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自衛隊ニュース   1012号 (2019年10月1日発行)
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第53回自衛隊高級幹部会同
安倍首相「誇りに思う」
 9月17日、防衛省市ヶ谷庁舎A棟2階講堂において、自衛隊最高指揮官の安倍晋三内閣総理大臣を招き「第53回自衛隊高級幹部会同」が開催された。自衛隊の高級幹部に対する防衛省の政策方針の周知徹底と、自衛隊の重要課題に対する意見交換を目的とした会同に、河野防衛大臣をはじめ副大臣、政務官、事務次官、装備庁長官、各幕僚長等の機関の長及び部隊の長等約180名が参加した。
 安倍首相は訓示冒頭で「国民から厚い信任と期待を寄せられる自衛隊を、私は本当に誇りに思います」と賛辞を贈った。続いて新防衛大綱にある「宇宙・サイバー・電磁波」の強化に触れ、「優位性を確保できるかどうかは、我が国の防衛力に直結します」と述べ、「できる限り早期に実行に移し、万全の体制を築いていく必要があります」と強調した。また、来年、航空自衛隊に創設予定の「宇宙作戦隊」について「いわば、航空宇宙自衛隊への進化も、もはや夢物語ではありません」と述べ「新領域を担う人材の育成・確保に全力を挙げてください」などと要望した。

マレーシア海軍と親善行事・親善訓練
「あさぎり」がアデン湾からの帰路で寄港
 護衛艦「あさぎり」(艦長・波江野裕一2海佐)は、マレーシア海軍との相互理解及び信頼関係の促進と海上自衛隊の戦術技量の向上を目的として、9月18日から20日にマレーシア東部のクアンタン港及びその周辺海域において親善行事・親善訓練を実施した。
 「あさぎり」は第33次派遣海賊対処行動水上部隊として母港の舞鶴基地を3月に出港後、ソマリア沖アデン湾で船舶の護衛等に従事し、今回の親善行事・親善訓練はその帰路において行われた。また往路においても3月27日、マレーシア北西部のランカウィ及び周辺海空域で行われた、マレーシア海軍主催による国際観艦式および31日の同国主催による多国間海上演習にも参加していた。
 9月18日・19日の親善行事では、マレーシア海軍第1管区司令官のアブ・バカール少将への表敬、「あさぎり」の艦内公開および施設研修等を行った。翌20日の親善訓練では、マレーシア海軍のミサイル艇「ハンダラン」「ガンヤン」「ペルダナ」と共に通信訓練や戦術運動を実施した。

「管理職向け」働き方改革講演会
防衛省で約600人の管理職が聴講
 防衛省人事教育局主催の管理職向け働き方改革に関する講演会が8月29日に本省市ヶ谷で開かれた。部外講師として公益財団法人21世紀職業財団の伊岐典子会長を招き、「ワーク・ライフ・マネジメントによる働き方改革の実現」をテーマとして、働き方改革の必要性や多様な人材活用の重要性を訴えた。
 今回の講演は、特に管理職を対象としたものであり、高橋事務次官をはじめ、湯浅陸幕長、山村海幕長、丸茂空幕長、武田装備庁長官ら省幹部をはじめ、防衛大学校等の近隣機関も含め、主に管理職に就く約600人が出席し、資料に目を落とし、メモを取りつつ熱心に聴講した。
 講師によれば、今、働き方改革が求められている背景には、少子高齢化による人口問題という構造的な問題に加え、イノベーションの欠如による国際的にも低い我が国の労働生産性といった問題がある。長時間労働や画一的な働き方の結果、健康被害(過労死)や低い生産性、多様な人材の活躍や新しい価値観への対応が課題となっており、超過勤務を前提とした働き方は限界を迎えていると指摘する。働き方改革とは、多様性を組織の力にする取組み、組織の生産性、創造性の向上と、個人の働きがいの向上を図るために必要であるとし、自身が仕事と育児を両立してきた体験談を交えつつ、熱意を持って管理者が率先して取組むことの重要性を訴えかけた。
 特に、本講演会の中では、各機関の長が多く参加していたことから、組織の風土を変えるためにはトップの意識改革が重要であり、トップはそれを思うだけでなく、自分の言葉にして広く発信しなければならず、それを継続的に行わないといけないということを強調した。
 講演の後の質疑応答では、鋭い質問も投げかけられるなど、盛況のうちに幕を閉じた。

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