防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1016号 (2019年12月1日発行)
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派遣海賊対処行動部隊に特別賞状と第1級賞状
 11月7日、ソマリア沖アデン湾において海賊対処行動に従事した部隊に対する表彰式が大臣室で行われた。表彰されたのは、特別賞状を受賞した派遣海賊対処行動水上部隊(第33次)と第1級賞状を受賞した派遣海賊対処行動航空隊(第36次)。
 山本副大臣、渡辺政務官、高橋事務次官、増子統幕副長、出口海幕副長、岡人事教育局長が立会いのもと、河野大臣に対する帰国報告に続き、水上部隊の護衛艦あさぎり副長・南和宏2海佐と航空隊司令・大原浩史2海佐に対しそれぞれ賞状と副賞が河野大臣から授与された(内閣総理大臣から授与される特別賞状は河野大臣が代読)。
 水上部隊は今年3月13日から8月27日迄の間、海上において船舶の直接護衛や第151連合任務部隊に参加してゾーンディフェンスを行った。またオマーン海軍との共同訓練等も実施した。航空隊は今年4月21日から10月12日迄の間、空からの警戒監視等を実施した。
 ソマリア沖・アデン湾での海賊発生事案件数は近年低い水準で推移しているが、根本的な原因の解決は未だされておらず海賊の脅威が引続き存在すること、海上保安庁による対処が困難であると国土交通大臣が判断していることから、自衛隊の海賊対処行動については、令和元年11月20日から令和2年11月19日までの延長が11月12日の閣議で決定された。

平成〜令和へ
両陛下への思いを胸に
<陸上自衛隊中央音楽隊>
 11月10日、国民に広く天皇陛下の御即位を披露され、祝福を受けられるために「祝賀御列の儀」が行われた。防衛省・自衛隊からは、儀仗・と列・奏楽など、陸海空自衛隊から約800名が参加した。
 天皇徳仁様と皇后雅子様揃っての祝賀パレードは今回で2回目であり、初回は今から26年前、まだ皇太子・皇太子妃雅子様であった平成5年6月9日の「御成婚パレード」である。陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・樋口孝博1陸左)の中に、この2回ともお祝いの演奏をした隊員が4名いる。栗原裕之陸曹長、吉原茂最先任上級曹長、斎藤茂准陸尉、中島浩一陸曹長である(階級は現在)。2回参加できたことについて『新時代の幕開けに相応しい歴史的瞬間に関わることができ、感無量です』と思いを語っている。

令和元年度 兵站フェア始動
<補給統制本部>
 令和元年9月26日、陸上自衛隊補給統制本部(本部長・山内大輔陸将)は「令和元年度兵站フェア(前段)」を開催し、過去最多となる企業279社、466名の参加を得て、令和2年2月13日及び14日実施される「令和元年度兵站フェア(後段)」に向けた官民による活発な意見交換が実施された。
 兵站フェアは、「企業の知見を業務の効率化及び安全性向上に反映」することを狙いとして平成25年に関東補給処(霞ヶ浦駐屯地)において関東補給処事業として参加企業26社をもって初めて開催されて以来、毎年参加企業を増やしながら、関東補給処において実施されてきた。
 平成30年度から補給統制本部事業となり、前段は十条駐屯地、後段は霞ヶ浦駐屯地で開催されていたが令和元年度からは、前、後段ともに十条駐屯地で開催されることとなり、今回の前段においては279社の企業の参加を得て充実した官民の意見交換の場となった。
 本年度の兵站フェアにおいては、「各種事態におけるロジスティクスの実効性の向上〜国防を担う企業の英知〜」をテーマとし、陸上自衛隊の兵站支援上の問題認識等を参加企業に提示した後、各部と参加企業との個別調整へと移行し、各企業が持つ技術力や知見の活用の可能性等についての調整を実施し、後段における各企業の展示プレゼンテーションの具体化を図った。
 各企業の参加者は、本フェアの趣旨及び自社の技術、商品及び知見が国防の一端を担う意義を深く認識し積極的な意見交換を実施した。
 今後は、令和2年2月13日及び14日に開催される兵站フェア(後段)において本前段フェアで提示された問題点等の改善に関する企業からの商品、技術の展示、プレゼンテーションを行い、各種事態におけるロジスティクスの実効性向上へとつなげていくこととなる。

日豪防衛相会談
防衛協力を加速 共同声明発表
 11月20日、河野太郎防衛大臣は、防衛省でオーストラリア連邦のリンダ・レイノルズ国防大臣と会談を行った。今後数年において、部隊訓練、人的交流、宇宙・サイバー及び防衛科学技術を含む分野における防衛協力を加速させることで一致し、日豪防衛相共同声明を発表した。
 部隊訓練においては、来年に豪空軍が主催する多国間訓練「ピッチ・ブラック」への航空自衛隊の初参加、および今年初めて日本で行われた日豪戦闘機共同訓練「武士道ガーディアン」の定例化を確認した。人的交流においては、豪陸軍連絡将校の陸上自衛隊への配置を進めることを確認。防衛科学技術においては、防衛装備庁と豪国防省科学グループ間で防衛科学技術者プログラムの設立を確認した。
 また、お互いの国において演習等を円滑に行うことができるように、法的手続き等を改善する相互訪問に関する協定交渉の妥結に向けても尽力することでも一致した。
 地域情勢では、両大臣は北朝鮮の一連の弾道ミサイル発射を非難。国連安保理決議の履行、瀬取りを含む違法な活動を完全になくすために国際協力を継続することを再確認した。
 レイノルズ大臣は、19日に陸上自衛隊朝霞駐屯地、陸上総隊司令部を視察、21日は安倍首相を表敬した。

過去最多、23カ国が参加
令和元年度 陸軍兵站実務者交流
 陸上自衛隊装備計画部(部長・小林弘樹陸将補)は、11月18日から22日の間、防衛省市ヶ谷庁舎や東京臨海広域防災公園等において、令和元年度陸軍兵站実務者交流(MLST)を開催した。本会議は、インド太平洋地域における主要国等の陸軍兵站実務者(大佐〜少佐級)を招へいし、災害対応等に係る各国の兵站運用、兵站上の教訓等について意見交換を実施することで、陸上自衛隊の兵站施策の資を得るとともに、我が国の防衛施設等を研修させ、各国との相互理解の促進及び信頼醸成を図ることを目的とするもの。平成9年に4カ国で始まったMLSTは、年々参加国が増えて、今年度は過去最大の25カ国が参加。インド太平洋地域等各国との陸軍種交流を牽引する陸自最大の多国間会議となった。大きなテーマを「来年開催される東京オリンピック・パラリンピックでの対応を含む都市災害対応における兵站上の取組み」として、研修や全体会議及びグループ討議がなされた。
 18日は首都直下地震発生の際に災害現地対策本部等の防災拠点となる東京臨海広域防災公園(江東区有明)、19日は千葉県の幕張メッセで開催されていた総合防衛セキュリティ展示会「DSEI JAPAN」を研修した。20日は全体会議で陸上自衛隊や参加国がそれぞれの取組みをブリーフィング。21日は3グループわかれてグループ討議を実施した。第3グループは日本、カナダ、アメリカ、イギリス、韓国といったオリンピック開催経験のある国等が集まり、オリンピック対応について重点的に討議された。
 参加国(※は初参加)‥カナダ、アメリカ、イギリス、フランス、インド、パキスタン、スリランカ(※)、フィリピン、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、ベトナム、ブルネイ、カンボジア、モンゴル、ネパール、韓国、トルコ(※)、ニュージーランド、オーストラリア、パプアニューギニア(※)、フィジー(※)、パラオ(※)

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