薬を食前とか食後に服用するように言われても間違うことはないが、「食間に飲む」と書いていると食事の途中に飲む人は意外に多いようだ。家人は娘時代にそんな飲み方をして家族に笑われたことが未だに納得できていないまるっきりの医学音痴。だから長女にこどもが生まれた時、彼女は1歳にもならないわが子を揺すりながらビンに入った薬を飲ませていた。「幼児にこの薬を飲ませる時はよく振ってください。」たしかに説明書にはそうあった、医学音痴は遺伝するものらしい。先日のこと、平素から貧血気味の家人が暑さでうずくまってしまった。次女が救急車を呼んだが、患者の名前と生年月日を聞かれるのは当然だ。ほどなく駆けつけた救急隊員が病院に搬送しようと手配にとりかかった時、家人は意識を取り戻して「もう大丈夫だから」と言って救急車に乗ることを頑強に拒んだ。なんとか病院に行かせようと心配してくれる救急隊員「では生年月日をいってください」家人「○○年8月6日です」隊員「もう一度」家人「8月6日です」。隊員「やっぱり大事をとって病院に行きましょう…」。様子を見ていた次女が「あっ、私がお父さんの生年月日を言ってた」。本当に大丈夫ですかよく検査してもらった方がいいですよ、言い残して救急車は引きあげたという。ほどほどの医学知識と落ち着きが必要のようだ。都内の某大手病院では「食間とは食後2時間です」とていねいに書き添えている。(所谷) |