|
防医大・防大1次試験を実施 |
「絶対合格」の決意を胸に |
全国一斉、難関に挑戦 |
|
防衛医科大学校医学科第32期学生採用1次試験が11月5、6の両日に、防衛大学校本科第54期学生採用1次試験が11月12、13の両日にそれぞれ全国で一斉に実施された。
福井地連
福井地連(部長・千田建一1海佐)は11月12、13の両日、防大採用試験を福井市民福祉会館で実施した。95名が県内各地から集まり、難関に挑んだ。
福井県は東西に細長い県であり、嶺南地域から来た受験生は往復に数時間かかってしまうにもかかわらず、受付の30分以上も前から会場に入るなど緊張している様子だった。
今年の特徴として、前日に全国統一の模擬試験が実施されたことが影響して、志願者数が減少したが、防大を目指す真面目な志願者が受験したことで理解も強く、各受験者の意識も高かった。ほとんどの受験生が試験終了時刻まで、中途退出せず、静ひつな雰囲気が会場内に充満していた。試験終了後、ある受験生は「過去のどの問題よりも難しかった」と感想を述べた。
福井地連は「今日の受験生の真摯な姿に感銘を受けた。今後も優秀な人材が自衛官を目指してくれるよう積極的に募集業務に努力していく」としている。
千葉地連
千葉地連(部長・山本克彦1海佐)は日本大学生産工学部実籾校舎(習志野市)で防医大と防大の試験を行った。防医大採用試験には154名(うち女子39名)、防大採用試験には149名(うち女子が23名)がそれぞれ受験した。
二日間にわたり択一式と記述式の難問に挑んだ受験生の表情は最後までやり遂げた達成感が漂っていた。試験終了後、受験生たちは「精一杯頑張りました」。「やることはやりました。絶対合格したいです」と語り、志願する意志の強さが伺えた。
千葉地連では「受験者の一層の確保を主眼として、学校広報と新規開拓校の推進に努めている。近年、新規開拓校の高校からの受験生も増えた」としている。
群馬地連
群馬地連(部長・深澤雅貴事務官)は、前橋市内で試験を実施し、防医大には30名(うち女子4名)、防大には58名(うち女子14名)が受験した。試験会場では、受験生から「絶対合格するぞ!」という意気込みが感じられ、最後まで真剣に問題に取り組んでいる姿が見られた(=写真)。
試験終了後、受験生は「世の中で人のためになる仕事がしたい。自衛隊に入れば医師として自衛官として社会に二重に貢献できる」「これからの時代に国際活動を行い、人々の役に立てる自衛隊だと思い受験しました。ぜひ合格したい」などと力強く語った。
群馬地連では「高校生や予備校生を中心に学校などに赴き、積極的に受験説明会を実施している。難関に挑んだ受験生の中から一人でも多くの合格者を出し、将来の自衛隊担う隊員に育って欲しい」としている。
京都地連
京都地連(部長・福田敏1陸佐)では、京都地連本部を試験管理室兼試験会場としたほか、大久保駐屯地、福知山駐屯地の試験会場計3ヶ所で行われた。受験生149名が防医大を受験した。試験管理に万全を期すため、事前調整会議の段階から相互の意思の疎通を図っていた京都地連の関係者は「試験業務が整斉と実施でき、準備の甲斐があった。我々は管理者ではあるが、受験者の熱心な受験態度を見ていると、一人でも多くの1次合格者が出て欲しい」と語った。
また、防大試験を京都地連本部、大久保駐屯地、舞鶴地方総監部の府内3会場で実施し、132名が受験した。試験初日は、択一式と英語の記述式試験が行われ、受験生は一般大学と比べても難易度が高いといわれる試験問題と格闘した。2日目は今年一番の冷え込みとなったが、試験会場内は受験生の熱気に包まれた。記述式国語、数学、理科または社会科の試験が行われた。
静岡地連
静岡地連(部長・池川昭司1空佐)は東部・中部・西部の3ヶ所に試験会場を設けた。防医大受験者は昨年に比べ26名増の73名(うち女子17名)、防大受験者は74名増の239名(理工学133名、人文・社会科学106名)と昨年度を上回った。受験生は、試験終了までそれぞれの決意を胸に真剣な眼差しで難問に取り組んだ。終了後、受験生は「思っていたより難しかったが、精一杯やりました。あとは朗報を待つだけです」と語った。 |
|
訓練公開で自衛隊広報 |
<山口地連> |
|
山口地連(部長・吉松卓夫1空佐)は11月11日、防府北基地に所在する空自第12飛行教育団(司令・吉川勝三1空佐)と陸自第13飛行隊の支援のもと、報道関係者に訓練を公開した。
この訓練公開は本年度から、山口地連が県内の7基地に所在する主要8個部隊の協力を得て開催しており、報道を通じて自衛隊の現状と基地などの役割や自衛隊の姿を県民に理解してもらうことが目的で行われた。公開した部隊は陸自第17普連と海自小月教育航空群で、防府北基地に所在する2個部隊が訓練公開を担当した。
午前中は第12飛行教育団が担当し、基地の概要説明の後に航空学生と教官の飛行前ブリーフィング見学、T-7シミュレーター体験(=写真)、航空機見学、空自航空学生の教育訓練状況などを見学した。
午後は、同基地内の防府分屯地に所在する陸自第13飛行隊の概況説明のあと、降りしきる雨の中、UH-1による災害派遣訓練展示(空中消火活動、ホイストによる人員救助活動)の見学、UH-1の体験搭乗、各種装備品の展示説明などが実施された。
山口地連では、今後も県内各基地と連携し、地域の特性に応じた効果的で組織的な広報を計画していきたいとしている。 |
|
肌で感じる総合学習 |
<旭川地連> |
|
旭川地連(部長・小森宏1陸佐)は10月27日、旭川明成高校の1年生15名に対して総合的な学習の時間における職場体験を支援した。
旭川駐屯地を訪れた生徒たちは、まず第2後方支援連隊の衛生隊から救急救命法の教育を受け、ダミーを使った心臓マッサージの実習を行った。当初、照れ気味の生徒たちだったが、担当の衛生隊員から「人形ではなく、家族の人だと思って」とアドバイスを受けると真剣な表情に変わって取り組んだ。その後、行われた基本教練では、生徒たちは当初回れ右と右向け右の区別がつかず、あらぬ方向に向いてしまうといったハプニングもあった。
隊員食堂で自衛隊の食事を体験し、午後からは北鎮記念館を見学した。この記念館は、旭川を開拓した屯田兵ゆかりの品や旧日本陸軍第7師団に関する貴重な資料が数多く所蔵されており、生徒たちは自分たちが暮らす街の生い立ちや、軍都として国防に大きな役割を果たしてきた歴史を知り、感銘を受けた様子だった。 |
|
シリーズ イラク派遣を終えて |
空自第3補給処保管部 2空佐 流石享 |
|
現在(平成16年3月3日〜17年10月30日)までのC−130型輸送機によるイラクへの輸送回数は213回、輸送物資重量は297,1トン。先遣隊員や第1期派遣要員からのご尽力の御陰でトイレは水洗式になり、洗濯機や乾燥機に加えて部屋にはエアコンが入り大変恵まれた環境となりました。現在、第7期派遣要員が新しい環境の中で活躍しています。
私は第6期イラク復興支援派遣輸送航空隊において補給員として4月中旬〜8月下旬までの約4カ月間、クウェートのアリ アル・サレムで勤務しました。
現地での補給業務としては派遣輸送隊で必要とされる生活物品及び航空機整備で必要な部品の補給、クウェート軍・米軍との補給上の手続き等活動範囲は極めて広く、隊員の被服等の払い出しや事務用消耗品の調達など、生活や仕事に必要な品物を揃える雑用係です。
クウェートは輸入品に頼っている国のため、日本で普通に買えるものがクウェートにおいては流通していないものが多く、現地調達は大変でした。また、洗濯機などの電化製品などは粒子が細かい砂漠地帯において故障することが多く、隊員の方々の生活環境に支障を来たすことに繋がるため、稼動状態など頻繁に気を配っていました(特に砂嵐の去ったあとなど)。
食事については、クウェートの日本人シェフによる料理は和食あり、洋食あり、特に日本食(白米ご飯・味噌汁・漬物・納豆など)を食べられますので、異国にいる事を忘れてしまいそうです。ただし、イスラム教の国のため豚肉とお酒は禁止されています。
私の派遣期間中、米軍ロック地区ゲート周辺で「Early Bird 5km Run」というマラソンが行われました。スタートは朝5時(日中は最高気温が50℃にもなるため)、走行距離は5km。レースは性別、年齢により12のクラスに分かれており、各クラス上位3名までオリジナルTシャツをもらえます。私もゲットすることができました。あと、ミッドナイトランがあり、何故かスタート時間が真夜中の23時59分です。これらのレースには、米軍の方々がタイムにはあまりこだわらずイベント的に参加しており、また、同じ基地に駐留しています韓国軍も参加しますので国際交流も楽しめます。
約4カ月間、遠く離れた中東の地で最高の指揮官、上司及び津々浦々から集う約200名の隊員と共同生活をし、お互いの人格を尊重し合い、信頼し合って無事に任務を遂行することができました。
最後に派遣輸送航空隊に対しご支援して頂きました関係部署の方々に対し深く御礼申し上げますとともに、職場の方々におかれましては業務多忙の中、送り出して頂いたことにこの場をかりて感謝の気持ちをお伝えします。
今回、イラク復興支援に参加して、自分がどれだけ貢献できたかどうか分かりませんが、イラクの1日も早い復興と子供たちが夢を持てる国になることを祈りつつ、私の貴重な体験談とさせていただきます。 |
|
10面へ |