9月6日発生の北海道胆振東部地震発生を受け、防衛省は今迄にない早さで、即応予備自衛官(自衛隊OB)を招集した。9月7日には、小野寺五典防衛大臣が「即応予備自衛官」災害時招集命令を出し、8日には本人に招集命令書を交付した。9月24日までの間、延べ255名の即応予備自衛官が生活支援を中心とした災害派遣活動に従事した。北部方面隊のコア部隊の第52普通科連隊から派遣された即応予備自衛官に話を聞いた。
(株)フクザワオーダー農機 小田2曹
社長が元自衛官なので、会社との調整はスムーズで「行ってこい」と言われた。被災者と話すにあたり、思い出したくない人もいるかもしれないので、地震の事には触れない様にした。今後も災派等の任務に参加したい。
ニセコ環境(株) 菊池3曹
企業からは「招集がかかったらすぐに行け」と言われた。被災者の方々は心を痛めている方もいるので、声かけに着意した。災派に従事していることを大変誇りに思います。
(株)美唄自動車学校 高田2曹
企業からは「招集がかかったらすぐ応じるように」と言われた。派遣されてみて、被災者の方々は本当に大変な状況で生活していると感じる。1日も早くインフラが復旧することを願っています。
(株)フクザワオーダー農機 山野士長
社長が「頑張ってこい」と積極的に送り出してくれた。被災者の立場にたって活動することを心がけた。何かあれば、手伝えることがあれば、今後も派遣に参加する。
日本トーター(株) 椎名2曹
東日本大震災の時も派遣されたが、今回も上司が「頑張ってこい」とすぐに派遣してもらえた。即自なので、特に一般の方に近いという意味において同じ目線で対応することを心がけた。一日も早い復旧と災害が起きない環境整備を願う。
知内町森林組合 八木士長
上司に「頑張ってこい」と送り出された。物資を届けると「ありがとう」といわれ、充実感がある。派遣中は「自衛官らしく」を心がけた。やりがいがあった。今後も即自を続けたい。
(株)美唄自動車学校 尾花3曹
発災当初から私の応招準備は出来ていて、地本からの災害招集命令を待つ状態でした。被災者の方々と触れ合うなかで、本当に不自由な生活をされていると実感。1日でも早いライフラインの復旧を願っています。
(株)ノアコンツェル 今野3曹
被災地出身でもあり、職場に派遣を申し出たら快く背中をおしてくれた。お風呂も顔さえも洗えない大変な状況の中、給水支援を通じて「ありがとう」と言われると、こちらが逆に癒され疲れも吹き飛びます。1人でも多くの人の力になりたいと考えている。
JOEUN BUS(株)札幌営業所 小野寺2曹
会社に「災害派遣に行きます」「がんばれ」と1つ返事で送り出してくれました。給水支援の際、ある被災者に重くなるので容器の半分でいいと言われたことを覚えていて、2回目以降も半分にしてお渡ししたところ「覚えていてくれたんだね」と言われ、自分のしている事に自信が持てました。
(株)トラスト・テック 阿南士長
日頃から招集訓練にも快く送り出してくれる職場で、今回も「業務は他のみんなでカバーするから我々の分も頑張ってきて欲しい」と背中を押してくれました。両親も「困っている人のために頑張って」と言ってくれました。被災者一人一人と会話をするようにこころがけています。不安に思っていることなどを打ち明けて頂き、頼りにされていると感じています。
<取材協力>陸上幕僚監部 人事教育部人事教育計画課 予備自衛官室
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