防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   982号 (2018年7月1日発行)
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読史随感
<第8回>
豊かな江戸時代
神田 淳
 渡辺京二の名著『逝きし世の面影』に、古き良き日本が描かれている。それは江戸時代に来日し、日本に住んだ数多くの外国人が残した膨大な観察記録から、今は失われた江戸期の日本文明を浮きぼりにした著である。本書の随所に江戸時代の日本の民衆が豊かだったとの観察が記されている。
 アメリカ初代駐日領事ハリス(在日1856-1862)は日記に記す。「それでも人々は楽しく暮らしており、食べたいだけは食べ、着物にも困っていない。それに家屋は清潔で、日当たりもよくて気持ちがよい。世界のいかなる地方においても、労働者の社会で下田におけるよりもよい生活を送っているところはあるまい」。
 イギリス初代駐日公使オールコック(在日1859-1864)は著書『大君の都』で小田原近辺の様子を書く。「封建領主の圧政的な支配や全労働者階級が苦労し呻吟させられている抑圧については、かねてから多くのことを聞いている。だが、これらのよく耕作された………、非常な豊かさのなかで所帯を営んでいる幸福で満ち足りた暮らし向きのよさそうな住民を見ていると、これが圧制に苦しみ、苛酷な税金を取り立てられて窮乏している土地だとはとても信じがたい。むしろ反対に、ヨーロッパにはこんなに幸福で暮らし向きのよい農民はいないし、………」。
 イギリスの旅行家イザベラ・バードは、1878年『日本奥地紀行』に米沢平野の豊かさを記す。「米沢平野は南に繁栄する米沢の町、北は人で賑わう赤湯温泉をひかえて、全くエデンの園だ。………米、綿、トウモロコシ、煙草、麻、藍、豆類、茄子、くるみ、瓜、胡瓜、柿、杏、柘榴が豊富に栽培されている。繁栄し自信に満ち、田畑のすべてがそれを耕作する人びとに属する稔り多きほほえみの地、アジアのアルカディアなのだ。………いたるところに繁栄した美しい村々がある………」。
 バードが旅行した1878年はすでに明治時代(明治11年)となっていたが、このような米沢の豊かさは明治になって生まれたのではない。
 ほんの三例だけ挙げたが、このような観察から、われわれが学校で教わった江戸時代………苛酷な封建制度のもと、「百姓は生かさぬよう、殺さぬよう」といった重税に苦しむ、貧しい時代………と全く異なる民衆の豊かな生活が浮きぼりにされる。
 近年は見直しが進んでいるようだが、従来の歴史記述は、明治日本が江戸の幕藩体制を否定して生まれたことと、日本の歴史家がマルクス主義史観の影響下にあって、江戸時代を前近代の遅れた封建社会とみなす強い傾向にあったことから、この時代を必要以上に暗い、遅れた時代だと記述してきたのではなかろうか。
 1904年から35年日本に滞在し、名著『日本文化史』を著したイギリス人ジョージ・サンソムは、ペリー来航以前の幕末期を、「当時の日本は上手に統治された国家で、過去の諸経験に徴して一歩に踏み切ることができるほど成熟した状況になっていた。江戸時代の歴史は国民生活のほとんどあらゆる面での真に見事な発展ぶりを示している。それはまことに偉大なる達成であった」と総括している。江戸時代の的確な評価ではなかろうか。
(2018年6月25日)
神田 淳(かんだすなお)高知工科大学客員教授
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。

静岡ホビーショーを支援
 第34普通科連隊(連隊長・山之内竜二1陸佐=板妻)は5月12日から13日、静岡市のツインメッセ静岡において行われた「静岡ホビーショー」を支援し本イベントの盛況に貢献した。
 本行事はプラモデル、ラジコン、鉄道模型等、国内の模型メーカーが一堂に会し、毎年7万人以上の来場者が集まるビッグイベントであり、本イベントに重迫撃砲中隊の隊員8名をもってオートバイ、高機動車及び軽装甲機動車の展示を行うとともに、駐屯地キャラクター「軽装甲機動戦士イタヅマン」も応援に駆けつけて会場を盛り上げた。
 連休とあって会場には連日大勢の来場者が訪れ、自衛隊展示コーナーにはイタヅマンと握手をしたり、車両に乗って記念撮影をする親子連れが賑わって大盛況であった。

創立記念行事
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上富良野
 上富良野駐屯地(司令・神園雄一1陸佐)は6月3日、「63年の絆〜地域と共に未来へ」をテーマに駐屯地創立63周年記念行事を実施し、約3600名の来場者が駐屯地を訪れた。
 当日は、富良野地方自衛隊協力会会長の向山富夫上富良野町長、国会議員、北海道議会議員、富良野沿線各市町村長をはじめ、自衛隊協力諸団体、歴代駐屯地司令・部隊長等、多数の参列を得た。
 記念式典において、神園司令は「国内には自衛隊の基地を抱えた自治体はあまたと存在しますが、駐屯地と地域がこれほど強い絆で結ばれたところは無い」と述べるとともに、「地域の皆様との絆は、我々駐屯地隊員の誇りであり、また大いなる財産でもあります。この素晴らしい財産を継承し更に発展させるべく、地域の皆様から一層信頼され、頼りにされる駐屯地を目指し努力してまいります」と地域との絆について述べ式辞とした。
 式典後の観閲行進においては、観閲部隊指揮官(第4特科群副群長・福嶋満2陸佐)を先頭に、203mm自走榴弾砲、多連装ロケットシステム、88式地対艦ミサイル発射機、96式多目的誘導弾システム、74式・90式・10式戦車、92式地雷原処理車、坑道掘削装置等、上富良野駐屯地の主力装備品が観客の前を行進した。また、富良野沿線6市町村の災害派遣担任部隊は、各市町村旗を掲げ、司令要望事項である「地域社会との共存共栄」を象徴すべく行進した。
 引き続き行われた訓練展示では、着上陸侵攻対処の場面を、ヘリコプター(OH-6)の偵察飛行から、地対艦ミサイル発射機、多目的誘導弾システムの進入・展開、空包による戦車・自走榴弾砲の制圧射撃を展示し、多くの歓声が送られた。
 この他にも、毎年好評の「かみふ自衛隊カレー」の提供、子供の広場、戦車体験試乗及び施設機械の体験操作などが行われ、駐屯地開放の終了時間まで、子供達の賑わう声が駐屯地に響き渡っていた。
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滝川
 滝川駐屯地(司令・伊與田雅一1陸佐)は、6月9日、滝川市三楽街で市中パレード、翌日10日には駐屯地において創立記念行事を実施した。
 市中パレードにおいては、連隊旗及び担当隊区の市町旗を先頭に、第10普通科連隊の各部隊が規律ある行進を整斉と実施した。また、今年4月に入隊した自衛官候補生は、真新しい紫紺の制服に身を包み若さあふれる躍動感に満ちた徒歩行進を披露し、来場した約1200名の市民からは割れんばかりの歓声と拍手が送られた。
 創立記念行事において観閲官は式辞の中で、「厳しい安全保障環境の下、断固としてあらゆる脅威から国民の生命及び安全・安心を守り抜くため、陸上自衛隊は今まさに創隊以来の大改革を推進中であり、即応機動する陸上防衛力を体現する第10普通科連隊は、伝統ある気風を継承しつつ、北海道における魁としての誇りを意気に感じ、その責任をしっかりと受け止め、駐屯地一丸となって任務に邁進して行こう」と述べた。
 観閲式終盤では、第1空挺団による自由降下訓練展示が行われた後、堂々たる観閲行進に引続き、諸職種協同による戦闘訓練展示、体験搭乗(戦車・WAPC等)及びロープ体験等を実施した。また第11音楽隊や滝川しぶき太鼓の演奏もあり、来賓者及び地域の方々約2000名が来場した会場は賑わいを見せるとともに、地域に根ざした信頼関係を更に深めた。
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福岡
 第4師団(師団長・高田裕一陸将=司令部・福岡)は、5月27日、福岡駐屯地において「第4師団創立64周年・福岡駐屯地開設68周年記念行事」を実施した。
 行事は晴天に恵まれ、福岡県知事、衆参両国会議員、歴代師団長をはじめとする多数の来賓の参加を得るとともに、隊員家族及び近隣住民等約1万2000名が来場した。
 師団長は、観閲式における式辞の中で、師団及び駐屯地開設以来、今日までの諸先輩のご努力と郷土の皆様の支援に対する心からの感謝を表するとともに、整列する各隊員に対して、入隊にあたり宣誓をした「事に臨んでは危険を顧みず身を持って責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える」という言葉の持つ意味と、その重さを今一度思い起し、「強い使命感と責任感を堅持して一つ一つの任務に全力で取り組むよう要望する」と述べた。式典では、人員約850名、車両約150両による威風堂々の観閲行進、航空自衛隊のT-4による祝賀飛行を行い、来場者から大きな拍手を受けた。
 観閲式典後、実施された訓練展示や、74式戦車等の体験搭乗、10式戦車・機動戦闘車・水陸両用車等の各種装備品展示にも多くの来場者が詰めかけ、記念行事は盛会のうちに終了した。
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えびの
 えびの駐屯地(司令・中川宏樹1陸佐)は、5月12日及び13日の2日間、2部構成で「えびの駐屯地創立37周年記念行事」を開催した。
 今年はRE-BORNをテーマに開催した。第1部は、地元スーパーの敷地内で戦車、火砲(FH-70)、等の装備品展示、第12普通科連隊、都城駐屯地の音楽部(協同)によるミニコンサート、地元えびの市の、ゆるキャラ「みなほちゃん」と自衛隊宮崎地方協力本部マスコットキャラクター「衛(まもる)くん、翔(かける)くん」が会場内を練り歩き会場は大いに盛り上がった。また、えびの市飯野地区の県道において市中パレードを行い、県内外から約1100名の観客が約200mの沿道を埋めつくす中で実施した。パレードには、今年4月に入隊し、新制服に身を包んだ自衛官候補生の徒歩行進に引き続き、車両44両(戦車、航空機を含む)、隊員約400名が参加し、えびの駐屯地及び自衛隊の威容を披露し盛況のうちに終了した。
 第2部では、国会議員をはじめ多数の来賓及び県内外から約1700名の来隊者を迎え記念式典を執り行った。雨の中、微動だにせず観閲式、観閲行進を行い隊の威容を示した。また、西部方面音楽隊による音楽演奏、自衛官候補生による基本教練、実戦の様相さながらの模擬戦が行われた。中でも戦車と火砲(FH-70)3門による射撃の大音響には観客席から歓声が沸き上がった。戦車、高機動車等の体験搭乗では、子供達や親子連れで大いに賑わった。来隊者からは「ビックリするくらい迫力のある模擬戦や戦車試乗に満足しました。また来たいです」との声を聞くことができた。
 今回の記念行事を通じ、県内外及び地域住民にえびの駐屯地及び自衛隊に対する理解と更なる信頼を得ることができ、「地域と強い絆を」深め防衛基盤の充実を図る事ができた。

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