防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   2013年7月1日号
-
1面 2面 3面 4面 5面 7面 8面 9面 10面

スポーツよもやま話
根岸直樹
突き進め、稀勢の里
今度こそ綱取り場所 地元でVパレードだ

 ちょうど一年前の春、国技館で「ついに国技にも終止符を打つ日が来たか」と、われながら胸が痛んだことを思い出した。館内の四方に掲げられていた優勝力士の額から栃東(現玉ノ井親方)の額が外され、32枚全部が外国出身力士になってしまっていたからだ。それから一年「早く日本人力士の額を掲げてほしい」と願いながら、いまに至っている。
 唯一の望みは、夏場所初日から突っ走った大関・稀勢の里(26)=鳴戸=だったのだが、連勝は13でストップ、ついに期待が消えてしまった。「特に千秋楽の琴奨菊戦(3秒3で寄り倒された)で、わずかに残っていたファンの夢をぶち壊してしまった」(北の湖理事長)。
 稀勢の里は平成14年に角界入り以後、トントン拍子で昇進してきた。17歳9ヵ月で十両昇進、18歳3ヵ月で新入幕。いずれも貴乃花に次ぐ年少記録を残してきた。三役入りも19歳11ヵ月と貴乃花、北の湖、白鵬に次ぐ若さだった。「こいつはいけるぞ」と誰もが注目し、近い将来の横綱を期待したことはいうまでもない。
 そして先月終わった夏場所。13勝2敗の大奮闘だったが「綱取り」に一歩遠のいた感はまぬがれなかった。「綱取り」の条件としては「2場所連続優勝」か「それに準ずる成績」となっている。「準ずる成績」ではあったのだが、伊勢ヶ浜審判部長(第63代横綱・旭富士)は「最後の黒星二つ(白鵬と琴奨菊)が大きなマイナス、準ずるとは言い難い」と話していた。
 となると、7月7日初日の名古屋場所(愛知県体育館)が、稀勢の里にとっての「今度こそ綱取り」場所となるのか。白鵬には7連敗中だが尾車親方(元大関・琴風)は「地力がついた。動きが止まらず、最後まで気迫のこもった相撲が取れるようになってきた」とその成長ぶりを認めている。
 「気持ちがはやり、上体だけが泳ぐことがなくなった。低い立ち合いで脇を締め、相手の差し手を封じながら前へ出るようになり、形ができてきた」とは、師匠の鳴戸親方(元前頭・隆の鶴)の分析だ。
 「けいこ5訓」というのがある。「土俵の中には金も名誉も地位もある」「忍(お)さば忍せ、引かば引け」「カマボコになるな」「ヒザから汗が出るまでけいこしろ」「けいこで泣いて土俵で笑え」。「忍すというのは大変な辛抱。すぐに引いたり、はたいたりしてはいけない」。「カマボコ」は「けいこ場の羽目板にくっついて消極的なこと」という意味。
 「尻がでかく、ももが太く、足首がきゅっとしまった感じの力士は強くなる」とは、出羽海親方(元関脇・鷲羽山)の弁だ。
 7月初日の名古屋場所で、稀勢の里がどんな相撲を取り「横綱への道」を突き進んでくれるのか。内山斉・横綱審議委員長は「優勝しなくても14勝なら」と話している。出身地の茨城・牛久市と、母校のある龍ヶ崎市では市長が話して協力し合い「Vパレード」を予定しているとか。また、先ごろ婚姻届を出した師匠・鳴戸親方の結婚披露宴に花を添える話も出ている。名古屋場所の稀勢の里。目が離せない。


HOME's English Class (防衛ホーム英語教室)
Peace begins with a smile.
ピース ビギンズ ウイズ ア スマイル
平和は、笑顔からはじまる

 皆さん。お元気ですか? 蒸し暑い日が続いています。そろそろ夏休みの計画を立てる時期でもありますね。今年は豪華客船での旅がブームになっているようです。客室はコンパクトですが、100m以上の大型船にのりこみ、螺旋階段のあるホール、シャンデリアが輝くエンターテインメントスペース、食べ放題、飲み放題のダイニング、フィットネス施設、読書もできる静かな場所もあります。船旅は、リピーターが多く100回を超える方もいらっしゃるそうです。時間と資金があれば、是非とも世界一周の船旅をしてみたいですね。
 今回の表現は、"Peace begins with a smile"「平和は、笑顔からはじまる」です。放送大学大学院修士で、行動心理学や認知心理学を学んでいたのですが、笑顔の効果、あるいは笑いの効果は学問的にも研究されており、いろいろな事例が発表されています。教官の頃に、笑顔の効用として、緊張の緩和、筋肉の弛緩、やさしさの醸成などを利用して、心身をリラックスさせ授業や試験への集中力を高めるよう利用したことを思い出します。さて、この言葉を、誰が言ったかというと、マザー・テレサです。彼女の崇高な人生に思いをはせながら、苦しいときや、つらいとき、悲しいとき、ストレスがたまったときに、一人つぶやいて笑顔を作ってみてはどうですか? きっと良いことが起きる気がします。

 そろそろ梅雨も明けてきます。降雨量が少ないのが気になります。恵みの雨が欲しいものです。ダムにしっかりと水が貯まり、植物も活き活きと成長してほしいものです。晴れ間にはすこし身体を動かして、心身ともにリラックスして仕事に取り組みましょう。楽しく陽気な心で、ストレスを溜め込まない健康な日々をお過ごしください。それではみなさん。See ya!


防衛ホーム 俳句コーナー

托鉢の僧に西日の容赦なく    辰巳一郎
救急車より声のして明易し    谷 勝美
花やしき雨に静かな夏休    中尾惠美子
中元として手に入れしパナマ帽    磯谷幸三
碁仇の西瓜抱へて来たりけり    柴垣千風
梅雨明と思へる月のみかん色    松野藤枝
掬はれし金魚の定め決りけり    渡辺成典
山霧の中より突と燕現れ    堀川利枝
捕虫網真新しきを旅の荷に    尾野千惠子
碧眼の僧の庭掃く半夏生    竹林愛子
手擦れせし虚子の季寄せを曝しけり    氷川杜夫
稜線の空へ溶けゆき梅雨の暮    浅野柚香
麦湯煮る匂ひしてをり昼の路地    森 佳世
倹約を宗として生き日向水    山崎藤雄
囀に耳遊ばせしインコ逝く    米田ふさゑ
雲間より青田ひろごる機窓かな    宮崎 薫
   選 者 吟
白百合や青さ帶ぶとも翳かとも    成川雅夫
(「栃の芽」誌提供)


NEXT →
(ヘルプ)

Copyright (C) 2001-2013 Boueihome Shinbun Inc