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自衛隊ニュース   2009年5月1日号
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中病ヘリポートを初使用
CH-47大型輸送へりで心臓病患者を緊急空輸
宇都宮→三宿
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 新自衛隊中央病院(三宿)の屋上ヘリポートが4月6日、急患空輸で初めて使用された。新病院は3日前に外来診療を開始したばかりで、この日、重い心臓病を患った男性を栃木県知事の災派要請を受け、宇都宮市の済生会宇都宮病院から中病屋上ヘリポートまで、第12ヘリコプター隊のCH-47大型ヘリを使って緊急輸送した。屋上ヘリポートには中病職員や東方医務官、東京消防庁の職員らが待機、CH-47の着陸とともに後部ハッチから多数の医療機器を装着した患者を静かに運び出し(写真)、館内のエレベータを経由して東京消防庁の救急車に収容した。このあと患者は心臓移植のため東大病院へと向かった。今回、急な災派要請にもかかわらず、迅速に急患空輸を実施したことにより危機に強い自衛隊医療に対する期待が一層高まっている。

海自遠航部隊出発
145日間、13ヵ国15寄港地訪問
将来の海上防衛担う指揮官目指す
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 平成21年度海自遠洋練習航海部隊の出港行事が4月16日、北村誠吾防衛副大臣、折木良一統幕長、赤星慶治海幕長をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、各国大使、協力団体、乗組員の家族ら関係者多数が出席して東京・晴海埠頭HK岸壁で行われた。
 派遣部隊は、練習艦隊司令官の河村正雄海将補を指揮官に第59期一般幹部候補生課程修了者約170名(うちタイ王国留学生1名)を含む約710名で、艦艇は練習艦「かしま」「しまゆき」、護衛艦「ゆうぎり」の3艦。145日間にわたって約4万5000kmを航行し、南アジア・中近東・東ヨーロッパの13カ国(15寄港地)を親善訪問する。
 午前9時すぎ、北村副大臣が会場に到着、海自東京音楽隊と儀仗隊による栄誉礼、巡閲に続いて壮行会が始まり、北村副大臣がソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動、インド洋での補給支援活動、北朝鮮ミサイル発射時のイージス艦展開など、海自の重要な任務を称えながら、実習幹部に対して「将来の海上防衛を担う指揮官に必要とされる人格の修養と自己の技量の錬磨に全力で当たるよう」訓示した。来賓を代表して西村康稔外務大臣政務官が「寄港する国々の文化や人々との触れ合いを通じてシーマンシップと豊かな国際感覚を一段と深めるよう」祝辞を述べたあと、赤星海幕長が登壇、壮行の辞の中で「同期の絆を更に深めるとともに『困難に立ち向かう気概』や『忍耐力』はもちろん、海軍士官らしく『ユーモアのセンス』を持ち合わせた『自由闊達なおおらかさ』を身につけるよう」要望した。
 次いで、練艦隊司令官、各艦長、実習幹部等各代表に水交会、父兄会、隊友会など協力団体から花束が贈られ、河村司令官が北村副大臣に「遠洋練習航海に出発します」と力強く挨拶し、壮行会が終了。引き続き、河村司令官を先頭に乗組員が一列になって「かしま」「しまゆき」「ゆうぎり」に乗艦、甲板等に整列した。午前10時、帽振れの中、来賓、家族ら大勢の関係者に見送られながら3艦は、最初の寄港地シンガポールへ向け出港した。


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