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   2005年1月1日号
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<寄せ書き>
おめでとう 新成人
年男の抱負
頼られる自分に
3普連戦車中隊 陸士長 大山 祐希
 肩書きは成人者であっても中身が伴わなければ意味がないと思います。今までの私は、ちょっとした事を自分でやろうとせず、親や人に頼ってばかりで、自立していませんでした。まずはこれを改善していく必要があると思います。
 これからは、成人者になることを自分に言い聞かせ、自立して、一人でやるという気持ちと努力を心掛けていきたいと思います。そして自分の負けず嫌いな性格を生かして、一人でできなければ自分の負けだと心に決め、人に頼っていた自分から頼られる自分になり、立派な大人になりたいです。最後に、この作文を書いて少し成人に近づいた実感が湧いてきました。
年男を迎えて
名寄駐屯地業務隊 2陸尉 福田 成人
 月日の過ぎるのは本当に早いものだと痛感しているところであり、また人生の95%は失敗と挫折だと言われます。人生80年と考えると今は半ばですが残りの人生もまた95%が失敗と挫折の人生かと考えると何となく虚しく思う次第であります。
 しかしながら現状に甘え生きていくのも人生、何か自分なりの生き方を模索し悔いのないものにするのも人生、私は後者の自分なりの生き方を模索し悔いのないものにしたいと考えました。そこで、現職務が援護センター室長と言うことを踏まえ、まず第一に人生計画をしっかりと見直すことになりました。
 幹部としての資質の涵養と向上に努める事、自学研鑚による能力の向上を図る事、そして最大の当面の目標は、援護センター室長として駐屯地退職予定者(援護希望者)の100%援護を達成させる。また、健康面においては2年前は70キロの体重が現在は6キロの増加、腹を見るたびに太ったなと感じます。そして、体力の低下「肥満は不健康」自己管理をしっかりする事等を人生計画にしっかりと記入し実行していくことを抱負とします。
光り輝く年に
3普連3中隊 2陸曹 佐々木宏樹
 自衛隊に入って、2回目の年男である。がむしゃらに演習や訓練に取り組み、失敗ばかりしていた僕も1コ班を指揮する立場になり、もう来月で36歳になる。自衛隊も僕が入隊したときと様々な面ですっかり変わった。「これから何をしようか?」と迷うことや不安にかられる時がある。若い時にはなかったことだ。
 これからの目標として、この変化の激しい世の中をどう生きて判断するか。そして、自衛隊にいる間に自分が活躍した証をどんな形でのこしていくか。それが僕の今年の目標である。
 21世紀になって5年が経った。国が不景気とか災害で嘆き、世界では戦争やテロと多くの人々が亡くなっている。昔、描いていた未来とは違う物となってしまった。降り積もる雪のようにいつまでも白く清らかに、朝日の光のような力強さと明るさとともに今年は良い年になって欲しい。
折り返し地点
3普連2中隊 2陸曹 滝ヶ平 誠
 学生時代にブラスバンド部をしていた私はそれを活かそうと熱望して入隊しました。体育系は全くしていなく新教の頃は辛かったですが、音楽をしたいという目標を強く思い乗り越えることが出来ました。
 今では、PRと地域住民との交流に「音は人と人との架け橋」をモットーに頑張っています。幼い頃から得意な料理もここでは糧食班、最近では野外炊事に活かしています。後継者を沢山増やし育成するとともに、「おふくろの味」を目指し、みんなが美味しいと言ってくれる料理を作って行きたいです。また、事務室では人事係をしていますが、体に無理をせず隊員には家族のように親身に幸せのため頑張ります。残り十数年ありますが、自分のペースを崩すことなく家庭を大切にし頑張ります。

身分証明書に入れている写真
妻から息子へ
第104特科大隊第1中隊 3陸曹 我謝 良彦
 結婚して1年半、これまで私の身分証明書の中には美しい妻の写真があった。しかし、身分証明書の写真は美しい妻から今年の2月に生まれた可愛い息子へと入れ替わった。
 演習や勤務などで息子に逢えないとき、懐から身分証を取り出し、愛する息子「良暉」の写真を手にする。その愛らしい笑顔に励まされ、疲労回復、元気百倍、思いっきり仕事に打ち込むことが出来る。
 早く大きくなって歩けるようになり、話が出来るようになるといいなあと思う気持ちと、可愛いから今のままでいいかなあと思う気持ちと…。
 これから、息子の写真も月日が過ぎ、幼稚園、小学校と成長する度に替わって行くだろうが、一人前の大人となり、酒を飲める日が来て、美しい女性と結婚し、子供が出来て、写真も息子から孫へと替わってゆくだろう。なんて、そんな将来の自分を想像しながら幸せな親バカな奴と思って今日も頑張ります。
〈このコーナーの写真と文を募集しております(編集部)〉

「頑張っています」 新しい職場
活躍するOB シリーズ
(株)名寄振興公杜なよろ健康の森 武士 博
平成13年7月、第2特科連隊第2大隊を准陸尉で定年退職。54歳
 平成13年7月に第2特科連隊(旭川)を最後に定年退官致しました。再就職につきましては、駐屯地援護センターのお世話により、(株)名寄振興公社なよろ健康の森に管理人として勤務させて頂くことになりました。
 定年を迎える前に研修をさせて頂きましたことで、ある程度仕事に早く慣れたことが、いま考えれば良かったと思っています。
 勤務要領は交替制で施設の管理維持運営等に携わっています。施設は陸上競技場、パークゴルフ場、市民農園、クロスカントリスキーなどです。年間を通しまして多くの人々が利用しています。
 就職してみて、いろいろと覚えることが多くありました。特に、体力以上に、お客様との対応に苦労しました。いままでの職場においては、自衛隊以外の方々とはほとんど付き合いが無かったと言っても過言ではありません。
 また、OBの方が一緒に勤務をしていますので、いろいろと指導して頂きながら教えてもらっています。その意味からも恵まれていると思います。
 これから定年を迎え就職を希望される人は、まず、多くの趣味を持つこと、また、多くの友人を作ることも大事で年齢、職業に関係なく幅ひろく持つ必要があると思います。そのことは、新しい職場に溶け込むのに武器になるような気がします。そして、第二の人生と思わず、引き続き第一線で頑張るという気持が必要だと思います。腰掛け的な考え方では、就職した会社に対して失礼にあたると思います。
 自衛隊は、最後までいろいろな面について、いきすぎるくらい親身になってくれますから、知らない間にあたりまえのような気になってしまうと思います。新たな気持を持って、就職した部署において何事にも前向きで精一杯努力して下さい。最善を尽くして頑張る事が会社からの信頼を得ることにつながります。そして会社の期待に応えることによって、自らも自信を持てるようになると思います。
 体が健康であるということも大切です。これからの素晴らしい人生に向かって歩んで下さい。

自衛官のための座禅入門
井上暉堂
 (前号からつづき)
 自分の生死の問題の関門の問題をみなさん、どう乗り越えていきますか? こういう禅問答がございます。答えは真実解脱の境界に到達できるかどうかなのです。お葬式で死者にぶつかるときがありますね。そういう時に家族の人が泣きわめいて悲しんでいます。その姿を見て気の毒と思いますけどどうしてあげようもありません。皆さんが泣き叫びます。主人をなくした。奥さまを亡くした。あるいは子供を失った。と。そういう時に棺桶に抱きついて泣き叫びます。しかし、いかに泣こうとも生というものが蘇ってくるわけではありません。
 さあその時どうしますか? 皆さんだったらどういう風にそこを通り抜けていきますか? これが修行の原点なのです。どんな人であっても避けては通れません。いつかは最愛の妻子とも別れなきゃなりません。主人ともわかれなきゃなりません。何より自分がいつかは死んでしまいます。その時どう死を乗り越えますか? お互いが元気で幸せな生活をしている間はそんなことは考えません。ひとたび病に倒れて再び立つことができない。
 どんなに健康な人であろうとどんなに立派な人であろうと、貧富を問わないでいつかはこの局面にぶつかるわけです。ましてみなさんは自衛官、国を守る任務の方達ですから、不借身命(ふしゃくしんみょう)をもしもの時できますか?という問いに置き換えていただければと思います。どんなに強がりをいっても死は恐ろしいものです。
 そのためには、身心脱落(しんじんだつらく)を自分で体験しなければなりません。そして脱落した身心で生きることです。身心脱落、脱落身心。そういう境地を会得するために禅、武士道があるわけなのです。よく、あの、宮本武蔵も忠臣蔵で有名な大石内蔵助も日常務めて坐禅を組んだものです。「われ、団命根せずんばこの場を立たず」と命の根を断ち切らない限りは納得しないぞ…というような意味でしょう。どうかみなさん、ゆっくりとこの言葉をあじわってください。
 最後に蛇足ながら、古人の歌をひとつ。
 生死事大逃れはないぞ諸人よ昨日の夢は今日も醒めねば…

〈シリーズ3〉
 坐禅の具体的方法を説明しましょう。先ず、調身といって体を整えていきます。坐り方には、結跏(けっか)趺坐(ふざ)といって尻を尻あて(座布団を2つに折ったものでよい)にのせて、右足を左腿(もも)の上に置いて、左足を右腿の上に置きます。足の上下は逆でも構いません。この坐法が本来のものです。
 次に半跏趺坐といいまして、ただ左足を右腿の上に置くだけでよいのです。これも足の上下は逆でも構いませんが、下の足をなるべく深くいれて、上の膝が浮かないようにするのです。
 3つ目は正坐ですが、女性の方は正坐でも構いません。この場合、尻あてを縦にされて両足で挟むようにすると楽に坐れます。
 次に手をおさめます。正式の法界定印(ほっかいじょういん)は右手の上に左手を載せられて、親指の先を軽く合わせます。しかし、禅では古来より右手の四指を左手で挟んで、左手の親指を右手で挟む形で坐ることが多いのです。このどちらを取るにしても、手を下腹にきちんと付けて坐ることが肝要であります。
 手をおさめたら次に背筋首筋をスッとに伸ばして、腰を軽く前に突き出すようにして上体を真っ直ぐに立てます。この時、体が大地に対して垂直になるようにして、上下左右に傾いてはなりません。そして顎をだしたり、またうつむきすぎたりしないように首筋を伸ばして、軽く顎を引きます。この正しい姿勢のまま肩や胸、そして胃などから力を抜きます。
 そのうえで坐禅中の呼吸は鼻で行うのです。唇と歯は閉じられて、舌を上顎に付けます。坐禅中は眼を閉じてはなりません。前方50センチから1メートルのあたりに、視線を自然に落としていきます。これを半眼(半分眼を閉じる)といいます。
 初心の間は足や腰が痛くてなかなか正しい姿勢で坐られませんが、ここで安易に我流のだらしない坐相をとりますと、後々かえって苦労することになります。心身一如、体が曲がれば心も曲がってしまい、深い禅定や三昧境には入りにくくなります。(次号につづく)


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