大規模災害の発生時に派遣される自衛隊員に代わり、残された隊員家族の安否確認などを担う自衛隊家族会、隊友会と陸海空自衛隊との「家族支援協定」が全国の基地・駐屯地などで次々に結ばれている。特に、南西地域における安全保障環境は一層厳しくなりつつあり、沖縄県に所在する陸海空自衛隊の隊員活動への期待が高まっていることから、このほど全国初となる7者間での協定が締結され、隊員は大規模災害時にも後顧の憂いなく任務にまい進できるようになった。
航空自衛隊那覇基地(司令・稲月秀正空将補)は、2月19日、空自那覇基地、陸自那覇駐屯地、海自第5航空群、海自沖縄基地隊、沖縄地方協力本部、沖縄県家族会、沖縄県隊友会との間で「大規模災害時等における派遣隊員の家族支援に対する協定締結式」を行った。式には、各基地及び機関、関係団体などから36名が参加し(協定締結者を含む)、協定締結の場に立ち会い、「家族支援」の重要性を示した。この協定は、県内の陸・海・空自衛隊と家族会及び隊友会の連携を強化し、家族支援施策の実効性の向上を目的としている。これにより、大災害が発生し、沖縄県内から隊員が派遣される際、家族会及び隊友会の協力によって隊員家族の安否確認などが円滑に実施可能な体制が整った。
締結式において、稲月空自那覇基地司令は「より安心して活動にまい進できる環境が整い、心から感謝するとともに、これからも我々自衛隊員が沖縄県のみならず日本の守りを、県民と国民の安全と安心を維持していくために、たゆまぬ努力を継続していく」と述べた。続いて古門家族会会長が「2年前の協定締結(那覇駐屯地、沖縄地本との3者の協定)後、このたび県内の陸海空すべての自衛隊と協定締結できたことを喜ばしく思います。隊友会とタッグを組めることを頼もしく思うとともに、今後より一層の家族支援に取り組んで参りたい」と協定締結にあたっての意気込みを語った。平田隊友会会長からは「自らが被災しながらも派遣される自衛隊員家族の安否確認など対応しうる会員を養成していき、自衛隊へ貢献して参りたい」と協定締結にあたっての意気込みを語った。嶋本陸自那覇駐屯地司令からは「沖縄に所在する、家族会、隊友会や陸海空がそろって7者間の協定締結できることは全国初だと思います。家族支援が今後も隊員にとって心強いものとなり、より強固となることは大変喜ばしいことだと思います。隊友会は元自衛官ですので行動力が加わり一層協定の力が強くなることを期待しています。お互い協力しながらより良く実効的なものにして参りたい」と述べた。最後に、松永沖縄地方協力本部長からは「本協定が実効性あるように陸海空の主要部隊をサポートしつつ、家族会、隊友会とともに手を携さえて、任務遂行に心おきなく励めるよう尽力して参りたい」と家族会、隊友会との連携の重要性を述べた。 |