最後に、本演習の集大成として実施した「平成30年度第5普通科連隊冬季訓練検閲」は、2月15日から22日までの間、旧陸軍歩兵第5聯隊が雪中行軍を行った先人の遺訓残る生地において26年ぶりに実施し、指揮幕僚活動、冬季戦技に関する練度管理、作戦行動及び射撃を検閲課目として、「有事に臨む物心両面の準備」、「指揮官企図の徹底」、「冬季戦技・射撃」の練度に関し、有事に行動できる部隊かどうかを評価し、その進歩向上を促した。
本訓練検閲は、2月15日、作戦準備の段階から状況が開始され、八甲田地域の大中台において敵の後方連絡線遮断のための伏撃の態勢を確立するまでの一連の状況下で実施された。作戦準備は、隊容検査、スキー装着状態での射撃訓練、各級指揮官による精神教育及び心情把握等を実施し、作戦準備を完整させた。2月20日未明、作戦準備に引き続き、5連隊は、青森駐屯地から車両及びスキー機動により深沢地区まで前進後、迅速に雪濠を構築、警戒しつつ宿営した。
翌21日早朝、深沢地区からスキー機動を再開し、約8時間をかけて、前進目標を占領後、敵の後方連絡線遮断のため、連隊主力をもって、積雪寒冷地の特性を活かした伏撃の態勢を確立し、作戦準備から7日間にわたる第一状況を終了した。
翌日、2月22日、丸山基本射場において、任意で抽出された約90名の隊員を対象とし、スキー装着状態での応用射撃を実施した。各射手は、初弾必中を期し、日頃の練成の成果を遺憾なく発揮し、訓練検閲の全状況を終了した。
今後、第9師団は、「冬季の生存限界を超える地域、つまり、敵の行動する事の出来ない地域で生存し、機動の自由を発揮して、敵の予測できない時期・場所・要領でこれを撃破し、任務を完遂する」という師団の目指す冬季作戦の理念を具現するため、日々練成に励んでいく。
(2面記事)
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