防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   970号 (2018年1月1日発行)
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よせ書き
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上級空曹課程を修了して
飛行点検隊 整備隊(入間) 1空曹 西垂水 祐二
 約3週間にわたる第86期上級空曹課程を終え、上級空曹のあるべき姿について学ぶことができました。入校当初は家族と離れ、隊内生活など不安がありましたが日が経つにつれ同期と打ち解けあうことにより、不安が少しずつ解消されて団結するということが実感でき、そして上級空曹として多くのことを考えさせられました。
 さて、上級空曹のあるべき姿についてですが、上級空曹は部下隊員に対し十分な目配り、気配り、心配りを行い的確な服務指導を実施し、曹士の中心的な存在としてリーダーシップをとる必要があり、部下隊員を正しい方向へ導くことが求められます。また上司の意図を理解し部下隊員に徹底するとともに、補佐役として現状や問題点の把握に努め、部隊の団結を強固なものにしなければなりません。
 それらを具現化するために本課程において、様々な教育や討論が行われました。その中で自分が特に重要と考えたのは、「チームワーク」でした。チームは、単に人を集めればいいものではありません。組織全体を活用し、向上しなければ意味がないことを認識するべきです。そのためには、人と人との関係や、チームとチーム間の隙間を作らないことであり、チームとして仕事をしていく上で重要な要素は、コミュニケーションや対人関係、そしてリーダーシップであると考えます。また、エラーの要因としては、コミュニケーションの欠如や思い込み、チームワーク自体の不足、状況認識の欠如等があると考えます。
 人間同士、組織間においてもそれぞれ質的な違いがありますが、それをできるだけ良質なものにしていくことが重要だと思います。個々の隊員がいくら優秀であってもバラバラに動いては意味がなく、共通の目的のために一丸とならなければなりません。例えば、チーム内のコミュニケーションの欠如は、チーム内でゴタゴタしたり無駄な時間を要したりします。そうならないためには、人と人との心理的距離感が重要であり、人間同士の間(自分と相手の関係の度合い)を大切に保つことが必要だと思います。相手に対する接し方も他人行儀では距離を取りすぎであって、反対にあまり馴れ合いが過ぎるのも考えものです。とにかくチーム内でのコミュニケーションを円滑にし、自分がどんな人間なのかという「自己開示」をして相手と適度な間を作ることが重要だと思います。
 そのためには、基本的な挨拶と会話をすることを意識することが大切だと思います。黙っていては何もわからないので、リーダーはもちろん全員それぞれが自己開示をしていくべきと考えます。そうすれば、チームとして一緒に考えることができ、相互理解が深まり信頼感が生まれ、情報共有や当事者意識を持てるようになると思います。そして仕事に対する興味が生まれ、納得した上で積極的に任務に取り組めるようになり、責任ある自発的な行動に変わっていくものと考えます。
 本課程を修了して、改めて自分が特に重要と感じたのは、この「チームワーク」でした。私の所属する整備隊においては、少ない人数で整備を実施しており、チームワークはもちろんのこと誰一人欠けても任務遂行に影響が出てしまいます。今後は、チームワークの向上につながるよう、まず自らの立場をよく考え、上級空曹として自分自身の役割を認識し、チーム内に問題点を確認したならば部下や後輩であっても「人」であることを念頭に置き、誠実に相手に接し、情熱をもって解決して行きたいと思います。そして、上級空曹として上下左右の風通しを良くするため、人と人やチーム同士のパイプ役としても役立てるよう精進、努力していきたいと思います。
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信頼される航空機整備員に
  飛行点検隊 整備隊(入間) 空士長 田井 夏美(20)
 私は、航空自衛隊入間基地に在る飛行点検隊において、航空機整備特技の専門員(5レベル)としての資格取得のため、正規実務訓練すなわちOJTの指導教官である先輩空曹のもと、平成28年11月下旬に中級実務訓練を開始し、平成29年9月下旬に訓練を終了し、やっと航空機整備員としての緒に就いたところです。
 実務訓練とは、空曹及び空士に対し、それぞれの配置における勤務の間に当該特技職に必要な技術を習得させるために計画的に実施する訓練です。
 勉強をすることが苦手な私にとって、第1術科学校で「特技員として必要な資質、知識及び技能」を学んだ6ヶ月間ですら授業に付いていくのがやっとだったので、現場部隊で勤務しながら、術科教育で学んだことに加え、「専門的な知識や技術」を10ヶ月間も学ぶこと、またそれをしっかりと身につけられるのかどうか不安でした。
 しかし、物覚えが悪い私に、何度も繰り返し根気よく教えて下さった指導教官のおかげで、ベルヌーイの定理からU-125の構造までも少し分かるようになりました。そして担当の指導教官をはじめ、航空機整備員の先輩方が作業している姿を実際に見ながら学べたことは、私にとって、とても勉強になりました。
 また、仕事にも少しずつ慣れてきて航空機に関する基本的な事項を理解してからは、航空機がどの方向から着陸してくるのかなどが直ぐに分かるようになり、それからは、航空機が着陸してランプ地区でそれを誘導する際には、事前に風向きを確認して、私が誘導を担当する航空機が今上空の何処を飛行しているのかを探すことが仕事をしている中での一つの楽しみになりました。
 約1年半前のこと、この飛行点検隊に着隊して、初めて先輩方の航空機の誘導や点検している姿を見たときは、そのかっこ良さに鳥肌が立ちました。これから私もこの先輩方と一緒に、憧れの工具ベルト、イヤーマフを装着して仕事ができるのだと思うと興奮しました。
 しかし、憧れていた航空機の誘導、点検、整備等は私が想像していた以上に責任が重く、初めて離陸前点検の誘導員を経験した時は、私の手信号に従って皆が行動するので間違えずにできるのか、失敗したら搭乗員や整備員の先輩方に迷惑を掛けてしまうなどと考えてしまい、とても緊張して、点検手順の最初にあるAPU(補助動力装置)の始動の直前まで手信号の確認を何度も何度でも繰り返したのを思い出します。
 それらは今でも緊張しますが、この仕事が憧れの職種だったこともあって、訓練を始めて10ヶ月間学んだ今では、仕事のいろんな面で徐々に理解できるようになったこともあり、仕事をしている上で余裕も生まれ、航空機を誘導することなどとても楽しい感じがします。
 これからも、U-125飛行点検機の知識と技術を積極的に磨いていき、航空機整備員として腕の見せ所の一つである不具合が起きた時の故障探求においても、先輩方の話し合いなどの中に参加していけるようになりたいと思っています。また、航空機誘導の際には駐機ポイントにぴったりに止める先輩方や、航空機点検の際には微細な欠陥も見落とさない先輩方を間近で見ていて、そんな先輩方と肩を堂々と並べることができる、そしてそんな先輩方のような立派な航空機整備員になりたいと思っています。
 最後に、私は航空機整備員として歩き始めてまだ1年半余りではありますが、強く感じているのは、毎日仕事している中で航空機を目の前にする時、自分が欠陥を見落としたことで飛行中に不具合が起きたら、人の命が亡くなってしまうかもしれないという「人の命を預かる責任」の重さです。
 私は、「少しの欠陥も見落とさない」という気持ちで点検し、「搭乗員の方々に安心して乗ってもらえる航空機を提供できる」信頼される航空機整備員になりたいです。
 そのために、先輩方の真摯に働いている姿を見ながら、この実務訓練(OJT)で学んだ知識や技術を今後の整備作業などに活かしていけるよう、日々努力を続けていきたいと思います。
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即自として中隊検閲に参加
  第31普通科連隊<武山> 即応予備2陸曹 佐々木 勝巳
 私は、第1戦車大隊(駒門)を除隊後、平成17年に即応予備自衛官に採用され、今年で13年目になります。
 私の所属している第31普通科連隊第2中隊は、原田中隊長を核心として常即一体を強く意識し、強い絆で結ばれていると思います。
 この度の中隊検閲において、私は初めての「小銃分隊長」として参加することになりました。分隊員には、日頃招集訓練で指導して下さっている常備自衛官もおり、緊張と不安もありましたが、「失敗を恐れずに自分の出せる力を十二分に発揮して頑張ろう」と思いました。
 招集訓練においては、年度当初からの検閲に向け段階的な訓練を積み重ねてきました。また、中隊で作成した「基本・基礎及び攻撃ハンドブック」を常に携行して、一つ一つの動作を確実なものにするとともに、みんなで作成した様々な創意工夫資材を有効活用できるよう認識の統一を図りました。
 9月16日、二夜三日にわたる「陣地攻撃に任ずる普通科連隊内の第一線部隊の行動」の状況開始に先立ち、中隊全員で円陣を組み、勇ましく出陣の雄叫びを挙げました。
 分隊長として命令号令をもって指揮する難しさや、小隊内の縦・横の連携等、気を抜ける場面は殆どありませんでしたが、分隊員が気遣って「少し休んでください」と言ってくれたその言葉で疲れも吹き飛び、より一層の力が湧いてきました。
 激烈な戦闘が続き、敵の抵抗にも苦戦しながらも、中隊は任務を達成しました。状況終了後、共に戦った仲間と味わった達成感は今でも忘れられません。
 今後も即応予備自衛官として、微力ながら貢献していきたいと思います。
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「国民の自衛官」に選ばれて
第48普通科連隊<相馬原> 1陸曹 新井 博文
 私は第48普通科連隊重迫撃砲中隊に所属しています。
 約16年前に第48普通科連隊の即応予備自衛官の第一期生として志願しました。
 この度フジサンケイグループ主催「第15回国民の自衛官」に選ばれ、大変恐縮しています。今回は私個人が表彰されましたが、一緒に訓練してきた皆の代表という思いで表彰を受けました。
 即応予備自衛官採用から今までの間、仕事と訓練出頭の調整が難しい時期があり、即応予備自衛官を辞めようと考えた事もありましたが、歴代の中隊長や群馬地方協力本部の担当の方達の協力を得ながら、同時に職場の上司や同僚が即応予備自衛官制度について理解してくれたお蔭で、現在では訓練出頭に快く協力して頂いております。
 私は平成29年度で即応予備自衛官を定年退官することとなりますが、第48普通科連隊の常備自衛官及び即応予備自衛官の仲間、会社の上司や同僚、そして家族に感謝し、平成30年度からは予備自衛官として頑張っていきます。本当にありがとうございました。

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