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   2007年3月1日号
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《12旅団》
山林火災に653隊員派遣
CH―47大型ヘリで空中消火活動
大型バケットをヘリに素早く装着
ダムの水を取水
 第12旅団(旅団長・長谷部洋一将補)と第6地対艦ミサイル連隊(連隊長・三宅優1佐)は、2月5日から8日までの間、栃木県宇都宮市で発生した山林火災に対し、延べ人員653名、車両35両、航空機25機をもって災害派遣を実施した。
 この災害は、5日早朝、宇都宮市古賀志町にある御岳山西側付近から出火が確認された山林火災で、同日13時12分、栃木県知事からの災害派遣要請を、第6地対艦ミサイル連隊長が受理した。旅団は速やかに、第6地対艦ミサイル連隊を支援するため第12ヘリコプター隊(隊長・荒関和人1佐)の航空機を現地に派遣。航空偵察を実施し、要請受理から約1時間半後にはCH―47による空中消火活動を開始した。
 火災現場は、御岳山から赤岩山頂に連なる稜線付近で、急峻かつ岩場の多い地形のため地上からの消火活動が困難であり、大型バケットを使用しての空中消火活動が中心となった。
 焼失面積は約7ヘクタールだったが、岩場の陰など、ヘリコプターからの散水が届きにくい場所があり消火活動は難航した。空中消火活動は、火災現場から東に約2キロにある宇都宮市森林公園内の赤川ダムから取水し、効率よく散水を行った。
 4日間にわたる消火活動で378回、約1984・5トンに及ぶ空中散水を行い、12旅団としては過去最大規模の散水量となった。
 また、地上の活動では7日と8日に、第6地対艦ミサイル連隊の隊員が空中消火活動の合間を見て、消防署員と共に地上偵察を行い、被害状況を確認するとともに、ジェットシューターを使用して消火活動を実施した。
 災害派遣要請から4日後の8日には、ほぼ鎮火状態になり消火活動を終了。同日17時45分に、栃木県知事からの撤収要請を受理して、災害派遣は終了した。

冬季ヘリボン攻撃を演練
《2普連、30普連》
スキー機動やアキオ曳行も
酷寒の山中を一人の落伍者もなくスキー行進する2普連隊員
 第2普通科連隊(連隊長・蛯谷久祐1佐)は1月29日から31日の間、関山演習場で、第2中隊及び本部管理中隊補給小隊・衛生小隊に対し、積雪寒冷地での基礎となる部隊の冬季訓練検閲を行った。状況開始後、受閲部隊は高低差180m、約20kmの起伏の激しいコースでスキー行進を実施し、1名の落伍者もなく行進を完了。その後、第2中隊は、1コ小隊規模のヘリボン攻撃を含む、連隊第一線中隊の攻撃における一連の行動を、補給小隊・衛生各小隊は連隊段列の行動を受閲した。連隊は検閲を通じ、積雪寒冷地における部隊の練度を把握し、今後の練成事項を確認した。
 また、第30普通科連隊(連隊長・出口憲七1佐)は1月29日から2月5日の間、関山演習場で連隊積雪地練成訓練を実施した。
 中隊共通訓練として、アキオ曳行を含む15kmのスキー機動及び宿営と積雪寒冷地における基礎的戦闘行動を演習した。特に、今年度冬季訓練検閲を受閲する第2中隊は、第12ヘリコプター隊と協同訓練を行ない、中隊規模のヘリボンを実施した。

職場体験学習を支援
《国分駐屯地》
 第12普通科連隊(連隊長・高橋正州1佐)広報室は1月31日、鹿児島県立蒲生高等学校の職場体験学習を支援した。
 今回の職場体験学習は、隊内や記念館の見学を通し自衛隊の活動について理解を深めるため、1年生28人の生徒が駐屯地を訪れた。
 午前11時に到着した生徒達は広報室員の案内で戦車などを見学、よほど興味があったのか戦車の砲にぶら下がったり、車体上部に全員で乗ったりと笑顔で展示物に触れていた。
 また、記念館では自衛隊が発足してから現在に至るまでの様々な活動を、記念館館長の案内や展示物により生徒達はより一層理解を深めた様子だった。

12旅団で初飛行訓練
―3機種、11機参加―
初飛行へ向け、離陸するCH―47
 第12旅団(旅団長・長谷部洋一将補)は1月10日、「平成19年初飛行訓練」を実施し、第12ヘリコプター隊(隊長・荒関和人1佐)のヘリコプター3機種(OH―6×3、UH―60×3、CH―47×5)、11機が青空の中、編隊飛行を行った。
 編隊飛行は約1時間、群馬県内上空を飛行。その際、長谷部旅団長がUH―60・1機に搭乗し、編隊飛行を視察、機上から、旅団隊員へ年頭の辞を述べた。旅団長は年頭の辞の中で「旅団は陸上自衛隊で唯一の『空中機動性を高めた旅団』として創隊6年目を迎え、着実にその実力を涵養しているものと認識している。防衛省が発足し、自衛隊に対する国民の関心がますます高まる中、我々第12旅団に求められているのは空中機動性を高めた旅団として平素から即応態勢を確立し、いかなる任務にも即応しうる精強性である。このため、本職の要望事項である『武力集団の原点の再認識』を念頭に、真の実力ある精強な第12旅団として国民から信頼されるよう、隊員諸官とともに日々精進努力する」と今年1年の意気込みを誓った。

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