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自衛隊ニュース   914号 (2015年9月1日発行)
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部外講師による安全保障講話
〈航空安全管理隊〉
 7月29日、航空安全管理隊(司令・橋本進空将〈当時〉=立川)では、学習院女子大学の畠山圭一教授を招き、本年度初の部外講師による講話を行った。
 テーマは「文明史から見た日本の特質と海洋国家としての戦略構想」。同大学の副学長でもある畠山教授の温和で巧妙な語り口に隊司令以下約50名は食い入る様に聞き入っていた。
 畠山教授の専門分野は国際政治・アメリカ政治外交・日米関係。その経験と知見を基に、日本の建国事情や地政学的位置の特質、海洋国家日本の対外関係の特質と海洋戦略を踏まえた上で、今後の日本のとるべき戦略上の課題などについて非常に解りやすく説得力のある講演だった。
 講演後の質疑応答も活発に行われた。「安保法制で話題の日本の特質や日本周辺の歴史的観点など、解りやすく興味深く聞けた」「地政学的見地からの思考が理解できた」など大好評であり、航安隊は隊員の防衛教養に係る知識の向上、自学研鑽の一助とすることができたとしている。

意欲と能力のある女性空曹を積極採用
〈航空支援集団司令部〉
「Keep smiling!」「Don't be shy!」「W-hat is your opinio-n?」Let's enjoy the communicationをテーマに6月から航空支援集団司令部で空曹を対象に行われている英語能力向上訓練で教官が投げかけている言葉だ。訓練の実施要領は日米交流のリーダーである准曹士先任が企画、その補佐役である教官として教壇に立つのは、厚生課勤務の西ひとみ2空曹(40歳)だ。
 高校時代にニュージーランドへの留学経験を持つ西2曹の英語力は、ペトリオット年次射撃の管理要員としてテキサスでの勤務、米軍嘉手納基地における下士官教育課程(NCOアカデミー)への入校で更に磨きがかかった。航空支援集団勤務となってからは、英語力を生かし、基地行事として行われる納涼盆踊り、音楽祭等に招待された米軍下士官との通訳を一手に担っており、これらの功績から、本年2月には日米エアフォース友好協会から表彰を受けることとなった。
 航空支援集団司令官(福江広明空将)は意欲と能力のある空曹を"先進空曹"と称し、積極的な活用を図って行く方針と政府挙げての男女共同参画推進策とを結び付け、西2曹を教官とする英語能力向上訓練を実現させた。
 活躍の場を与えられた西2曹は「NCOアカデミーで受けた、やる気を引き出し達成感を与えてくれる素晴らしい授業を目標に自分なりに工夫したレッスン方法で進めていきたい」と意気込みを語っている。

第1特科団長(兼)北千歳駐屯地司令徳川陸将補が着任
 統率方針は「見敵必戦」
 8月4日、第34代第1特科団長兼ねて第32代北千歳駐屯地司令徳川泰久陸将補が着任した。
 北千歳駐屯地に初登庁した徳川陸将補は儀じょうを受けた後、駐屯地慰霊碑での献花、幹部挨拶、状況報告、着任記者会見等を行い、その後、総合訓練場において着任式を行った。
 着任式において徳川陸将補は、「北の大地において、陸上自衛隊火力の中心『核』である第1特科団に勤務できることを非常に光栄に思っている」と述べ、団長統率方針として「見敵必戦」を示し、「見敵必戦とは敵を見つけたら必ず戦えということである。我々は火力戦闘を追求し、そして真の敵と向かい合って努力して戦うことが重要である。さらに普段の業務においては、問題点は必ず改善せよということである。そして一つ一つの問題を改善し、そのことが積み上がれば第1特科団は世界一の部隊になる」と着任の辞を述べた。
 また、体制移行に関し、「どこに補職され、どこに行っても真に実力を発揮でき、それぞれの組織の中において活躍できるように自分を磨くことである。特技を見つけること」について強く要望した。
 さらに、6日に行われた駐屯地朝礼において、駐屯地司令要望事項として「規律厳正にして明るく爽やかに」、「市民とともに」の2点を要望し、「諸官及び諸先輩たちが築きあげた自衛隊に対する高い国民からの信頼を尊敬に高めていくことが必要である」と述べた。

活躍する女性拳士たちシリーズ (1)
  ~全国自衛隊少林寺拳法連盟で活躍する女性拳士たち~
海自徳島教育航空群 少林寺拳法部 奥津 杏奈
 護身の技術を修行することを通じて自己の変化や達成感を味わい、自信をつけることによって、職場や地域社会をリードしていく人間を育てるという少林寺拳法。防衛省・自衛隊において少林寺拳法の普及・振興等を担う全自衛隊少林寺拳法連盟で活躍する女性拳士を連載します。
 第1回は、海上自衛隊徳島教育航空群少林寺拳法部 奥津杏奈さん。
Q少林寺拳法を始めたきっかけは?
 高校生の頃、私の将来の夢は、自衛官になり人の命を救うことでした。しかし、「自分の身を自分で守ることができなければ、人の命を救うことはできない。」と考え、護身術として少林寺拳法を始めました。
Q海自徳教空群少林寺拳法部の雰囲気は?
 当部では、月・火・木の夕方に基地内の体育館で練習をしています。部員は決して多いとは言えませんが、皆が集まることのできる時間を大切にし、楽しく練習に励んでいます。全自衛隊大会や昇段試験に向けての練習においては、部長に指導して頂くだけでなく、部員全員が教え合うことにより、互いに切磋琢磨できていると思います。
Q今後の目標は?
 業務と少林寺拳法の両立は容易ではありませんが、この練習を通じて辛いことから逃げ出さない強い心を身に付けたいと思います。そして、その精神的な強さをもって、自分の周りの人達を少しでも助けられる人になりたいと思います。
【全自衛隊少林寺拳法連盟について】
 全自衛隊少林寺拳法連盟(会長・大越康弘 元防衛研究所所長)は、防衛省・自衛隊において少林寺拳法の普及・振興を図るとともに、関係団体の融和、親睦等を図ることを目的として一般財団法人少林寺拳法連盟に認められた団体である。現在、全国の基地・駐屯地に18の少林寺拳法部があり、約170名の拳士が活動している。少林寺拳法部がない基地・駐屯地の隊員でも、全自衛隊少林寺拳法部に所属することによって、昇段や大会への出場などが可能という。また、毎年一回、持ち回りで全国の基地・駐屯地において全自衛隊大会を開催しているのも特徴の一つ。

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