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自衛隊ニュース   2013年12月15日号
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「国際緊急援助活動における多国間兵站ハンドブック」
第2事案作成に向けた討議など実施

陸自と15参加国計60名 過去最大規模
第17回陸軍兵站実務者交流 (MLST)
フィリピン災派でも機能「兵站コミュニティ」構築
 陸上幕僚監部装備部(部長・湯浅悟郎陸将補)は11月18〜22日、第17回陸軍兵站実務者交流(Multila-
teral Log-istics St-aff Talks=MLST)を、「アジア太平洋地域におけるHA./DR(人道支援/災害救援)に係る兵站協力」をテーマに、アジア太平洋地域等から、初参加のネパール・ニュージーランドを含む15カ国(※)の大佐・中佐級の兵站実務者17名を招聘し、陸幕装備部・中央即応集団・補給統制本部等の陸自からの参加者を含め総勢約60名が参加し過去最大規模で開催した。
 兵站支援態勢に関する情報や意見を交換し、各国との相互理解と信頼醸成を図る目的で毎年開催されているMLST。冒頭ではフィリピンの台風災害の犠牲者に対する黙祷が捧げられた。続く主催者挨拶で湯浅部長は、「我々は、昨年度のMLSTに参加したフィリピンの兵站実務者と発災直後に連絡を取って現地の状況を確認し、派遣準備に生かしました。ぜひ会議を通じ人的ネットワークを構築してください」と要望した。また、各国のシステムの違いを越えるため、討議を通じて相互理解を深め、協力の在り方を構築するよう要望した。
 18日から20日まで行われたグループ討議では、MLSTを通じて平成20年から編さん中の「国際緊急援助活動における多国間兵站ハンドブック」の第2次案作成に向けた討議が行われた。討議では、突発的な災害救援に備え、支援国-被支援国または支援国同士がどのように連絡を取り合うかなど、平素からの準備も含め情報共有の必要性について議論された。また、被支援国に共同調整所が設置された事態を想定し、兵站分野における各国の長所に応じた役割分担などの調整、調整を担当する構成員について議論があった。
 第17回MLSTではグループ討議のほか赤十字国際委員会、上杉勇司・早稲田大学国際教養学部准教授による軍民関係についての基調講演が行われた。また、18日には東京都内の防災施設を見学し、21〜22日には宮城県に移動して東北方面総監部・東北補給処における部隊研修、名取市・閖上地区の被災地訪問なども行われ、参加国のメンバーは陸自の兵站の概要や東日本大震災の被害の大きさについて理解を深めていた。
※オーストラリア、フランス、インドネシア、韓国、マレーシア、モンゴル、パキスタン、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、英国、米国、ベトナム。英国、フランスはオブザーバーメンバーのみ。

陸海空自衛隊、全国に広がれ下士官交流
陸海空和気あいあい
横須賀3自衛隊准曹自衛隊記念日祝賀会
 11月30日、横須賀市で「第6回横須賀三自衛隊准曹自衛隊記念日祝賀会」が行われた。これは、横須賀地区の陸・海・空自衛隊の下士官が集まり情報交換等を行い、親睦を深めるものとして開催。隊員らから好評を得ている。横須賀地区以外からも曹友会副会長・岩瀬准尉、海上自衛隊先任伍長・宮前曹長、空自連合准曹会副会長・村田准尉ら、また各会の支部長・会長など約120名が集まった。国歌斉唱に続き鏡割り、懇談、一本締めとあっという間の充実した2時間だった。
 各テーブルでは陸・海・空の下士官が和気あいあいと交流深化を図っていた。「今もフィリピンで統合任務部隊が活動している。東日本大震災の時も陸・海・空が一緒になって活動した。現地で一緒に活動した人たちがこのような会で『あそこで一緒に活動したね』というような会話がもっと出来るようになるといいと思う」との言葉とおり、益々各地でこの様な3自衛隊の集まりが活発になっていくことだろう。

富士地区で研修
日米最先任下士官等共同部隊訪問
 統合幕僚監部最先任下士官渡邊満徳准陸尉は、9月27日、陸上自衛隊国際活動教育隊及び陸上自衛隊富士学校並びに陸上自衛隊富士学校部隊訓練評価隊において日米最先任下士官等共同部隊訪問を実施した。
 参加者は、陸上自衛隊最先任上級曹長鈴木喜晃准陸尉、海上自衛隊先任伍長宮前稔明海曹長、航空自衛隊准曹士先任新井岳志准空尉、在日米軍最先任上級曹長ジェームス・ローレント、在日米空軍第374航空輸送団最先任上級曹長マニュエル・ロブレスレイノソ、在日米海軍第72哨戒部隊最先任上級兵曹長デイビッド・ウノーネほか日米の隊員5名。
 一行は、駒門駐屯地の国際活動教育隊において、射撃練度点検や戦闘下における救護の訓練展示を見学後、富士駐屯地に移動し富士学校の最先任上級曹長らとの意見交換を実施、その後保有装備の見学などをして陸上自衛隊の活動や装備品等に対する理解を深めていた様子であった。最後に北富士駐屯地を訪問、部隊訓練評価隊において任務の概要説明を受け、機動訓練評価装置について知見を広めたようであった。
 部隊訪問終了後、在日米軍最先任ローレント上級曹長は、「今回の訪問中に私が特に感銘を受けたことは、世界各国において自衛隊が実施している人道支援やPKO活動の内容についてでした。今後、日米下士官の交流がさらに促進されることを楽しみにしています。ありがとうございました」と今後の日米下士官の交流促進に意欲を見せていた。
 統幕最先任渡邊准尉は「今回は陸海空自衛隊及び在日米軍の最先任下士官等による相互理解の深化及び信頼感の醸成という目的で計画しましたが、現地部隊の支援のおかげで成果大でした」と日米下士官交流にしっかりとした手応えを感じた様子で、第2代統幕最先任下士官上番後初の日米下士官交流を終えた。

空自早退司令部を訪問
新任のケネディ米駐日大使
航空自衛隊総隊司令部と在日米軍司令部の連携・固い絆を実感
 11月15日に駐日アメリカ合衆国大使として米国政府が派遣したキャロライン・ケネディ米駐日大使。11月21日の午前、日本の行政機関の中で最初に航空自衛隊総隊司令部(横田)を訪れた。総隊司令官中島邦祐空将と副司令官吉田浩介空将の出迎えを受けた。
 ケネディ大使は施設見学などを行い、総隊司令部と在日米軍司令部との緊密な連携と固い絆を感じていたようだ。

装備品研究者等が受賞
兵背25年度防衛基盤整備協会賞
 11月25日、平成25年度 防衛基盤整備協会賞の贈呈式がホテルグランドヒル市ヶ谷で行われた。
 同賞は、(公財)防衛基盤整備協会(宇田川新一理事長)が公益事業の一環として、協会設立以来最も重視して実施している事業。防衛装備品の生産及び調達に関連し、民間で自発的に行われた研究開発や生産技術の向上などの業績の中で特に優れた成果を挙げた研究者などを表彰している。今年度は4社から4グループ12人が受賞した。
 贈呈式には防衛省・自衛隊から伊藤盛夫経理装備局長、鎌田昭良装備施設本部長、渡辺秀明技術研究本部長、外園博一大臣官房技術監をはじめ多くの来賓、関係者が出席。受賞者の功績概要の説明、宇田川理事長による表彰状と副賞の贈呈に続き、表彰の意義や受賞者・出席者への謝辞を述べた理事長の式辞、伊藤局長の祝辞、研究開発当時の心境を述べた受賞者4グループの代表各1名による挨拶が行われた。
 受賞者及び業績は以下の通り。▽【大型FRP船舶:FRPサンドイッチ製掃海艇の建造技術の確立】ジャパンマリンユナイテッド(株)横浜事業場 鶴見工場から3氏。海上自衛隊初(従来は木造製)のFRP樹脂製掃海艇の実現に寄与▽【受信空中線共用器ORA—19シリーズの開発・装備】三波工業(株)から3氏。最新のORA—19Bは海自の護衛艦「ひゅうが」から装備されている▽【多用途連接通信装置(AJICS)の開発】(株)日立製作所 ディフェンスシステム社から2氏。情報通信システム社から1氏。IP通信技術を活用した通信回線構成機能の中核装置で、空自が今後の基地運用における情報共有の要と位置付けている▽【新野外通信システムの試作、装備化】日本電気(株)防衛ネットワークシステム事業部から3氏。陸自の方面隊、師団等に装備し、野外における共通情報通信基盤を提供。

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