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スペーサー
自衛隊ニュース   1070号 (2022年3月1日発行)
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雪月花

 欧米各国が外交的ボイコットを行い日本も政府関係者を派遣せず、プーチン・ロシア大統領だけがポツンと寒々としたVIP席に座る画面が流れ、コロナ禍で観客席も関係者しか見られないスタンド。平和の祭典と言われるオリンピックで冬季北京大会はこんな状況下で始まった。始まった以上、参加各国はこれを成功させないわけにはいかない。選手たちはいつものオリンピックと同じように全力を出して戦った。熱戦のオンパレード、悲喜こもごもの場面をテレビは遠慮なく流した。昨年の夏の東京オリンピックでも競技後の涙は数えきれないほど見られたが、今大会では特に「涙」が多かったような気がする。しかもテレビのこちら側にいる者にも伝染させるような。高梨沙羅選手はスキージャンプ混合団体で103メートルの大飛躍を見せながら「スーツの太もも部分が2センチオーバー」で失格。このスーツはスタッフが用意したもので2日前の個人戦で着たものと同じだった。高梨の責任とは言えないのに彼女の号泣は続いた。高木菜那選手はスケート団体追い抜きで金メダルまで残り60メートルのカーブでバランスを崩し転倒、銀メダルになったが表彰台でも涙が止まらない。責任を一身に担った姿に妹の高木美帆選手も佐藤綾乃選手も何も言えない、肩を抱くだけだ。これと反対にカーリングのロコ・ソラーレは地獄から天国へ。予選リーグでスイスに敗れ準決勝進出が閉ざされたとみて記者会見を始めた席上、5人の選手は悔しさに泣き崩れた。しかしその後に競合していた韓国も敗れたためロコ・ソラーレがベスト4に進出できるとの知らせが入った。悔し涙は一転、「今世紀最大のサプライズ」(ソラーレの選手)と抱き合いながら喜びの涙に。テレビの前の誰もが彼女たちから涙をもらったのではないか。決勝戦ではイギリスに敗れたがいつもの爽やかな戦いで日本初の銀メダルとなった。夏でも冬でもオリンピックにはどんな涙も似合うことを知らされた。北京2022もそんな大会だった。

(訂正)2月15日号本欄の一部に誤りがありました。国政で活躍する自衛隊出身の政治家は正しくは、中谷元衆議院議員、中谷真一衆議院議員、佐藤正久参議院議員、宇都隆史参議院議員の4名です。


ゲッキーの突撃レポート
第11回
宇都前外務副大臣に聞く

ゲッキー)ウクライナが大変な状況になっていますね、ロシアとウクライナの政治対立にはどのような背景があるのですか?

宇都)かつてウクライナは旧ソ連領でした。冷戦崩壊に伴い独立しましたが、ロシアはEUに対する緩衝地帯として、ウクライナをロシアの勢力が及ぶ地域にしておきたいという潜在的な防衛本能があります。そのような中、2014年に「ロシアによるクリミア併合」が行われました。ウクライナ南部のクリミア半島をロシアが軍事力を持って領土編入したもので、親露派のウクライナ市民を使い内部から情報工作をし、またサイバーや電子戦闘のハイブリット戦により、大規模な軍事衝突のないままに一気にロシアの侵攻を許してしまったのです。国連や日本も含めた欧米諸国はこれを認めず承認していません。

ゲッキー)ロシアの主張はどのようなものですか?またそれは外交(話し合い)で解決する余地はありますか?

宇都)ロシアは、冷戦崩壊以降、NATO(北大西洋条約機構)加盟国が旧ソ連領である東欧に拡大していることを安全保障上の脅威であると認識し、これ以上の東欧へのNATO拡大をしないことを明確に表明するよう主張しています。つまり、「ウクライナをNATOに入れないと言え」ということです。確かに、ウクライナとロシアの国境から首都モスクワは目と鼻の先であり、ロシアが警戒するのもわかります。しかし、NATOは自由主義陣営の枠組みですから、参加したい国を一方的に拒否することは絶対にできず、ウクライナもNATO参加を希望している(実際に入れるかどうかは困難)ので、今のところ双方の落とし所がありません。

ゲッキー)戦争にならないように、国際社会の連携でロシアに思いとどまらせるべきではないですか?

宇都)その通りです。国連のグテーレス事務局長も「外交による事態打開」を関係者に訴えていますし、フランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相も個別にプーチン大統領と会談し、緊張緩和に向けた外交努力を続けています。岸田総理も2月17日にプーチン大統領と電話会談し、外交による解決を訴えました。しかし、現状は外交努力の効果が出ているとは言えない緊迫した状態が続いています。

ゲッキー)現地には日本人はどれくらいいるのですか?またその安全確保策について、政府としてどのように取り組んでいるのですか?

宇都)現地には約130名の日本人がいることを現地大使館が確認しています。日本外務省は、ウクライナの危険レベルを「4(退避して下さい。渡航はやめて下さい)」に引き上げ、現在でも邦人に個別に直接連絡を取り、できるだけ速やかに民航機等にて国外退避をするよう促しています。しかし、現地で長くビジネスを行なっていて資産を保有していたり、ウクライナ人と国際結婚していたりと、「すぐには海外退避できない」と考えている邦人も少なくなく、事態の推移を見守っているというのが実態です。しかし、もし仮にロシアが侵攻すれば、自衛隊機やチャーター機を飛ばすことは法律上も困難なので、早めの決心を促しています。

ゲッキー)力による現状変更を認めれば、明日は台湾や尖閣でも同じことが起こらないとも限りません。難しい舵取りですが、ロシアの侵攻を思いとどまらせ、戦争に発展させないためにも日本の外交に期待しています!

 宇都隆史(自由民主党参議院議員、前外務副大臣、元航空自衛官)
 昭和49年生まれ、鹿児島県出身。平成10年に防衛大学校卒業(第42期)、航空自衛隊入隊。平成19年に政治の道を志して退官。平成22年自民党比例区で参議院議員に初当選。


UNMISS司令部要員2名が陸上幕僚長に対して帰国報告
 2月14日、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)司令部要員として派遣されていた陸上自衛官2名が、吉田圭秀陸上幕僚長に対して帰国報告を行った。また、2名にはその功績を讃えて第3級賞詞が授与された。
 約1年間、首都ジュバにある国連施設での任期を終え、帰国報告を行ったのは中村美雄3陸佐と金塚友成3陸佐。中村3陸佐は「兵站幕僚」としてUNMISSの活動に必要な物資の調達や輸送の調整等、金塚3陸佐は「航空運用幕僚」としてUNMISSが実施する航空機の運航支援等を担任した。
 中村3陸佐は、「吉田陸幕長(出国当時は総隊司令官)がおっしゃった『礼儀正しく誠実であれ』は現地でも通用するものでした。諸先輩方が築いた実績のおかげで、日本人というだけで信頼されました」と振り返った。金塚3陸佐は「初めての海外勤務でしたが、上司同僚に恵まれ、日本人としてあるいは自衛官としてしっかりと成果を残せました」と述べた。
 吉田陸幕長は「UNMISS、国連の機関、あるいは南スーダンの国に対して得た『信頼』が財産。それがひいては国際安全保障環境の改善につながり、さらには日本の戦略的価値にもつながる。その財産を次の職に生かしてほしい」とねぎらった。

衛生科幹部等集合訓練
<札幌病院>
 1月26日、自衛隊札幌病院(病院長・鈴木智史陸将)は、北海道青少年会館コンパスにおいて、新型コロナウイルス感染症状況を踏まえ、開催規模を縮小し参加者を限定したうえで、令和3年度衛生科幹部等集合訓練(前段、第65回北部防衛衛生学会)を担任・実施した。
 担任官(鈴木陸将)は、訓練のテーマを「Team Building〜目標必遂のために〜」とし、訓練開始に当たり、「任務を遂行する上で、各人の能力を結集し、組織としての力をいかに発揮し事態対処、災害派遣、国際平和協力活動等において組織目標を達成するために『Team Building』のあり方や進め方を学ぶ機会としてもらいたい」と挨拶した。
 北部方面総監(沖邑佳彦陸将)は総監講話において、伊豆大島で発生した台風26号に伴う行方不明者の捜索活動に係わる災害派遣(平成25年東部方面総監部幕僚副長当時)における現地活動の紹介、地域等との連携及び留意事項、自治体との協定締結などの重要性等について総監自身の体験談を交えて講話をした。
 特別講演では株式会社レバンガ北海道代表取締役社長の折茂武彦氏を講師として招き「北海道の為に選手として・経営者として」と題し、チームビルディングのあり方や「勝つための8法則」、「組織力(チーム力)」などを講演。各人が同じ目標を達成するために最善を導きだす状況判断の重要性は、病院でのチーム医療と重なるところがあり大変感銘を受ける講演であった。
 指定演題では「新型コロナウイルス感染症対応について」と題し座長を蝶野1佐(先任診療科部長)、演者として長川1佐(診療技術部長)、本間2佐(医療安全評価官)、奥西2佐(北部方面総監部医務保健班長)の3名が発表し、一般演題では第1演題において座長を光川3佐(第7後方支援連隊衛生隊長)、演者として後藤3尉(第11後方支援隊衛生隊)、第2演題は座長を村田3佐(第11後方支援隊衛生隊長)、演者として小川3曹(北部方面衛生隊)が日頃の衛生能力向上に対する取り組みついて発表した。
 最後のパネルディスカッションでは「自衛隊におけるチーム医療を考える」をテーマとし、座長を小原将補(副院長)が務め、札幌医科大学医学部救急医学講座教授・高度救命救急センター長の成松英智先生、水口1佐(自衛隊中央病院)、光川3佐、古田1尉(副医療安全評価官)4名のパネリストによる平時、有事、災害時等における部隊、病院内、各自衛隊間、自衛隊と部外機関などにおける組織・個人の連携がいかにあるべきかなどの発表と議論が行われた。
 感染対策を万全にして訓練を実施し、その目的である「識能の向上を図り防衛衛生の強化、充実発展に寄与する」を達成した。

 1月31日に航空自衛隊小松基地所属のF-15戦闘機が洋上墜落し乗員2名が亡くなった事故におきまして、隊員の方のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、ご遺族様及び関係者の方々にお悔やみを申し上げます。 防衛ホーム新聞社

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