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   2005年2月15日号
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陸・海・空 自衛隊生徒採用
1次試験
総合学習、効果じわり 雪・天候対策にも奮闘
目標は「絶対に合格」
 全国の地連で1月15日、自衛隊生徒採用1次試験がいっせいに実施された。午前に国語、社会、理科が、午後に英語、数学、作文が試験された。自衛隊の活躍に注目が集まるなかで、各地連の手ごたえは?
<青森地連>
(部長・西野哲1空佐)では県内6ヵ所の会場で自衛隊生徒採用1次試験を実施した。
 昨年は234名の受験者だったのに対し、今年度は254名の受験者となり、青森地連としては20名の増加となった。2年連続の受験者増となる。
 志願者に対する実際の受験者の割合(受験率)は、94・4%だった。また、自衛隊生徒は男子のみの採用だが、今年度は女子中学生からの問い合わせも数件あった。
 試験数日前より青森県内では近年まれにみる豪雪が続いており、当初交通機関の遅れも心配されていたが、特に大きなトラブルもなく無事日程を終了した。
<茨城地連>
(部長・1陸佐)は県内の3会場で試験を実施。
 毎日のように報道される自衛隊の活躍を見て、「大切なものを守りたい」と88名が難関に挑戦した。熱心に筆記試験、作文に取り組み、試験会場は終始、静けさの中に鉛筆の音が鳴り響いた。
<群馬地連>
(部長・大家洋介1陸佐)は、太田市、前橋市、および沼田市の3会場で生徒採用1次試験を実施した。 受験者は66名(陸自52名、海自5名、空自9名)で、この中には高校1年生3名が、最後の挑戦とばかりに1次試験にチャレンジしていた。
 地連では「総合的な学習の時間」の参加校・50校以上を目標に、積極的に取り組んでおり、今年度も新規参加校が着実に増えている。総合学習を通し、自らの目で「自衛隊」をとらえ、体験したことが、「自衛隊受験に挑戦しよう」という動機づけになったと語る受験生もいた。
 試験には、時間一杯まで全員が真剣に取り組んだ。終了後、2度目の受験となる受験者に志望動機を聞いてみると、「高校に進学したが、毎日なんとなく過ごしてしまい、生意気ですがもっと意味のある生活がしたいと思い、今回再トライしました。」と語っていた。群馬地連では、多くの受験者が2次試験に進む夢を願っているとしている。
<新潟地連>
(部長・中野陽一郎1陸佐)は生徒採用1次試験を県内5会場で実施した。昨年の災害の影響か、例年に比し志願者が53名に減少したが、受験者は51名と96%以上の受験率だった。
 マークシートによる学科試験と作文で狭き門の突破を目指した受験者たちは、試験が始まるまで参考書を手に最終チェックをする者、体を動かしリラックスする者など様々であった。試験開始で全員落ちつき、真剣な表情で黙々と臨んでいた。
 受験者たちは、「絶対に合格したい」「自信はあります」と意気込みに満ち溢れていた。
<神奈川地連>
(部長・山口康彦1海佐)は、1次試験を地連本部会場と横須賀教育隊会場で実施し、80数名の受験者が熱心に試験に取り組んだ。
 当日の天気予報では積雪による交通麻痺が予測されていた。このため募集課と各募集事務所は、交通機関の麻痺に備えて横浜駅西口に案内の要員を配置し、万全を期することになった。予報どおり朝からみぞれ混じりの悪天候だったが、次々に集まってくる受験者に対して、案内の要員が適切に指示をし、地連本部会場に誘導した。また、交通麻痺に備えて配置したマイクロバスで横浜駅西口から本部会場まで送迎を実施した結果、1名の遅刻者を出すことなく試験を実施できた。
 横浜駅まで受験生を連れてきた父兄は「天候が悪いため、試験の開始に間に合うか心配していましたが、地連の方の案内と送迎で、余裕をもって試験に臨むことができました」と感謝していた。
 横浜市内に住む募集課・池野2曹は、雨の中で午前6時半から横浜駅西口の天理ビル前に立ち受験者の受付と案内を行うなど、警務科職務としての経歴を遺憾なく発揮した。大都市横浜の交通事情は、バス路線を主体にしているため、雪などの自然災害に弱く、気象状況に応じた受験対応が必須。神奈川地連は受験者の便宜を第一と考えて試験会場の改善に取り組んでいるが、特に交通の便の良い試験会場の確保が当面の課題となっている。
<秋田地連>
(部長・吉田則之1陸佐)全国統一の第1次試験を管内3ヵ所の試験場(秋田・鷹巣・大曲)で実施した。
 受験者は今春の中学卒業予定者等で、33人が難関に挑んだ。
 受付を済ませた後、開始直前まで参考書を書いて、互いに問題を出し合って勉強をしている受験なども見受けられた。また、ほとんどの受験者が試験終了まで真剣になって解答に取り組んでおり、合格への強い意気込みが感じられた。

<地連東西南北>
イラクでの活動を紹介
<富山地連>
 富山地連(部長・篠原幸吉1陸佐)ではこのほど、市内商工会議所で富山法人会の要請により「イラク人道復興支援」の部外講話を実施した。
 富山市法人会は富山市中心部の企業経営者等で構成される。イラクでの自衛隊の活動は、マスコミ報道などで知る程度で、当日約70名の参加者は、興味深く講話を聴いていた。
 国際社会の一員としての責務、日米同盟関係の強化や中東地域の安定化への直接的貢献など。様々な点から自衛隊の活動を理解し、イラクでの自衛隊の活動や派遣延長問題に関心が高まった。「経済活動だけでなくあらゆる活動を通じ、自衛隊を支援していきたい」と参加者は述べていた。
和歌山、安保会議に沸く「防衛シンポジウム」初開催
 和歌山地連(部長・柳生美樹夫事務官)では、このほど和歌山県民文化会館で「防衛庁・自衛隊50周年和歌山防衛シンポジウム」を初開催した。大きな部隊が所在せず、自衛隊と接する機会の少ない和歌山県民に、我が国の安全事情に関心を高めてもらうことが目的。
 「安全保障政策と国際貢献」をテーマに拓殖大学国際開発学部・森本敏教授、政治ジャーナリストの仮野忠男氏、和歌山県選出国会議員・谷本龍哉衆議院、世耕弘成参議員、中部方面総監部幕僚副長・柴田幹雄陸将補、第2次イラク復興支援派遣隊員・泉英夫1陸尉を迎え、活発な討論が交わされた。当日は、400人収容のホールがほぼ埋まる盛況ぶりで、参加者は終始熱心に聴き入っていた 
 シンポジウムでは、まず泉1尉がイラクでの復興支援状況を、プロジェクターを使い、時にはユーモアも交えて説明。和歌山出身の泉1尉に親近感を覚えた観衆は熱心に聴き入っていた。
 森本教授の基調講演、問題提起、続く討論でコーディネーターの仮野氏が、たくみに出演者の意見を引き出し、意見が交わされた。
 イラクの派遣に関して、泉1尉が現地での体験を基に「後方支援だけでなく、世界で通用する国際貢献を実施できるようにすることが必要」と述べた。また、法整備に関して世耕議員から、「政治生命を賭けてでも、隊員の行動は守ります」と発言があり,会場からは大きな拍手があがった。
 討論後、一般者からの質疑応答では、柴田陸将補の力強い発言に期待と安心を込めた大きな拍手が沸き上がった。
 来場者は終始熱心に聴き入り、防衛問題への興味がうかがわれ、出演者反響の大きさに感心していた。
 「イラクでの苦労等が実感できた」「非常にわかりやすい話でよく理解できた」これからも続けてもらいたい」などの感想が寄せられ、地連としては、県民の防衛理解が多いに向上したとして、継続的な開催に意欲を見せている。

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