防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1002号 (2019年5月1日発行)
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入隊・入校 おめでとうございます
同期の絆を深めて共に困難を乗り越える
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5普連
 第5普通科連隊(連隊長・榮村佳之1陸佐=青森)は4月6日、青森駐屯地で自衛官候補生(以下「自候生」)の入隊式を挙行した。
 35名の自候生が真新しい制服に身を包み、緊張の面持ちで式に臨んだ。青森市長を始め、自候生家族、自衛隊家族会、駐屯地各部隊長等多くの来賓者が見守る中、田口孝自候生(32)が申告を実施した。また新岡晃成自候生(18)の宣誓で、本教育に専念する意気込みを見せた。
 連隊長は自衛官への道を自ら志した自候生に対し敬意を表し、「同期の絆を大切にせよ」「教官を信頼して教育に専念せよ」の2点を要望し式辞とした。
 記念写真撮影が実施された後の祝賀会食では、青森地方協力本部長、青森県隊友会会長から心温かい祝辞が述べられた。そして自候生と家族が晴れの日の会食に舌鼓を打ちながら談笑するなど、終始和やかな雰囲気に包まれていた。また須藤健自候生(18)が決意表明を実施、会食参加者全員の期待を膨らませた。
 自候生はこれより約3カ月の教育期間を経て、自衛官として必要な体力・知識・技能の修養に努める。
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中混団
 中部方面混成団(団長・芝伸彦1陸佐=大津)は、4月6日から8日の各日に、部内外の来賓及び隊員家族が見守る中、隷下部隊の第109教育大隊(大隊長・西川朋之2陸佐)及び第110教育大隊(大隊長・藤井鉄也2陸佐)の教育中隊が所在する大久保、豊川、大津、松山駐屯地で入隊式を行った。
 団長は、「慣れない団体生活・教育等で大変なことも多いと思うが、区隊長、班長を信じ、立ちはだかる壁を正面から乗り越えていってほしい」と訓示し、新制服に身を包んだ第13期陸曹候補生課程(男子)726名、自衛官候補生(女子)280名の新入隊員達は、緊張した面持ちで背筋をピンと伸ばして、今後の訓練に挑む決意を新たにしていた。
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7普連
 第7普通科連隊(連隊長・小野田宏樹1陸佐=福知山)は、4月6日「平成31年度自衛官候補生課程入隊式」を挙行した。
 多くの家族やご来賓が見守る中、紫紺色の制服に身を包んだ新入隊者90名が堂々と入場し、立派な自衛官になることを決意した。
 入隊者全員で宣誓文を読み上げたあと、代表の松田自候生が「1分1秒を大切に同期は一致団結し、互いに切磋琢磨して3カ月後にはこの教育課程を修了し、日本の平和を守る自衛官となれるよう、日々精進して参ります」と決意を述べた。
 家族は、気迫のこもった言葉、節度あるきびきびとした行動を目の当たりにして、わずか1週間で成長した我が子の姿に驚きと感動の表情を浮かべていた。
 小野田連隊長は、式辞で「多くの試練が待っているが、自衛官、人として必ず成長します。それぞれの人生にとって貴重な時間になることを期待したい」と激励した。
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高等工科学校
 4月7日、穏やかな春の陽射しのもと、陸上自衛隊高等工科学校(学校長・堀江祐一陸将補)は、小野塚陸上幕僚副長、原口神奈川県立横浜修悠館高等学校校長、上地横須賀市長及び吉田三浦市長をはじめとする多数の来賓の臨席の下、保護者等740名が見守る中、第65期生徒(346名)の入校式を挙行した。
 式典は、国歌斉唱に始まり、学校長による任命、申告と続き、その後、新入生代表・小山田和樹生徒(山梨県出身)の声に合わせて、全員が声高らかに服務の宣誓をした後、一人ひとりが順に自分の名前を呼称して、元気溌剌とした声が講堂内に響き渡った。初々しさの中にも力強さを感じた瞬間でもあった。
 学校長は式辞において「自衛隊員としての自覚を持つ」、「自ら目標を立て、そして、自ら学び取れ」及び「相手を思いやり、そして、友情を育め」の3点を要望した。また、陸上幕僚副長は、「目標を掲げ、それに向けて挑戦せよ」及び「バランスのとれた実力を養え」と要望し、新入生たちは真剣に耳を傾けていた。
 その後、学校長の代読で岩屋毅防衛大臣からのメッセージが披露され「多くの卒業生の活躍ぶりに直に接していること」や「先輩達と同様、将来の自衛隊を支えてもらうことを期待する」という言葉を一人ひとりが噛みしめていた。
 式の最後には、覚えたての高等工科学校校歌を斉唱して式を終えた。
 入校式後、グラウンドでは、生徒会長の第3学年山口生徒以下、上級生による歓迎パレード及びドリル演技の他、祝賀飛行が実施された。
 全ての行事が終了した新入生の表情は、家族との別れを惜しみながらも、新たな学校生活への決意に満ち溢れたものであった。高等工科学校入校というスタートラインに立った新入生346名の若桜たちの今後の活躍に期待したい。

ノーサイド
北原巖男
横積みの古本

「もう主人に古本を送ってこないでください。置くところもないし、本の重さで家がつぶれてしまいます!」
 彼の奥様にはこっぴどく怒られましてね、とチェーンスモーカーのその方は、いたずらっぽい表情を見せながら新しいタバコに火をつけました。奥様の悲鳴にも拘わらずこれからも読んでほしい古本は送り続ける、その方の信念には微塵の揺らぎもなさそうな気配を感じます。
 その後、彼とどのような古本授受共同作戦を展開しているかは不明。今のところ、奥様に気づかれることなく功を奏しているようです…。
 曰く、「古本を探し出す。読んでもらいたい人に贈る。私の楽しみなのです。要らなくなったら、自由に処分してもらえばいいんです」
 その方の部屋には、大きなガラス張りの本立てがあります。中には、セロハン紙のカバーがかかった古本の小山がいくつも横積みされています。
 「それぞれ行先が決まっている本たちです」この人にはこの本を、あの人にはこれを是非読んでもらいたいとの思いで求めた様々なジャンルの古本が、出番に備え即応態勢で控えているのです。
 自身、大の読書家。読むのも速い。そして、本の持つ無尽の力を通じた人材育成に力を注ぐ。尽くして求めず。この一徹な性格の持ち主は、約半世紀の間、毎週金曜日の午後の時間を東京神田の古書店巡りのために先取りし、全てのスケジュールに優先させて来ました。
 それだけではありません。古本を持ち帰るや否や、ある作業に没頭して来ていたのです。このことを知ったのは、つい最近、全くの偶然からでした。
 作業に欠かせない7種類の必需品。
 まず、「歯ブラシ」で本に着いたゴミやホコリを、表は勿論、各ページごとに綺麗に落として行きます。そして手垢などが付いた個所は、台所用品の「キッチンハイター」の威力に依存。薄く水に溶かし「ティシュ」で撫でるように丁寧に拭き取ります。本の帯や表紙などの破損個所は、「ピンセット」を器用に使い「和紙」と「和糊」で慎重に補修。和糊でなければ将来カビが生えてしまうとのこと。セロテープは変色するので絶対に使わない。そして手の油から本を守るため、「セロハン紙」で表紙にカバーをかける。これでようやく完成。
 新しい持ち主の元に向かうため横積みされた古本は、この手間暇かけた一連の作業を完璧に終えた本たちばかりだったのです。
 その方とのご縁に恵まれて以来、私の読書量も、有無を言わせず増えています。難しくて良く分からない本もあります。他方、内容に引き込まれ一気に読了することや新たな出会いや発見に興奮することも。今まで一顧だにしなかった事柄について、興味や関心を持ち始めた自分の変化にも驚きます。その方が考える私に必要な古本の魔術でしょうか。
 妻自身が、先取りして読みふけることも日常になっています。しかし、そんな妻も、我が家の極めて小さな「トリ小屋」が満杯になりつつある状況を縷々挙げて、私に圧力をかけます。
「いい?ちゃんとお話しするのよ。お断りする勇気がなければダメ」
「分かってる」
 そんなとき、電話です。
 「珍しい本を見つけましたよ!楽しみにしていてください!来週、お会いしましょう!」
 「はい。ありがとうございます!」
 妻が睨んでいます。

北原 巖男
(きたはらいわお)
元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


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