防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2009年7月1日号
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諸先輩の志に触れる
《佐世保教育隊》
東山海軍墓地を清掃奉仕
70隊員が爽やかな汗
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 佐世保教育隊(司令・奥村國弘1海佐)は、5月27日の海軍記念日に実施される日本海海戦記念式典に備え、同25日に佐世保東山海軍墓地東公園の清掃奉仕作業を行った。
 この公園は、明治22年旧海軍佐世保鎮守府開庁以来、海軍殉職者をはじめとする17万6千余柱が祀られており、今回は、訓育の一環として佐世保教育隊司令以下、第351期練習員課程第4分隊学生等70名が清掃奉仕作業に参加した。
 当日は、燦々と照りつける日差しをものともせず、日頃の甲板掃除で鍛えた清掃の腕を振るわんと、元気溌剌と清掃作業に打ち込んだ。清掃を進めるにつれ、凛とした威容を取り戻した墓地同様に、練習員一同心地よい汗と清々しい気持ちに思わずニッコリする一面も。
 また、清掃作業の傍ら、日露戦争激戦のひとつ、旅順港封鎖作戦に従事した杉野孫七兵曹長や、黄海海戦にて「まだ沈まずや定遠は…」のエピソードで知られる三浦虎次郎三等水兵の墓碑を前に、旧海軍の諸先輩が国防にその命を捧げた志に大きな感銘を受けた者、たまたま御供養に訪れた御遺族の方々と元気よくあいさつを交わす者と、日頃の教育隊での訓練・修業とはまた違った教育の成果を得ていた。
 清掃終了後は、往路同様整斉と教育隊まで整列行進をもって帰隊。心地よい疲れと達成感、そして旧海軍軍人の尊い志に直に触れることができた奉仕作業だった。

海軍戦没者慰霊祭
5空群から指揮官ら参列
《沖縄》
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 5月27日、社団法人「沖縄海友会」(阿波根昌信会長)主催の第47回海軍戦没者慰霊祭が海軍壕公園(豊見城市内)の海軍戦没者慰霊之塔前で行われ、第5航空群(群司令・小松龍也海将補)は群司令をはじめ各隊司令、群先任伍長が参列するとともに、儀仗隊、ラッパ隊の派出及びテント設営等の支援を実施した。
 海軍戦没者慰霊之塔がある海軍壕公園は、太平洋戦争末期の日本海軍沖縄方面根拠地隊司令部が置かれた場所で、沖縄戦終結の昭和20年6月23日の10日前、6月13日に司令官大田実中将以下将兵約4000名がその最期を遂げた場所でもある。
 第5航空群が創設以来支援を続けている海軍戦没者慰霊祭は沖縄における旧海軍と自衛隊、ひいては地元住民と自衛隊の絆を強めるものであり、よき伝統として現在に至っている。
 公園は市内を一望できる閑静な高台にあり、戦後63年を経て公園周辺は整備され美しくなり、また、海軍戦没者慰霊之塔は、本年1月に改修されひときわ目立つ塔となっている。
 慰霊祭は、当時を偲ぶ多数のご遺族、来賓、海友会会員が見守る厳粛な雰囲気の中、軍艦旗の掲揚に始まり、黙祷、祭文奏上、献花と粛々と実施された。特に整斉と行われた第5航空群儀仗隊員の弔銃発射には場の空気も引き締まり、参列者一同は、英霊への感謝の気持ちを新たにし、滞りなく慰霊祭を終了した。

大空に憧れるヒナたち
横教練習員ら、厚木基地見学
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 薫風心地よい5月8日から18日の間、第4航空群各部隊支援のもと横須賀教育隊(司令・永沼延廣1海佐)練習員等の厚木航空基地における航空実習が行われた。
 第2期一般海曹候補生学生の新入隊員は同14日、大和市にある厚木航空基地に到着した。航空基地を初めて目の当たりにした学生は、その圧倒的な広さに感嘆の声を上げていた。
 学生は、第4航空群引率者のもと管制塔に登り、管制官から管制業務について、飛行場に離発着する航空機の相互間及び走行地域の航空機と障害物間衝突予防や、航空交通の秩序ある流れを維持し促進するための安全を確保する業務であるとの説明を受けた。その後、気象班へ移動し器材の見学及び気象業務が航空機運航等の飛行安全に重要な業務であるとの説明を受けた。次に巨大な航空機用格納庫を構える第3航空隊を見学した。飛行可能な状態にあるP―3C哨戒機が駐機されており、任務に即応できる状態になっていた。そこで学生たちは深緑の飛行服に身を包むP―3C哨戒機搭乗員から哨戒機の装備や任務の概要について説明を受け、実際に機内で行う業務がどのようなものか質問し、搭乗員は、質問に対して真摯に受け答えしていた。
 続いて、大きな補給隊倉庫に入った学生は、整然と並ぶ巨大なタイヤから小さなネジにいたる多種多様かつ大量の補給物品が整理整頓されている状況に驚き、教官が指導している整理整頓の重要性を再確認したようだった。
 午後からは、基地東側地区の航空機整備隊でエンジン単体の整備場、電子整備隊で搭載電子機器整備場、武器整備隊で落下傘や救命浮舟などの救命器材及び武器の整備場、1検査隊で固定翼・2検査隊で回転翼航空機の定期的な検査整備を実施する格納庫をそれぞれ見学し、各隊説明者から業務内容の説明を受けた。
 この航空実習で学生たちは多くのことを学ぶことができた。今まで職域を選択するにあたり何も知識がなく決めあぐねていた学生も、航空実習によって疑問が払拭され、航空部隊の意義と職種を十分に理解でき、要員希望する際の参考となった。航空実習を終え帰途に着く間際、滑走路を颯爽と走り、輝きながら飛び立つ航空機を見る学生たちの眼は、自身の未来に羽ばたく翼を眺めているように思えた。

地引き網で日米交流
米海兵隊員と親睦深める
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 毎年恒例の富士日米友好協会主催(中野新一会長)の地引き網が5月30日、沼津市原海岸で実施された。
 雨が心配された天候も、参加者の願いが通じたのか時折眩しい程の好天となり、参加した地元選出の国(県)会議員をはじめ、近隣首長・米海兵隊・富士地区自衛隊員・友好協会関係者など、約250名が参加した。
 地元網元の号令で、一斉に綱を引き上げると初体験の海兵隊員は大興奮、余りの力強さに、「ゆっくり引け、スロー、スロー」と大声が響いた。
 収穫した鯛やカワハギは、早速プロの調理人が刺身にして振る舞われ、協会が用意した、焼き肉(牛・豚・鹿・猪)やアラ汁・焼きそばにも長蛇の列が伸びていた。
 また、海兵隊員と自衛隊員がお互いカタコトの英語と日本語で交流を深め、参加者全員が相互に親睦を深め、来年も開催する約束をして地引き網を終了した。

海自東京音楽隊が「オークス」で演奏
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 海上自衛隊東京音楽隊(隊長・熊崎博幸2佐)は、JRA東京競馬場で開催された「第70回優駿牝馬オークス競走」で演奏を実施した。オークス競走は日本中央競馬会の主催により毎年5月に開催されており、東京音楽隊は毎年出演している。当日は、朝から降り続くあいにくの雨にもかかわらず、約8万人もの競馬ファンが詰め掛け大変な熱気に包まれていた。
 昼休みに行われたミニコンサートでは、渡邉大海2海尉指揮によりレイモンド服部作曲「行進曲“コバルトの空"」、デキシー風にアレンジされた「聖者の行進」、M.ポンセ作曲「エストレリータ」、C.コリア作曲「スペイン」の4曲を演奏した。多くの聴衆にとって、あまり聴き馴染みのないと思われる吹奏楽の演奏であったが、軽快な行進曲から激しくドラマチックなラテンのナンバーまで、雨天を吹き飛ばすような熱い演奏に聴衆からの手拍子も加わり大いに盛り上がりを見せた。また、メインレース直前に力強くG1ファンファーレが演奏されると、会場はいよいよクライマックスを迎えた。
 今回のようなイベントは、普段あまり自衛隊に触れる機会が少ない人たちに自衛隊の活動をPRできる絶好の機会であり、演奏面はもちろんのこと、端正な服装やきびきびとした立振舞で多くの観客を魅了していた。表彰式での演奏を終えて退場する際には、そのことを象徴するかのように惜しみない拍手が送られた。
 なお、東京音楽隊は12月に行われる有馬記念競走にも演奏の実施が予定されている。

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