陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・武田晃1陸佐)毎年恒例の屋外コンサートにおいて、在沖縄の米第3海兵遠征軍音楽隊隊長・主任幹部スティーブン・B・ジオビ上級准尉が客演指揮を行った。客演指揮が行われたのは、さいたまスーパーアリーナけやき広場(6月4日・火曜コンサート)、国際新赤坂ビル(同5日・水曜コンサート)、新宿三井ビル55広場(同6日・木曜コンサート)の3ヵ所。昼休みの時間帯の40分間のコンサートは連日好天に恵まれ各地で働くサラリーマンや観光客、道行く市民が興味を惹かれ大勢詰めかけ、取材に訪れた木曜日も立ち見の人垣ができる盛況ぶりだった。
全8曲の演奏プログラムのトップは「名刺代わりの2曲」(武田隊長)。米海兵隊公式行進曲『忠誠』を武田隊長が、陸自公式行進曲『大空』をジオビ隊長が指揮した。4曲目の野球をテーマにした行進曲『ナショナル・ゲーム』では、指揮するジオビ隊長の傍らで玩具のバットを武田隊長がおどけた表情でスイングする楽しい演出があり、7曲目の吹奏楽のための『ラプソディー』より〜日本民謡による〜では横笛や小太鼓の軽快な祭囃子が響く中、半被を纏い捩り鉢巻きのジオビ隊長が拍子木を手に演奏に加わった。ラストは武田隊長指揮による行進曲『星条旗よ永遠なれ』。終演後には笑顔の武田隊長とジオビ隊長が並んで聴衆の大きな拍手を受けていた。
米陸軍と並ぶ陸自のパートナーである米海兵隊との間にある強い絆を、老若男女、不特定多数の市民が目と耳と心で実感できる絶好機となった今回のコンサート。来日3年目で7月に沖縄を離れるジオビ隊長は、「音楽まつりで高いレベルの演奏を聴いて以来、彼らを指揮するのが夢でした。夢が叶い、日本の大きな思い出になりました」と感激していた。武田隊長は、日米の緊密な連携をアピールする部隊レベルのイベントを企画することは陸上幕僚長の方針であるとし、「音楽は一般の人の目に触れるので非常にインパクトがある」、「これからもコンサートに海兵隊音楽隊員を沖縄から招く機会を作りたい」など、今回の手応えや各地の米軍音楽隊とのコラボの更なる活性化といった今後の展望を充実の表情で語っていた。 |