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スペーサー
自衛隊ニュース   1066号 (2022年1月1日発行)
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ノーサイド
北原巖男
36年振りの年
 令和4年(2022年)、新年を迎えました。
 全国各地で、また海外の任地で、それぞれの任務遂行に頑張っている自衛隊員の皆さん・そんな皆さんをいつも応援し支えているご家族の皆さん、そして「自衛隊のできないことで自衛隊を応援する!」本紙「防衛ホーム」の読者の皆さん、全ての皆さんに、心から力いっぱいのエールを送ります!
 まずは、今年こそコロナ禍を克服するため、感染予防対策(「マスクの着用」、「ゼロ密をめざす」、「手洗い・手指消毒」)の徹底を続けて参りましょう。
 今年も隊員の皆さんは、全国各地で不気味に頻発している地震をはじめとする様々な自然災害に対する頼もしい災害派遣活動、我が国周辺のスキのない警戒監視活動、抑止力を強化するための効率的な防衛力整備、各種信頼醸成措置、海外での諸任務活動そしてどのようなニーズにも対応できるよう不断の錬成訓練等、忙しい日々となることでしょう。
 常に国民と共にある国民の自衛隊員として、矜持を以て、真摯に、そして謙虚な気持ちを忘れることなく、国民の皆さんの負託に応えて行って頂きたいと思います。
 特に心しなければならないのは、厳しい我が国の財政事情の渦中にあって、厳しさを増す安全保障環境等を踏まえた多額の防衛費の計上について。
 昨年12月20日に成立した2021年度補正予算における防衛費は、7738億円と1回の補正予算としては過去最大額。更に、12月24日に閣議決定した2022年度政府予算(案)に占める防衛費も、歳出総額で10年連続増額の約5兆3687億円と過去最大額を計上しています。両者を合わせると、その総額は6兆円を超えます。2022年度政府予算(案)については、これから国会での審議を受けることになりますが、政府・防衛省は国民の皆さんの疑問や懸念に丁寧に答え、説明を尽くし、理解を得て行って頂きたいと思います。そして防衛費の適正な執行は言うまでもありません。
 僕は、12月16日に東京文化会館にてロシアの「サンクトペテルブルグ室内合奏団」のコンサート「クリスマス/アヴェ・マリア」を観賞する機会を持ちました。音楽家の皆さんの素晴らしい演奏や歌を聴いていますと、2021年のウイーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートを指揮されたリッカルド・ムーティさん(80歳)が、無人の観客席に向かいテレビで観ている世界中の皆さんに呼びかけた言葉が浮かんで参りました。(本紙、拙稿「ノーサイド」2021年2月15日付ご参照)
 「音楽は喜びや希望、平和、兄弟愛、そしてなによりも愛を皆さんに届けることが出来ます」「音楽家には仕事だけでなく社会をより良くする使命があります」
 ムーティさんは、昨年2度来日され、日本経済新聞のインタビューでも次のように持論を展開されています。「音楽には平和をもたらす力さえあると信じている。世界各地が戦地にならないために、各国は文化に投資すべきだと訴えたい」「新型コロナでも、文化は随分と痛めつけられた。肉体と精神は一体で健康がある。医者だけでなく、芸術家も大切な存在だ」(2021年12月11日付け、日本経済新聞)
 ところで、若い皆さんも既に何度か耳にされているかと思いますが、今年は36年振りの「五黄の寅年」。九星の「五黄土星」と十二支の「寅年」という、共に大変強い2つの運気が重なる年とのこと。前回の昭和61年(1986年)に生まれた方は、今年36歳のY世代。その前は昭和25年(1950年)で、ほぼ団塊世代で72歳になります。そんな「五黄の寅年」生まれの方に対しては、巷間、強い正義感と信念の持ち主で困難を克服する行動力があるといったようなことが言われて来ています。
 運気が強い「五黄の寅年」に興味を持って、共通する傾向のような出来事があるだろうかとインターネットで調べた過去の一例です。
・大正3年(1914年)…桜島大噴火・東京駅開業・第1次世界大戦始まる・パナマ運河開通
・昭和25年(1950年)…朝鮮戦争勃発・ジェーン台風襲来・警察予備隊創設・浅間山噴火
・昭和61年(1986年)…バブル経済の始まり・ハレー彗星76年振り地球接近・三原山噴火・日本初の女性党首土井たか子社会党委員長誕生
 「五黄の寅年」と因果関係があるとまでは思いませんが、偶然とは言え、桜島・浅間山・三原山が大噴火し、2つの大きな戦争も生起しています。また最強であるべき自衛隊の前身である警察予備隊も「五黄の寅年」にスタートしています。
 今年は、コロナ禍が終息し、大災害の発生等も無い平和な年でありますように、また我が国の今後の安全保障・防衛にとって重要な「国家安全保障戦略」・「防衛大綱」・「中期防衛力整備計画」が、国民の皆さんから良く理解され強く支持されるものに改定等されることを願って止みません。
 そして何よりも、皆さん一人ひとりが、元気に力強く前へ進んで行かれることを心から祈念いたします。
「ほら 足元を見てごらん
 これがあなたの歩む道
 ほら 前を見てごらん
 あれがあなたの未来
 未来に向かって
 ゆっくり歩いて行こう」
(「未来へ」作詞・作曲玉城千春 歌 Kiroro)
 昨年12月、自宅に配達された新聞の派手な折り込み広告にはこんな文言も踊っていました。「令和4年は五黄の寅年。金運奇跡の年とされています。この好機が訪れるのは、36年に一度。来年を逃すと次は36年後!」
 いずれにしても、今年は強い運気の年とのこと。
この強い運気を逃さないようにしましょう!
  
北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

令和3年度北部方面隊戦車射撃競技会
白馬連隊完全優勝勝ちとる
 第72戦車連隊(連隊長・梅田宗法1佐=北恵庭)は、12月5日から15日までの間、北海道大演習場島松地区(第1戦車射場)において実施された、「令和3年度北部方面隊戦車射撃競技会(90TKの部)」に参加した。
 連隊は、昨年成し遂げた令和2年度師団戦車射撃競技会「完全優勝」という実績が真の実力であることを示すため、連隊長の統御のもと各中隊長を核心として、競技参加小隊が年間を通して厳しい訓練を積み重ね、射撃技術の向上を図るとともに人間力特に、メンタル強化に取り組み競技会へ臨んだ。
 本競技会は、各部隊の実力が拮抗した状況となり、優勝争いは最終日までもつれ込む競技展開となった。そして、競技最終日に参戦した第5戦車中隊第1小隊(小隊長・中田3陸尉)が競技会初参加小隊長とは思えない冷静かつ的確な射撃指揮のもと、全的命中となる無双を繰り広げ混戦模様の戦いに決定打を加え、北部方面隊戦車射撃競技会開始以来、女性小隊長初となる「小隊対抗の部」優勝を手にして、機甲科職種の新たな歴史に名を刻んだ。
 本競技会において、参加した全小隊においてもその実力を遺憾なく発揮したことが原動力となり、昨年度の師団戦車射撃競技会に引き続き、各競技部門全てにおいて「優勝」し、「完全優勝」2連覇を勝ち取り、第72戦車連隊の実力を部内外に示すことができた。
 本競技会において、このような結果を得られたのは参加した各小隊の成果はもとより、年間を通して積極的に支援をしていただいた第7後方支援連隊第2整備大隊第2戦車直接支援中隊(中隊長・平林1陸尉)を始め、射場勤務・整備及び管理支援等、射撃を陰で支えた隊員の力が結集した結果であると感じざるを得ない。
 白馬連隊は次なる目標を「戦車射撃競技会3連覇」に定め、進化への挑戦者として日々の訓練にまい進するとともに、更なる飛躍を誓った。

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