台風30号で甚大な被害を受けたフィリピンに対し、11月12日に防衛大臣から「国際緊急援助活動の実施に関する自衛隊行動命令」が発令され、医療活動等を実施。同15日に行動命令の一部変更があり国緊隊の態勢を拡充。17日にはフィリピン現地運用調整所の設置と比国際緊急援助統合任務部隊の編成を終え、現在も約1200名の隊員が現地で医療・防疫活動、救援物資等の輸送等を行っている。
11月13日、KC—767が空自小牧基地から医療チーム要員と医療用器材等の輸送開始。17日、自衛隊医療チームによる活動開始。C—130輸送機で空自小牧基地から救援物資等を空輸開始。18日、陸自車両や活動物資を搭載した護衛艦いせ・輸送艦おおすみが海自呉基地を出港。20日、タクロバンからマニラへC—130輸送機で被災者輸送を開始。21日、今回の活動が「SANGKAY(サンカイ)作戦」と決定。現地のワライ語で友達という意味。24日、本格的な活動を開始。国緊隊の海上拠点をレイテ湾及び周辺海域の護衛艦いせ・輸送艦おおすみ・補給艦とわだの位置とする。26日、タクロバン市近郊の浜辺にLCACで上陸、衛生状態が悪化している避難施設等で防疫活動を開始。27日、米軍の派遣部隊指揮官ヒュー・ディー・ウェザーオール海軍准将が護衛艦「いせ」にオスプレイで来訪し、フィリピン国際緊急援助統合任務部隊指揮官 佐藤 壽紀海将補、医療・航空援助隊長 浅見 勇学1等陸佐等と今後の援助活動における日米連携について会談。30日に比レイテ島・サマール島に移住する133人の日本人全員の無事が確認された。
12月7日には、小野寺五典防衛大臣が現地で活躍する隊員を激励に行く予定。診療患者数は12月4日現在で延べ2186名を数える。
フィリピン現地運用調整所
基本任務:フィリピン共和国関係機関、関係国等との調整等
定員:約10名
指揮系統:防衛大臣の指揮を受ける
フィリピン国際緊急援助統合任務部隊
基本勤務:医療・防疫活動、救援物資等の輸送等
定員:約1170名
指揮系統:自衛艦隊司令官の指揮を受ける
指揮官:第4護衛隊群司令 佐藤 壽紀海将補
・医療・航空援助隊長:第6後方支援連隊長 浅見 勇学1等陸佐
構成部隊と主要装備
○統合任務部隊司令部
○医療・航空援助隊=UH-1×3機・CH-47×3機
○海上派遣部隊=護衛艦いせ・輸送艦おおすみ・補給艦とわだ
○空輸隊=KC-767×2機・C-130H×7機・U-4×1機 |