クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせたバイアスロン。来る北京冬季五輪でも実施される同競技に自衛隊体育学校(朝霞)から6人の選手が出場する。
激しい鼓動を抑え、集中して的を狙い、撃つ。動と静を併せ持つバイアスロンは欧州で人気が高い。
銃を扱う競技特性上、日本では自衛隊が中心となって行ってきた。陸自冬季戦技教育隊(真駒内)の冬季特別体育課程教育室にスキーのエキスパートが集められ、国内外の大会に挑んできた。(同教室は2016年3月、体校隷下へ)
6種目で競う
五輪実施種目はインディビジュアル(個人、男子20キロ、女子15キロ)やリレーなど6種目。インディビジュアルは、選手が個々にスタートしコースを5周、周回間に4回の射撃(伏射、立射、伏撃、立射=各5発)を行う。射撃ミス1発につきペナルティータイム1分が走行タイムに加算される。
五輪ではバイアスロンを含め、スキー、スケート、アイスホッケーなど全15競技が行われる。
日本バイアスロン連盟(本部・札幌市)は1月16日、五輪日本代表6人を発表した。
6人は立崎芙由子2陸尉、前田沙理2陸曹、蜂須賀明香2陸曹、田中友理恵2陸曹の女子4人と、枋木司3陸曹、尾崎光輔3陸曹の男子2人。
欧州で行われていたW杯全6戦の結果などを基に決定。国別順位19位の女子は4人の枠を獲得し、個人種目に加えリレーにも出場する。同21位の男子は2人の枠を得て個人各種目に臨む。
6人のうち4大会連続の出場となる女子のエース、立崎2尉は、またぎをなりわいとしていた祖父のDNAを継ぎ、欧州の強豪選手に負けない射撃の正確さを武器とする。
前回の韓国・平昌大会(18年)には、夫で同僚の立崎幹人2陸尉と共に夫婦そろって出場。併せて4種目に臨み、このうち女子リレーでは第1走者を務め、一時2位につける健闘を見せた。
初の表彰台へ
バイアスロンの日本人選手の冬季五輪歴代最高位は長野大会(1998年)での高橋涼子2陸曹(当時)の女子個人6位入賞。
「(バイアスロンを通じて)いろいろな世界を見せてもらった」(立崎2尉)。北京大会では、日本バイアスロン史上初となる表彰台からの景色を見る。
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