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自衛隊ニュース   914号 (2015年9月1日発行)
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平成27年度富士総合火力演習
 8月27日、約29倍という高い倍率を勝ち取った一般来場者達は、朝6時半の開門前から静岡県の東富士演習場近くに集まっていた。御殿場駅周辺のホテルは満室。駅近傍の駐車場も前日から満車となっている。8月18日・20日の学校予行、22日の教育演習を含め、約10万人が「平成27年度富士総合火力演習」を体感した。
 この日は、中谷元防衛大臣、西正典事務次官、河野克俊統幕長、岩田清文陸幕長ら防衛省・陸海空自衛隊の高級幹部、在日米軍、衆参国会議員や国内外の招待者、全国の隊員らも見学。午前10時、岩田陸幕長から中谷大臣へ準備完了報告を行い演習が始まった。
 演習担任官の富士学校長・渡部博幸陸将、演習実施部隊指揮官の富士教導団長・小森一生陸将補を中核に人員約2300名、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両約600両が参加した。
 例年通り、演習は前段・後段の2部構成で行われた。前段は陸自の主要装備などの紹介、後段は「陸上・海上・航空自衛隊が行う統合よる作戦により我が国の島嶼部侵攻する敵部隊を洋上及び内陸部において撃破する」というシナリオで各職種部隊が協同して行う陸上戦闘の様子を見るというもの。
 前段最初の特科火力で展示された曳下射撃「富士山」。これは異なる射距離で同時に弾着させるため21門全ての火砲・弾薬の操作に1/100秒単位の精度が要求されるが、三段山上空に富士山を無事描いた瞬間来場者から万雷の拍手が沸き起こった。その後、迫撃砲・誘導弾・対人障害・普通科火力・ヘリ火力・対空火力と続き最後は戦車火力。74式・90式・10式が登場し、その動きと音で見る者を圧倒していた。「74式も私の入隊当初は最新鋭でしたが、現役晩年に目にした90式との違いに大いに驚いたものでした。今回、更に新しい10式を初めて見ることができ感激しました」(70代・陸自OB)。
 後段演習の島嶼部に機動展開した部隊による奪回場面では、情報収集活動を目的としたOH―6、偵察オートバイを搭載したUH―1、敵上陸部隊に対するAH―64、AH―1による機関砲射撃など航空部隊・偵察部隊の活躍に始まり、87式偵察警戒車部隊の移動しながらの不意急襲射撃、戦車の通路を確保するための92式地雷原処理車による迫力のロケット弾により障害処理、戦車部隊による各々の特性を活かした動きや射撃など緊迫感溢れる場面が最後の戦火拡張まで続いた。
 「後段演習前の統合機動防衛力の解説映像もとても興味深く、何故新しい装備が必要なのかよく解りましたし、初めて総合火力演習を目にして、それを使いこなす隊員の皆さんの努力が不可欠なのも理解できました」(30代・会社員)とは、演習終了後、現役隊員の説明を熱心に聞きながら、展示されていた演習参加装備を見つめていた来場者。草萌える晩夏の富士山麓で、五感全てに訴え"陸上自衛隊の今"を示す総合火力演習は今年も、見学者一人ひとりに様々な想いを抱かせ幕を閉じた。

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