飛行点検隊は、29年度末の3月下旬、航空自衛隊第9航空団(那覇基地)及び陸上自衛隊第15旅団(那覇駐屯地)へ隊准曹士先任本橋准空尉はじめ女性隊員3名を派遣し、男女共同参画推進の現状及び進捗状況などを研修した。
9空団では、(1)女性が働くことが当たり前という地域性から、保育施設等は充実している (2)育児休暇中の補てんとして任期付自衛官を採用 (3)女性隊員間のコミュニケーションは活発である。参加者は「女性隊員の数が多い。活発にコミュニケーションを取り、相談しやすい環境が整っていて、女性隊員は非常に良い関係であると思った。また、戦闘機部隊の特性から、隊員個々が自覚をもって職務にあたり、あわせて男女共同参画関連制度を利用する有効性をよく理解していると感じた」と感想を述べている。
15旅団は、(1)男性隊員が多いため、男女共同参画に関する諸制度を利用するハードルはまだ高い (2)呼集時に「1日子供預かり所」を立ち上げ、女性隊員を差出して面倒を見る訓練を実施などしている (3)育児中の女性隊員は他の隊員と同じ業務ができないことを理由に退職が多い。参加者は「男性隊員の制度に対する理解度の低さと、女性隊員の業務と家庭の両立に対する遠慮が制度利用の妨げになっていると思ったが、編単隊部隊長及び一部の女性隊員が制度の周知や状況に即した利用方法を模索していることを強く感じた」と感想を述べている。
参加した女性隊員たちは、飛行点検隊でも全隊員の意識醸成の観点から、これからも転入者に対しても男女共同参画に対する理解度を高め、仕事と育児のバランスが取れるような教育を実施していく必要がある。また、若年隊員に対しては、自分の業務に対する自覚と各種制度の有効利用について、しっかりと理解させていきたいとしている。 |