環境改善による利便性向上に寄与した功績
 ・新発田駐屯地業務隊(関谷幸治2陸佐):生活勤務環境改善に寄与した功績
【中部方面隊】
・海田市駐屯地業務隊(中力修1陸佐):海上輸送部隊新編に寄与した功績
・善通寺駐屯地業務隊(村上至1陸佐):生活勤務環境改善に寄与した功績
・守山駐屯地業務隊(小林理1陸佐):能登半島沖地震対応に寄与した功績
・大久保駐屯地業務隊(中江宏彰1陸佐):通過部隊支援に寄与した功績
・金沢駐屯地業務隊(坊原尚記2陸佐):能登半島沖地震対応に寄与した功績
・目達原駐屯地九州補給処(佐藤洋陸将補):生活勤
 務環境改善に寄与した功績
・健軍駐屯地業務隊(鮫島昭一1陸佐)女性の生活勤務環境改善に寄与した功績
・相浦駐屯地業務隊(清水直樹1陸佐)水陸機動団の体制移行業務に寄与した功績
・久留米駐屯地業務隊(石川達也2陸佐):久留米及び唐津市土砂災害対応に寄与した功績


埼玉県と協定を締結
医療で幅広く連携
<防医大>
 6月19日、埼玉県知事室にて、「防衛医科大学校と埼玉県との医療に係る連携に関する協定」の締結式を実施した。
 今回の協定では、災害時等における医療体制の強化に関すること、医療人材の育成に関すること、その他、両者が協議して必要と認める事項に関することの3つが連携項目とされており、非常に幅広い連携が可能となった。
 締結式には、大野元裕知事と福島功二学校長をはじめとする当校幹部が出席し、大野知事と福島学校長とで、協定書に署名をした。
 協定締結後の歓談にて、大野知事は「今回の協定はお互いにとって大きな枠組みとなっており様々なことを行う上での基盤となりますので、これから具体的なことを一つ一つ積み重ねていければと思います」と発言し、この協定を活用した更なる発展的な連携への期待を述べた。
 これに対し、福島学校長は「これまでも個別に協力、連携を行ってきたところ、本協定締結により更なる医療に関する連携や人材育成などの強化が期待されます。特に防医大で育成している看護学科学生に対する保健師となる上での実習先として、県が管轄している保健所があり、これまでも実習にご協力いただいていたところですが、これからより一層のご協力をしていただけることに期待しています」と述べた。

化学物質散布想定で
首都圏防衛の抑止力、より強固に
 第1師団(師団長・兒玉恭幸陸将)は5月8日から7月2日までの間、首都機能維持への寄与に必要な作戦遂行能力の向上を図ることを目的に、情勢の推移に応じた作戦準備から作戦行動について恒常の隊務と並行して約2カ月に渡り第1師団演習を実施した。
 その際、訓練場所を自衛隊の駐屯地・演習場のみに限らず、それら以外の現地・現物を用いて行うとともに、関係機関等にも参加をしてもらい、より実際的に事態対処任務の遂行及び継戦能力の保持に係る練度の向上を図り、真に戦える部隊の創造に努めた。
◇ ◇ ◇
 6月10日、都営大江戸線都庁前駅において第1特殊武器防護隊を主力として第1普通科連隊、第1後方支援連隊及び第126地区警務隊と関係各機関が化学剤対処に係る協同訓練を実施した。訓練は首都機能の維持に必要不可欠な地下鉄各線において、不審な液体が入った瓶が残置される事象が同時複数箇所で確認され、多数の乗客に痙攣等の症状が発生し、電車は各駅において緊急停車中であるとの想定の下に行われた。
 1特防は駅構内の施設構造に応じた化学剤汚染地域の偵察、検知・検査及び除染を126警及び関係機関と協同・連携して行い、同時に傷病者の救出・搬送について1普連、1後支及び関係機関が協同して行った。
 参加した隊員からは「実際の駅構内で実際の関係機関と訓練したので、本当に起きているのではないかと錯覚をしてしまうほどだった。そのため緊張しすぎて勇みすぎてしまうところがあった。こういう時にこそ平常心で臨むことが大切だと痛感させられた」と訓練環境及び状況がいかにリアルであったかを示す声が多く聞かれた。
 師団は本訓練を通じて地下鉄における対処要領のイメージの具体化及び関係部隊及び関係機関との連携要領の深化を図ることができた。師団は今後も公安関係各機関と連携を強化するとともに、より強固な抑止力を構築し、首都機能の維持に貢献し得るよう協同訓練を継続的に実施していく。

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