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自衛隊ニュース   987号 (2018年9月15日発行)
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31年度概算要求額決定
領域横断的な防衛力の強化
 8月31日、防衛省は平成31年度予算概算要求額を決定した。概算要求額は前年度比3538億円増(7・2%増)の5兆2926億円(SACO、米軍再編関係費を除く)で過去最高。宇宙・サイバー・電磁波といった新領域を横断的に活用するための体制構築などが盛り込まれた。
 小野寺五典防衛大臣は「本年末に予定される防衛計画の大綱の見直し、および時期中期防衛力整備計画作成に係る検討状況を踏まえ、厳しい安全保障環境の中、将来に向けて我が国の防衛に万全を期すため、現実に真正面から向き合った防衛体制の構築に必要な経費を計上した」と述べた。

第1回「将来の防衛力検討委員会」
 8月31日、防衛省第1省議室において小野寺五典防衛大臣を委員長とする第1回「将来の防衛力検討委員会」が開催された。当委員会は、今年末の新しい防衛大綱および中期防衛力整備計画の策定および将来の防衛力に対して横断的な検討体制を備えることを目的として設置されたもの。防衛副大臣が委員長代理、防衛大臣政務官が副委員長、事務次官、各幕僚長等防衛省自衛隊の高級幹部が委員を務める。第1回は将来の防衛力検討委員会の進め方について意見交換が行われた。
 小野寺大臣は開催にあたり「大綱の見直し及び中期防の策定に向け防衛省は我が国の防衛に責任を有する官庁として我が国の防衛政策、防衛力整備、自衛隊の運営等について引き続き検討を進める必要があります。委員各位には積極的に議論を行い、検討をより深化させることを希望いたします」と挨拶を述べた。

派遣海賊対処行動支援隊(9次)、派遣海賊対処行動航空隊(31次)
功績を讃え 第1級賞状
 8月31日、大臣室において、ソマリア沖・アデン湾で海賊対処行動に従事した2部隊に対する表彰式が行われた。
 小野寺五典防衛大臣から、派遣海賊対処行動支援隊(第9次 指揮官・岩上隆安1陸佐)、派遣海賊対処行動航空隊(第31次 指揮官・高橋英樹2海佐)へ第1級賞状が副賞を添えて贈られた。
 第9次支援隊は今年1月31日から8月3日まで、第31次航空隊は4月30日から8月3日まで海賊対処業務に従事、海賊行為の抑止に寄与するとともに自衛隊に対する国内外の理解を深めた。

「30北演」で病院機能及び救命ドクトリンの実効性向上訓練
<札幌病院>
 自衛隊札幌病院(病院長・大鹿芳郎陸将)は、9月4日、「平成30年度北部方面隊総合戦闘力演習(30北演)総合訓練」に参加し、「自衛隊病院として方面隊の総合戦闘力を最大限に発揮した作戦遂行能力向上への寄与」を目的とした病院計画訓練を行い、病院機能の向上及び救命ドクトリンの実効性向上を図った。
 シムマンR(※1)を用いたシミュレーションでは、DCS(※2)が施された後送患者の受け入れに始まり、処置、検査、集中治療等の流れの中で変化してゆく患者状況への対応要領や検査部門との連携要領について演練を重ね、今後の資とした。
※1 シムマン(R)(SimMan(R))‥生理学的な症状だけでなく神経学的な症状も現示することができる患者シミュレータ
※2 DCS(Damage Control Surgery)‥重症外傷に対する緊急手術で「蘇生目的の初回手術」「全身状態の安定化を図る集中治療」「修復・再建手術」からなる救命目的の外科治療戦略

新施策 オープンスクール
<航空学校霞ヶ浦校>
 航空学校霞ヶ浦校(分校長・佐藤健1陸佐)は、組織的自主募集の新施策として、8月27日、新規募集対象者をHP等で募り、オープンスクールを実施した。
 当日は、ヘリの概要教育、整備及び教育現場の紹介並びに整備技術体験を実施し、普段の自衛官の職務に関する理解を図った。
 整備現場紹介では、大型ヘリを整備する現場及び整備員の作業を見て、多数の質問があった。また、女性参加者は入校中の女性隊員に対し、女性が勤務する難しさなどの質問を投げかけていた。
 参加者からは、「飛んでいるヘリに対する見る目が変わった」「入隊した後のイメージができて、入隊意欲が増した」などの話があった。
 終了後、参加者全員の隊員自主募集情報通知書を得ることができた。
 霞ヶ浦校は「これからも新たな組織的自主募集施策を創造し、志願者の獲得を図っていく」としている。

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