全国の管制隊等が航空管制の技量競う
2月20日から22日、航空自衛隊航空保安管制群(司令・定免克己1空佐=府中)は「令和5年度航空保安管制競技会」を小牧基地に所在する第5術科学校で実施した。管制官を養成する第5術科学校のシミュレーター等を使用した本競技会は、昭和46年からほぼ毎年この時期に行われている。全国の管制隊等の代表が、その看板を背負って再び母校の門をくぐり、日頃の練度成果を発揮する1年に一度の晴れ舞台である。
競技会は「航空管制部門」に12個部隊、「飛行管理部門」に4個部隊が参集され、実技と筆記でしのぎを削った。
ベテランと初級幹部が力合わせる
今年の「航空管制部門」はターミナル・レーダー管制を実施した。1チームは幹部1名と准曹3名の計4名で構成。保有資格や参加歴等一定の条件があり、今年度は、ベテランの技量と初級幹部の指揮監督能力が評価要素となった。再会した同期と談笑を交わす和やかな開会式前の雰囲気から一転、独特の張り詰めた緊張感に包まれた競技会場で、いかに普段通りに冷静な判断を下してチーム内で連携が取れるか、結果の良し悪しは個々の技量もさることながらチーム力によるところが大きい。
航空管制部門の実技は、3個戦闘飛行隊と救難隊が所在し、民航機の就航する仮想の飛行場を想定。判定項目は大きく次の4つ。「(1)出発機と到着機が競合する状況でいかに順序づけて管制できるか」「(2)指定された高度を逸脱した航空機が、他の航空機に近づきそうになったことに気付くか」「(3)レーダーに呼び込みがない小型機に気付いて、他の航空機との安全を確保できるか」「(4)緊急状態を宣言した小型機の対処ができるか」。これらの事態がたった20分で複合的に発生する。あっという間にレーダーは航空機で埋めつくされ、運用主任は慌ただしく指示を出す。審査員の厳しい目が選手の一挙一動を見逃さない。
飛行管理部門の実技は、正確かつ迅速な飛行計画入力と、複数生起する事態に優先順位を考慮し対処が出来るかを競った。
当日は第5術学校長や航空支援集団司令部幕僚長も視察し、選手の動きとレーダーを交互に見守った。
優勝は美保と飛行管理隊
22日、閉会式で審査結果が発表され「航空管制部門」は美保管制隊が優勝に輝いた。準優勝は三沢管制隊、第3位が築城管制隊だった。「飛行管理部門」では飛行管理隊(府中)が優勝、千歳管制隊が準優勝だった。 |