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自衛隊ニュース   1068号 (2022年2月1日発行)
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1面 5面 7面 8面 9面 10面 11面

知恩報恩<5>
防衛省職員生活協同組合 専務理事 川崎 朗
防衛省職員生活協同組合を活用して下さい

 皆さんは防衛省職員生活協同組合(以下「防衛省生協」と呼ぶ)のことご存じですか? 東京オリンピック前年の昭和38年、日本は高度経済成長の真っ只中、自衛隊にも(木造)官舎が増えました。隊員を火災保険に加入させる必要があるが値段が高い。それなら自分達で安い掛金の共済を創ろうと1口200円で10万円保障(最大10口100万円保障)の火災共済を創った。これが防衛省生協の始まりです。昭和62年に隊員本人と配偶者・子供が利用出来る生命共済、平成5年に退職隊員と配偶者が利用出来る長期生命共済をスタートさせました。来年、創立60周年を迎えます。現在30万人を超える隊員・家族、退職隊員とその配偶者の皆様にご利用頂いています。隊員が創り、隊員が育てた、それが防衛省生協です。
 防衛省生協の職員と組織運営の特色ですが、防衛省生協は東京都千代田区に事務局、埼玉県所沢市に昨年7月からテスト運用を開始したコールセンター、全国の主要な駐屯地・基地に地域担当者とこれを支援する地区責任者や主任地域担当者を軍種・方面隊等別に配置しています。事務局は、理事長、専務理事兼ねて事務局長、4人の次長の他、自衛隊出身者を中心に防衛省共済組合、民間の保険会社証券会社等の出身者を加えた約80名のスタッフで、皆さんの加入や共済金支払い、預かった資産の運用、電算機システムの運営と開発、広報新規共済事業の開発等の業務を実施しています。この規模の組合で業務の全てを自己完結的に実施している組合は少ないようです。その分苦労が多いものの、隊員の皆さんの要望を受け新規事業を立ち上げ、多くの皆さんにご利用頂けた時の喜びは格別です。隊員が創った防衛省生協なので、年度の事業・予算・人事等も現職隊員などの代表者で構成される「総代会」で議決されます。これも特色の一つでしょう。
 私は防衛省生協で専務理事兼ねて事務局長として働いています。陸自の師団に例えれば副師団長と幕僚長を兼ねるようなものです。勤務に際しては、防衛省生協の「地位」と「役割」を忘れないようにと心がけています。当生協へ就職した頃は、安い掛金で共済事業を提供し、火災、死亡、病気・ケガに遭われた組合員(隊員)の皆さんに迅速に共済金を支払う。これが唯一の役割だと思っていました。しかし、保険共済の視点から隊員の皆さんに接するうちに、特に病気・ケガになった場合、あたかもその大半を自己負担しなければならないと思っている隊員さんが余りにも多いことに気づきました。実際はどうか。実のところ日本の健康保険制度は大変良く出来ています。病院窓口での3割負担や高額療養費制度は医療費増額を抑える切り札だし、その上隊員の皆さんは「一部負担金払戻金=附加給付」という制度で更に手厚く守られています。ですが残念ながらこの制度を知る隊員は本当にごく僅かです。外国の侵略に対し、自衛隊単独で守ろうとすれば膨大な予算が必要でも、自衛隊と米軍が共同で阻止すれば、その分予算は軽減出来ます。米軍のことを知れば日本自身の防衛努力(自己負担)の尺度が分かるように、国(防衛省共済組合)の公的保障を知れば自分の保険加入の尺度が分かります。そもそも保険や共済は家の購入にも匹敵するほど多額のお金を支払うので、加入尺度を知れば家計節約にもつながります。これこそ防衛省生協の存立目的である「組合員(隊員)の皆さんの文化的経済的改善向上」を具現することになるので、公的保障の実態を啓蒙することこそ真の「役割」だと思うようになりました。
 日々の業務で心がけていることが2つあります。一つは現場確認です。毎日少なくとも二度は職員の顔を見に行きます。どんな組織も人間の集団ですからそこには問題や課題が存在します。自衛隊のような階級社会ではなく指揮系統が穏やかな職場ですので職員の声もストレートです。話を聞きながら、時々心を制御出来ない自分を未熟に思うこともありますが、出来るだけ「話す」より「聞く」ことを重視し、職場・職員の抱える問題の発見に努めています。もう一つは、組合員(隊員)の視点を忘れないことです。法律(生協法)では組合員(隊員)ファーストの目線と生活協同組合の健全経営の二つの視点が同時に求められます。健全経営だけを考えると隊員目線は疎かになるしその逆もありえます。基本は健全経営ですが、両者のバランスを取ることがとても大事です。これまでの経験から健全経営と隊員目線の比重をバランスさせるか、或いは少し隊員目線に軸足を置けば、そこに正解があるような気がしています。
 今後、防衛省生協は、これまで自衛官に対する説明が中心でしたが、事務官・技官の方々にも理解を深めて頂けるように努力していきたいと考えています。最後にこれまでの勤務を通じて皆さんに強調したいことはただ一つ。先程述べたように、隊員の皆さんは既に防衛省共済組合の短期給付など法定給付を受けることが出来る立派な公的保険に加入し、そのための掛金も毎月払っています。まずはこの共済組合の法定給付が病気ケガで入院時、どの程度皆さんを守ってくれるのかを理解し、その上でそれぞれの特性に応じ共済や保険で補えば良いのではないでしょうか。特に病気ケガの入院などでの国の公的保障は充実しており、過剰な医療保険への加入は余り勧めません。

(著者略歴)
 防衛大学校24期生。第12普通科連隊第3中隊長、第10師団司令部第3部長、第43普通科連隊長、情報本部計画部長、第9師団副師団長、富士教導団長、北部方面総監部幕僚副長、九州補給処長、第6師団長などを歴任。


一致団結!訓練始め

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北部方面対舟艇対戦車隊
 北部方面対舟艇対戦車隊(隊長・齋藤誠2陸佐=倶知安)は、1月12日、令和4年訓練開始式として安全祈願及び部隊スキー滑降を実施した。
 隊長は、「今年は36年に一度の五黄の寅に当たる年で、全隊員心一つに団結して、「成長」や「始まり」と言う意味があり、勢いよく前進する年にしよう」と年頭の訓示を述べた。安全祈願においては、隊長、副隊長、各小隊長等が、車両にお神酒を捧げ、訓練及び車両の無事故を祈念した。
 その後、会場を倶知安町旭ヶ丘スキー場に移し、部隊スキー滑降を実施した。滑降では、隊長を先頭に対戦車火器の部隊符号をかたどった隊形に展開し、その隊形を保持したまま斜面を滑降した。
 この初の試みで、隊員からは達成感の声が多くあがり、部隊団結の強化につながった。
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第6普通科連隊
 第6普通科連隊(連隊長・佐藤靖倫1陸佐=美幌)は1月11日、美幌駐屯地において、令和4年訓練始めを実施した。
 訓練始めは、新年からの各種訓練などへ弾みをつけるとともに車両安全祈願、年男・年女による決意表明及び中隊対抗競技を実施し、連隊の士気の高揚及び団結の強化を図ることを目的に実施した。
 午前9時30分、訓練開始にあたり、第6普通科連隊駐車場において連隊長車、各中隊長車等を前に集合し、車両安全祈願を実施した。佐藤連隊長の拝礼に合わせて全隊員で拝礼、その後、佐藤連隊長と各中隊長が車両に対し御神酒を捧げて今年1年の車両無事故を祈願した。
 訓示において佐藤連隊長は、「今年も連隊一丸となってあらゆる任務に即応し、地域から今以上に信頼される第6普通科連隊の創造と発展のために一緒に頑張っていこう」と述べた。次に各中隊の年男・年女代表者が新年の抱負を述べ、じ後中隊対抗競技に移行した。
 中隊対抗競技は、4種目をリレー方式で実施した。
 第1種目「天幕・水缶(宿営資材)運搬」では2曹以下2名、陸士3名計5名2個チームを編成し、4個中隊が同時にスタート、宿営資材を約100メートル先のアキオ(大型そり)まで運搬し積載、第2種目「アキオ曳行」では陸曹3名、陸士1名の階級指定なしで同じく2個チームを編成し、宿営資材を積載完了したチームからスタート、アキオを約600メートル先まで曳行、到着したチームから第3種目「スキー機動」へ移行し、各中隊5名(陸士1名、2曹又は3曹を2名、1曹又は曹長あるいは准尉を1名、幹部1名)3個チーム編成の階級順によるリレーが始まった。一人約500メートルを全力疾走し、ゴールライン通過チームから最後の4種目へ移行、「宿営用天幕設営」では、陸曹3名、陸士1名2個チーム編成でアキオに積載している宿営用天幕を卸下、じ後、速やかに天幕を2つ展張し、その最速タイムの早さを各中隊は競いあった。各競技選手は熱い応援のもと、熱気溢れる勝負を展開し午前11時にすべての競技を終了した。
 競技終了後、表彰式が行われ、結果は第2中隊が優勝を獲得し、新年最初の競技で幸先の良いスタートを切った。

読史随感
神田淳
<第94回>

偉大な思想家 松下幸之助

 昭和の代表的な経済人である松下幸之助を偉大な思想家として認め、思想史上の人物としてその思想を研究する日本人は、アカデミックな世界にはあまりいないようである。
 1962年(昭和37)、松下幸之助はアメリカの雑誌『ライフ』の表紙を飾り、本文に特集された。こうした『ライフ』のカバーストーリーに登場するのは、世界の名士中の名士と評価される人たちである。ここで松下は、1.最高の産業人、2.最高の所得者、3.最高の思想家、4.最大級の雑誌の発行者、5.最大のベストセラー著者の一人と紹介されている。
 『ライフ』が、最高の産業人であると同時に最高の思想家と評する松下の思想は、『人間を考える』を始めとする多くの著書や講演から知ることができる。
 松下の思想は、宇宙を生成発展とみること、すなお、人間尊重、すべてを容認すること、衆知を集めることといった考えに特色がある。
 松下は、宇宙に存在するいっさいのものは、絶えず生成し、発展しており、これが宇宙の本質で、自然の理法であると言う。仏教で諸行無常という宇宙万物の変化する姿を、松下は生成発展とみる。自然は生成発展の理法で動いているのだから、ものごとはこの理法に則っているならば、必ず成功するようになっている。成功しないのは、何かにこだわったりして、すなおに自然の理法に従うようなことをしないからだ、と松下は言う。松下の言うすなおとは、人の言うことを何でもハイハイと聞くようなことではなく、生成発展する自然の理法に対してすなおであるということである。
 松下の思想で特筆すべきは、人間観である。松下は、人間は崇高にして偉大な存在であり、人間には宇宙の動きに順応しつつ万物を支配する力が本性として与えられているから、その天命を自覚し、生成発展の大業を営まなければならないと言う。
 松下の思想には徹底した人間尊重があった。松下は「尊厳」という言葉は使っていないが、私は松下の人間観に「人間の尊厳」を感じる。松下は部下を厳しく叱ったが、部下の人間性(人格)を否定するような叱り方は決してしなかった。部下を自分と同等(以上)の偉大な存在と見て叱った。それを感じる部下は、松下に強く叱責されてむしろ感謝した。
 こうした人間観に基づいて松下は人間道を提唱しているが、その根本は、まずすべてをあるがままに容認することにある。人間万物一切が天与の使命なり、特質、意義をもって存在しているのであるから、人間同士なり、天地自然の一切のものを否定したり排除したりせず、ありのままに認め、天与の違いは長短相補いつつ、特質を生かし合っていくのが人間の道だという。
 そして松下は、人間の偉大な本質を発揮していく上で、衆知を集めることの重要性を強調する。衆知が融合して叡智となり、人間の偉大さを発揮させる最大の力となる。この衆知とは、過去、現在を通じたすべての人間の知恵と言うことになる。
 松下幸之助はまさに衆知を集めて経営した人だった。そして判断を誤ることがなく、経営の神様と言われた。松下の思想は深い実践知であり、その点、二宮尊徳と同じである。松下幸之助は、令和の日本人がなお学ぶべきものをもった偉大な先人だと思う。私はこの歳になって、松下の思想に深く気づかされたことがあった。
(令和4年2月1日)

神田 淳(かんだすなお)
 元高知工科大学客員教授。著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


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