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自衛隊ニュース   908号 (2015年6月1日発行)
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UNMISS第8次要員派遣
 5月19日、福岡県小郡市にある陸上自衛隊小郡駐屯地(司令・中野義久陸将補=兼第5施設団長)で南スーダン派遣施設隊第8次要員の壮行行事が家族や部内外の来賓の見守る中で行われ、隊長である山下博二1陸佐(第5施設団副団長)が西部方面総監である番匠幸一郎陸将に派遣準備完了報告を行った。番匠総監は「諸官たちは第8次要員である。これまで7次に渡る任務を続けてきたが、私は諸官たちに、初心に帰って、第1次隊のつもりで、任務を遂行してもらいたいと思っている。そして、これまで諸官たちが積み重ねてきた軍事のプロとしての素養、基本基礎を信じ、任務に全力を尽くしてもらいたい」などと訓示をした。
 西部方面隊からUNMISSへの派遣は平成26年5月の第4次要員以来2回目。今回は隊長以下約350名が西部方面隊を中心に編成され、文民保護に資する活動、国連施設の強化・整備、国連施設外の道路補修等を行う。

実習幹部170名が遠洋練習航海へ出発
160日間で12ヶ国、16ヶ所に寄港
 5月21日、東京晴海埠頭HK海岸で平成27年度遠洋練習航海部隊の出国行事が執り行なわれた。明け方前の激しい雷雨も上がった雲ひとつない青空の下、左藤章防衛副大臣、武居智久海上幕僚長等防衛省・自衛隊関係者、外務省や国会議員等多数の来賓が参列し、約660名の乗員家族とともに実習幹部約170名の新たな門出を見守った。
 当日は早朝から大勢の家族・関係者が見送りに訪れ、出国行事前の乗員達としばしの別れを惜しむ光景が見られた。女性幹部実習生の母親は「心配はありますが、周囲に助けてもらいながら成長してきてほしい」と我が子への期待を語り、祖父は自身の海外勤務経験から「世界を見る事は非常に良い事だ。たくさん学んできてほしい」と孫への餞の言葉を口にした。女性幹部実習生は「努力する事は当然ですが、国費での練習航海に『行かせて良かった』と思ってもらえるようにがんばってきたい」と力強く抱負を語った。
 出国行事で左藤副大臣は、幹部候補生学校卒業式以来2カ月振りの再会に「一回り成長した姿を目の当たりにして頼もしい」と述べ「これまでの教育訓練で得た知識技能に磨きをかけると共に、訪問国の人々と積極的に交流を図り、異国の文化や社会に接する事で、豊かな国際感覚と物事を多元的に捉えられるバランス感覚を身につけてほしい」と訓示した。  
 続いて元自衛官でもある宇都隆史外務大臣政務官が、遠洋練習航海が外交面においても極めて重要な使命を持っているとし「世界に通用する日本人として成長されることを心より祈念します」と祝辞を述べた。
 武居海幕長は壮行の辞で実習幹部に対し「まず海を知るところから始め、幹部海上自衛官として踏み出す地歩を固めて欲しい」と要望。乗組員には「中畑司令官のもと一致団結して将来の立派な幹部を育てる任務に邁進し、自己の技術技量のさらなる向上にも努めてもらいたい」等と述べた。
 閉式を迎えると練習艦隊司令官・中畑康樹海将補を先頭に実習幹部169名を含む派遣人員704名が練習艦隊「かしま」(艦長・小沢輝男1海佐)、「しまゆき」(艦長・小圷聖一2海佐)、護衛艦「やまぎり」(艦長・橋本聖一2海佐)に堂々とした行進で乗り込んだ。艦艇に整列し出港を待つ実習幹部の中にはこれまでの訓練の成果を発揮してやるという自信、大海原に出る期待と不安、様々な感情が入り混じった複雑な表情をしている者もいた。しかし離岸して「がんばれ!」「しっかりやってこいよ!」等大勢の家族や関係者による激励に対して帽振れで応えるその力強い動作は、彼らの覚悟と決意を感じさせるものであった。約5ヶ月後、諸外国を周り様々な経験を積んだ彼らが再び見るこの景色はどう映るのか。
 今回の遠洋練習航海は、5月21日晴海埠頭を出港してから10月27日に帰国するまでの160日間で、アメリカ・パールハーバーを皮切りに、ブラジル、アルゼンチン、チリ、メキシコ等中南米を中心に12ヶ国・16ヶ所に寄港する。また、その過程で海自艦艇が初めてマゼラン海峡を通過する。総航程約54000q。当航海は昭和32年以降毎年実施されており、今回で59回目を数える。

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