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スペーサー
自衛隊ニュース   1124号 (2024年6月1日発行)
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1面 2面 3面 5面 6面 7面 8面

日々訓練・日々成長
がんばれ新隊員、新入生!
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5年ぶりの訓練参観に310名
「気合入ってます!」

<113教大隊>
 第113教育大隊(大隊長・山下巧2陸佐=国分)は4月28日、国分駐屯地グランドにおいて、第22期一般陸曹候補生168名の家族等に対し、訓練参観を行った。
 この訓練参観は、家族等に教育の概要や福利厚生・春季休暇間の過ごし方等を説明するとともに、子息の成長を確認することを通じて、教育に対する理解と関心を深めてもらうことを目的として例年行っている。
 今回は、新型コロナウイルス禍を経て、5年ぶりに開催し、約310名と多くの家族等が参加して一般陸曹候補生が入隊してから約1カ月で学んだ基本教練や射撃予習といった訓練の様子を見学してもらった。
 家族等に見守られるなか、気合十分の学生達は、日頃の訓練成果を発揮していた。家族等からは、「見違えるような我が子の成長した姿を見て感動した」という感想が多く聞かれた。
 第113教育大隊は、「今後も学生の成長を後押しして、修了式にはより一層逞しい姿をご家族等にお見せできるよう教育訓練にまい進してまいります」としている。
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新隊員に部隊を紹介
武山と朝霞で

<中即連>
 中央即応連隊(連隊長・堀口大助1陸佐=宇都宮)は、4月11日と12日に武山駐屯地で、4月17日に朝霞駐屯地で実施された新隊員教育に対する部隊紹介に、副連隊長と人事幹部を参加させた。
 武山駐屯地では新隊員約600名に対して、朝霞駐屯地では女性の新隊員約300名に対して部隊紹介が行われた。
 副連隊長は、連隊について、国際任務を主任務とする陸上自衛隊で唯一の部隊であり、普通科、施設科、武器科、需品科、通信科、衛生科などの諸職種協同であらゆる国際任務に対応できる部隊であると紹介した。
 部隊紹介後に設けられた質疑応答の場では、連隊に興味を持った新隊員から「連隊に配置されるには具体的にどうすれば良いですか」、「普通科以外の職種でも希望できますか」、「体力に自信がないけど希望したいです」などの質問があった。副連隊長及び人事幹部は、新隊員一人ひとりに対し丁寧に説明を実施し、疑問や不安の解消に努めた。
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新入生歓迎行事
新入生を緊張から解放

<高工校>
 4月24日、陸上自衛隊高等工科学校(学校長・篠村和也陸将補=武山)は、第70期生徒の入校を祝う新入生歓迎行事を講堂で実施した。
 生徒会主体で行われる本行事は、新入生の歓迎のみならず、生徒の自主性や指導力をかん養させる目的があり、第3教育隊の後藤晃誠生徒を委員長とする実行委員会が、企画や調整を行い実行に至った。もちろん進行も生徒によるものだ。
 実行委員長の挨拶に始まり、前段は吹奏楽部による新入生には馴染のあるバラエティに富んだ楽曲の数々が披露された。
 後段は和太鼓部による「桜花太鼓」の演舞やドリル部によるステージの上下段を最大限に利用したダイナミックな演技など、上級生が趣向を凝らして新入生を歓迎する一生懸命な姿が印象的だった。
 このほか、軽音楽部によるエネルギッシュなライブ、新入生にコミカルに伝える年間行事の紹介や身体を動かすレクリエーションなどによって、新たな環境で生活をスタートしまだまだ戸惑いをみせる新入生たちも、今日ばかりは日々の緊張から解放され、リラックスした時間を新たな仲間と過ごすことができた。
 最後に実行委員長が学校長へ終了報告した際、新入生のみならず上級生からも盛大な拍手が沸き起こり、新入生歓迎行事は大きな賑わいのうちに無事閉幕した。
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初めての空包射撃訓練
目指せ検定合格

<44普連>
 第44普通科連隊(連隊長・古庄明裕1陸佐=福島)は、5月13日、駐屯地内において、自衛官候補生による89式小銃での空包射撃訓練を実施した。
 自衛官候補生は、4月の入隊以来様々な訓練を実施してきたところ空包を使った音の出る射撃訓練は今回が初めてになる。訓練の終始、緊張した表情で実際に射撃すると大きな音と反動に驚く隊員もいたが、教官・助教の指導に応じて自ら姿勢を見直すなど積極的に訓練を実施していた。
 入隊式からは見違えるほど大きく成長をしている自衛官候補生は、実弾による射撃検定に向け日々訓練を続ける。
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姫路駐屯地自候生入隊式
 姫路駐屯地(中部方面特科連隊長兼姫路駐屯地司令・米村謙一1陸佐)は、4月13日、姫路駐屯地において「令和6年度自衛官候補生課程入隊式」を挙行した。
 当日は、天候に恵まれるとともに駐屯地には満開の桜が咲き誇り、最高の入隊式日和となった。25名の自衛官候補生達は、真新しい紫紺の制服に身を包み、緊張感と真剣な眼差しで式に臨んだ。人事発令通知では区隊長から一人ずつ名前を呼ばれ力強く返事をし、全員で申告・宣誓を堂々と行い、自衛官候補生として大きな一歩を踏み出した。
 執行官(姫路教育隊長・中垣喜裕3陸佐)は式辞の中で、「国民から信頼される自衛官として、苦しむ人や弱き人を助けられるよう、まずは自らの体と心を鍛えてほしい」と述べた。また、立会官(米村連隊長)は「今よりも強くなってもらいたい」と要望し、自衛官候補生達は真剣に耳を傾け、厳粛な雰囲気の中、整斉と式が執り行われた。
 今後、自衛官候補生課程約3カ月間の教育で、自衛官としての必要な知識・技能を身に付けるため、同じ釜の飯を食べる仲間たちと共に切磋琢磨し、厳しい教育訓練に挑んで、自衛官という目標に向かって進んでいく。

読史随感
神田淳
<第150回>

和魂洋才について

 「和魂洋才」は、我が国固有の精神をもって西洋の学問、知識を学ぶことをいう。もともと我が国固有の精神をもって中国伝来の学問を吸収することを意味する「和魂漢才」という語があったが、明治になって西洋文明に先進性を認めた日本人は、「和魂洋才」の精神で西洋に学び始めた。
 明治以来、日本近代化のモットーとなった「和魂洋才」の精神は現在まだ死んでいないと思われるが、ここで今後の日本を考え、「和魂洋才」について、歴史的な反省を含めて今一度改めて考えてみたい。
 「和魂洋才」という語は、西洋に学ぶにあたって日本人の本来の精神や心持を忘れてはならないとの意を含み、日本本来の精神をより根本的な「魂(コン)」と見て、学ぶべき西洋の文化、文物を「才」と見ている。幕末の先覚者佐久間象山は、和魂洋才のあり方を「東洋道徳、西洋芸術」と説いた。ここで芸術とは今でいう芸術ではなく、技芸、学術のことで、主として技術や科学を意味する。学ぶべき西洋のすぐれた文化は技術や科学であり、それは「才」であって、より根本的な「魂」である道徳は東洋の伝統的道徳を良しとした。
 しかし、学ぶべき西洋の文化、文物を「洋才」ととらえるとらえ方は、不十分だと私は思う。「洋魂」を理解する必要がある。明治の日本人は西洋で発達した科学を「洋才」ととらえたが、科学は実は「洋魂」と言えないか。あくまで事実に立脚し、徹底して合理的に思考し、実験で確認し、物理(モノの理)を数学的に表現する。こういった近代科学精神は「洋魂」ととらえるべきではなかろうか。また、西洋で発達した自由、民主主義、人間の尊厳、法の支配といった精神も「洋才」ではなく、「洋魂」である。
 「和魂洋才」の含意する、西洋に学んでも和魂を失わないとの精神は非常に良いが、日本の歴史の中で和魂(=大和魂)が強調されて、日本精神の独善的な優位性の主張になることがあった。日本が対外戦争をしていた頃、軍隊で「防御する鉄板の薄さは大和魂で補う」などといった主張がなされたりした。敗戦後大和魂という言葉はあまり使われなくなったが、近年スポーツ界などでまた聞かれるようになった。
 「和魂洋才」は異文化理解と受け入れに関する、条件付きの良きスローガンと見なしたい。日本文化は独自であり、西洋人は理解できない、日本人も西洋文化を理解できない、という思い込みは弊害を生む。同じ人間であり、理解が可能で、その上で自国の文化を失わない、といった精神が大切だと思う。ドナルド・キーンは日本文学を日本人以上に深く理解し、日本文学が世界の人々の理解できない特殊なものではなく、世界の普遍的な文学の一つであると主張した。そして、外国人は日本文化を理解できないと思っている日本人は多いが、それは偏見に過ぎないと言っていた。また、今年三月死去した世界的指揮者小澤征爾は、「中国に生まれ、日本に育った僕がどこまで西洋音楽を理解できるか、一生をかけて実験を続けるつもりだ」、「東洋人と西洋人は違う。だけどどっかでつながっているんだと思う」と言っていた。小澤征爾は西洋音楽を完全に理解し、世界の音楽をリードし、世界の音楽文化に貢献したのである。
 異文化理解と交流は新たな創造をもたらすという主張があるが、これを私は信奉したい。異文化との接触は軋轢となるが、それは新たな創造の源となる。異質な文化と接触し、自国文化を失わず、より高度の文化を生み出す。こうして日本と世界は新たな文化を生み出していくと信じたい。
(令和6年6月1日)

神田 淳(かんだすなお)
 元高知工科大学客員教授。
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


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