防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1036号 (2020年10月1日発行)
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読史随感
神田淳
<第62回>

台湾と日本

 台湾が新型コロナウィルス対策に成功し、世界の民主主義国から賞賛されている。
 台湾はどのようにして成功したか。それは感染症対策の常道である検疫(水際対策)と隔離を、迅速に徹底して行ったことに尽きる。昨年12月武漢市で新型の感染症が発生したらしいという情報を得た台湾は、12月31日より武漢市からの直行便の乗客に対する厳しい検疫を開始した。今年1月の始め専門家2名を武漢に派遣して調査、危険な感染症であることを確信した。そして1月26日には湖北省から来る中国人の入国禁止、2月6日には中国全土からの入国の全面禁止に踏み切った。
 3月中旬から欧米で爆発的に感染が拡大した。台湾は入国制限を順次拡大し、3月19日にはすべての外国人の入国を禁止した。台湾人の帰国はピーク時一日数千人に達したが、帰国者に対する検疫と隔離を徹底して実行した。最大時で5万人に達した管理対象者の健康状態を追跡し、感染者とその濃厚接触者の特定と追跡(疫学調査)を徹底した。こうして台湾は新型コロナ感染第二波の押さえ込みにも成功した。9月17日時点で感染者累計503人、死亡者7人に過ぎず、新規感染者は4月中旬以来ほとんど発生していない。なお、世界の感染者累計数は約3千万人に達し、死亡者94万人、日本の感染者累計7万7千人、死亡者1,482人でまだ増え続けている。
 台湾は、民主主義でコロナ禍の非常事態にも行政がよく機能する、立派な国になったと思う。台湾は中国の圧力で、世界の主要国から国家として認められていないが、台湾こそ国家らしい国家である。国民の政治参加の意思は極めて高く、2020年1月の総統選挙の投票率は75%を超えた。日本と違い、若者の投票率が高い。
 台湾の「国家」の歴史は紆余曲折している。中国は「台湾は中国の不可分の領土であり、中国は一つしかない」と主張するが、中華人民共和国の台湾支配を正当化する歴史的根拠があるわけはない。また、李登輝が総統になった頃から台湾人の自己認識が変わった。1992年、自分を台湾人と自己認識する人は17・6%、中国人と認識する人は25・5%、台湾人でもあり中国人でもあるとする人は46・4%であったが、2019年の調査では、台湾人と認識する人58・5%に増加、中国人と認識する人3・5%、台湾人でもあり中国人でもあるは34・7%となっている。若い人ほど台湾人であると認識する比率が高い。こうした帰属意識調査をみると、台湾は中国とは別の独立した国家と考えるのが自然である。
 コロナ禍で、アメリカだけでなく、ヨーロッパでも嫌中国、親台湾の感情が生じている。チェコ上院議長ビストルチルらの台湾訪問はその現れである。訪問に反対する中国の外相王毅の「深刻な代償を払わせる」といった発言に、ヨーロッパ各国が反発している。
 台湾と最も連携すべきは日本である。台湾はかつて日本の統治下にあった。日本の統治のすべてを悪とするような韓国人と異なり、台湾人は日本の統治の非は非とし、是は是とする。客観的な評価をする人たちである。その結果、日本をよく理解する希有な親日国となっている。現総統蔡英文は「日本と安全保障などについて話し合いたい」と言っている。日本は価値観を共有する台湾と連携を深めるのがよい。日本はすでに中国から国家の存立を深刻に脅かされていると知るべきである。
(令和2年10月1日)

神田 淳(かんだすなお)
 高知工科大学客員教授著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。


知って得するお金の話
辻 章嗣
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「マイホームの夢を叶える」(その1)
 人生の中で一番大きな買い物であるマイホーム。その夢を叶えるために、知っておきたいポイントについて解説します。

1. 住宅ローンの選び方
 多くの方は借入金利のみに着目して、住宅ローンを選んでいるのではないでしょうか。ここでは、住宅ローンを選ぶときに確認しておきたいポイントについて解説します。

(1) 元利均等返済と元金均等返済
 住宅ローンの返済方法には、元利均等返済方式と元金均等返済方式があります。
《元利均等返済方式》
 毎月の返済額が全期間を通じて変わりません。
《元金均等返済方式》
 元金分の毎月の返済額が全期間変わりませんが、その時点で残っている元金に対して利息を支払うため返済初期の返済額が多くなります。しかし、支払い利息の総額で比較すると元利均等返済より少なくなります。
 例えば、借入額3,000万円、全期間固定金利1.5%、返済期間35年で住宅ローンを借り入れた場合、返済完了時点での総支払額を比較すると元利均等返済方式は約3,858万円、元金均等返済方式は約3,789万円となり、元金均等返済方式の方が約69万円少なくて済みます。
 なお、一般的に返済方式は選択することができますが、財形貯蓄を50万円以上保有している人が利用できる財形持家融資は元金均等返済方式に限られています。

(2) 固定金利と変動金利
 住宅ローンの借入金利のタイプには、全期間固定金利型、変動金利型および固定金利選択型があります。
《全期間固定金利型》
 契約時に決まった金利が完済時まで適用されます。
《変動金利型》
 半年ごとに適用金利が見直され、返済額が5年毎に変わります。
《固定金利期間選択型》
 一定期間は、契約時の金利が適用され、一定期間が経過した時点で、変動金利型か再度固定金利期間選択型を選択します。
 金利タイプを選択する際には、金利相場が高いときは変動金利型を、金利相場が低いときは固定金利型を選ぶと良いでしょう。なお、金利タイプは、原則自由に選択できますが、住宅金融支援機構が提供している「フラット35」では、変動金利型を選択することはできません。

2. キャッシュフロー分析を基に借入額を決定
 マイホームの夢を叶えるために住宅ローンは必要不可欠でが、一度借り入れると長期にわたり家計の大きな負担となります。そこで、将来を見据えて借入額を決定することが重要です。
 多くの人は、住宅ローンの借入額を決める際に、年収に応じた借入限度額を基に決めているのではないでしょうか。ちなみに、住宅金融支援機構のホームページで、年収500万円の方が、固定金利1.5%、返済期間35年で「フラット35」を利用する場合の借入限度額を計算すると4,762万円になります
 本紙8月1日号で紹介した夫自衛官35歳、妻パート33歳、長男5歳と長女3歳の家族が、夫42歳の時点で「フラット35」を利用して、借入限度額内の3,000万円の住宅ローンを借り入れたことを想定したキャッシュフロー分析では、二人の子供が大学に進学する時点で、教育費と住宅ローンの返済が家計を圧迫し、家計が破綻することが予測されました。
 この様に、住宅ローンの借入額を決める際には、借入限度額だけで決めずに、キャッシュフロー表を用いた分析を行い、無理のない借入額を決めることをお勧めします。
続く

辻 章嗣
ウィングFP相談室代表
元航空自衛隊パイロット、ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士


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