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1023号 (2020年3月15日発行) |
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航空幕僚監部援護業務課の取り組みについて |
空幕援護業務課は、本年のテーマとして「ご縁を太く、持続可能な仕組み作り」を掲げ、これまでに構築してきた退職自衛官に対する再就職支援をより継続的に実施できる体制を強化する取り組みを行うこととしている。その一環とし、援護隊員の知識・能力向上を目的とし、令和2年1月27日にBCP(事業継続計画)、2月18日に生涯生活設計の専門家によるセミナーを実施した。
空幕援護業務課では、ここ数年、毎年国内各地で発生する大規模自然災害による企業の被害の状況を踏まえ、各企業におけるBCP策定・改正において、自衛官の危機管理の知見及び経験を活用できないかと紹介している。今回、その活動を更に強化するため、一般財団法人 危機管理教育&演習センターの細坪信二様のご協力により、BCM(事業継続マネジメント)/BCPの概要、企業のBCP策定状況・問題点及び自衛官が退職後にBCP策定に携わるにあたっての必要事項をテーマにご講義いただいた。同氏は、米国にてBCPを学んだ経験を基に真の事業継続(BC)について講義され、多くの日本の企業が、BCPを震災等発生時の初動対応計画と誤認している状況やBCPを検証する演習が実施されていない現状について指摘された。またBCPは事業環境の急激な変化に強い経営戦略として活用されるべきとの講義内容であった。更に、退職自衛官には、企業への再就職にあたり、これまでの「国防」という理念から「利益の追求」という視点への変更、多様化する個人及び企業の価値観を感じる感性を持っておくことが必要との意見があり、参加した援護要員からは、BCPに関する新たな認識とBCP分野で再就職を希望する退職自衛官にはその旨を適切に伝えることが極めて重要であると改めて自己の職責を認識したとの感想があった。
生涯生活設計に関しては、富国生命保険相互会社の山口真吾様、國吉春菜様のご協力により、「老後破産しないための大切な心得」と題して、不安定な老後生活、老後生活レベルに応じた必要な金額、老後の収入について、具体的な数字に基づいた説明を受けた。現役時代に心がける3つのルール((1)世帯での収入アップ(例‥専業主婦のパート等を始める)(2)固定費支出の見直し(例‥住宅ローン及び携帯電話料金)(3)適切な手段による資産形成)のほか、退職後に守るべき5つのルール((1)定年後も可能な限り働き続ける(このために必要な健康管理)(2)退職金を勘違いしない(退職金は勤務のご褒美ではなく給与の後払いである)(3)退職金投資デビューは危険(投資をするなら少額から)(4)無理はしない(新たな借金は避ける)(5)分からないものには手を出さない(プライドを捨てる、知識より常識が大切))のアドバイスをいただいた。この際、山口氏自身の実体験に基づく、住宅ローンの借り換え及び投資に関する講義は大変興味深く、退職自衛官に対する就職援助においても貴重な内容であった。最後に、離婚の5組のうち1組が熟年離婚との統計から、自分の居場所を作っておく必要があるとの助言をいただいた。
空幕援護業務課としては、人生100年時代を迎えるにあたり、退職する自衛官がこれまで以上により再就職後及びその後の人生が充実した内容である必要がある現状を踏まえ、退職予定者に寄り添った就職援助を実施していく。 |
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IWAMIZAWAドカ雪まつりに協力 |
岩見沢駐屯地(司令・末継智久1陸佐)は1月27日〜2月14日の間、岩見沢駅東市民広場公園で開催された「第30回IWAMIZAWAドカ雪まつり」のメインステージを制作した。
今年で30回目を迎えるこのイベントは、道内屈指の豪雪地帯である岩見沢市において、雪と触れ合い冬を楽しもうという趣旨のもと行われている市の冬の一大イベントである。
今年は記録的な雪不足に見舞われ、豪雪地帯で有名な岩見沢市もその影響を受ける中、第398施設中隊(中隊長・勝間1尉)が滑り台付きメインステージの制作を担任、悪条件の中駐屯各部隊の隊員皆が一丸となり、14日の引渡しに漕ぎ着けた。この間、4日岩見沢市長(松野哲氏)、岩見沢市観光協会会長(仁志正樹氏)及び岩見沢清丘園理事長(安藤富夫氏)から慰問を受け、市からおにぎりと飲み物、観光協会から「天狗まんじゅう」とカップ麺、清丘園から「きじラーメン」を提供していただき、隊員たちは「体が温まり、士気も上がります」と感謝していた。また、12日岩見沢市立中央小学校5年生49名が制作現場を訪れ、隊員に教わりながら制作を手伝った。
本協力を通して地域の活性化に寄与するとともに、地域住民に対して駐屯地への認知・理解の促進を図った。 |
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