全自衛隊拳法連盟(会長・永井昌弘元陸将)は6月25〜26日、静岡・御殿場市体育館で3年ぶりに「全自衛隊拳法富士山大会」(3人制団体戦、女性・壮年=45歳以上=個人戦)を開催した。
若手精鋭 "勇気" 学ぶ
全自拳法富士山3年ぶりに
27歳以下の若手隊員を対象に開かれ16回目。12回大会以降は民間にも開放し大学生も参加してきたが、今回は新型コロナウイルス感染症対策のため自衛官に限定。44チーム・約300人が競った。
大会事務局は感染症対策を徹底。試合は完全入替制とし、会場にはチームと監督以外は入れず、無観客とした。選手はスポーツマスクを着用した。
拳法の訓練に励む約3千人の隊員にとって待望の大会だった。「(今の格闘からは学べない)やるか、やられるかの恐怖心に打ち勝って "一歩踏み出す勇気" を学ぶ」ことを主眼に、練磨を続けてきた隊員たち。
明確な目標が与えられ、コロナ禍で訓練環境が大幅に制限される中でも課業外を活用するなど効率的な訓練を重ねた。全自拳法連盟西方理事の田中邦幸1陸曹(40連隊)によると「富士山大会を目指して部隊は大いに盛り上がってきた」という。
待ちわびた大会は、波乱含みのスタートとなった。3年ぶりの開催で初日は動きがやや鈍いチームも多く、全自大会十数連覇の偉業を誇る第1空挺団(習志野)や空自強豪入間などが初戦で敗れた。
2回戦以降も波乱は続いたが、2日目はハイレベルな戦いが展開された。どの部隊も「3年前からメンバーは大きく代わった」と新たな戦力で編成している中、地力のある西方の16連隊(大村)、40連隊(小倉)、43連隊(都城)と前回大会優勝の32連隊(大宮)がベスト4に顔を揃えた。
決勝は4師団・40連隊対8師団・43連隊の西方決戦に。1勝1敗1分とともに譲らない接戦は、「本数差」で40連隊が勝利した。
24人による個人戦女性の部は、橋本葵陸士長(久居)が野田夕楓陸士長(16連隊)を1-0で退け優勝。今回初めて設けられた同壮年の部は、監督・役員クラスの4人が参加し、田村友和陸曹長(普教連)が田中邦幸1曹(40連隊)に競り勝った。
永井昌弘全自拳法連盟会長は、「拳法を通じて日本の平和と安全を守り抜く強い心と体を鍛えてほしい」と選手たちに求めた。
(全自拳法連盟) |