6月5日、海上自衛隊厚木航空基地において、ソマリア沖アデン湾で警戒監視任務に就く派遣海賊対処行動航空隊(派行空)第13次要員(司令・山形文則1海佐)出国行事が行われた。
晴れ渡った青空の下、行事開始前には見送り家族と団らんのひと時を過ごす派遣隊員の姿があった。駐機するP—3C哨戒機を背景に記念の家族写真を撮るパパ隊員。父親の足に顔を埋める就学前の幼子。灼熱のアフリカでの任務に「向こうでダイエットできるよ」と愛妻にジョークを飛ばす隊員、笑顔で家族に洗濯物を手渡す隊員。心温まる光景があちこちで見られた。
平成19年6月から任務が開始され5年目に突入した派行空。13次要員は、厚木基地の海自第4航空群、派遣部隊のジブチの拠点を警備、管理運営する宇都宮の陸自中央即応連隊を基幹とする約190名で構成される(うち海自約120名)。厚木からは1次を皮切りに5次、9次と回を重ね4回目の派遣。今回は初のP—3C女性パイロットとして村井眞弓2海尉が派遣された。
部隊としては回を重ねても初めてのジブチ行きなのは殆どの隊員に共通している。見送り家族、見送り隊員、防衛省・自衛隊関係者、協力団体関係者など計約260人以上が出席した式典では、「派遣航空隊が拠点を置くジブチは政府も国民も日本の派遣隊を歓迎し、その任務遂行が地域の安定に繋がると期待も大です」(佐藤正久防衛大臣政務官)、「諸官が行う活動は安全である海上交通及び海上の自由利用を確保するという我が国の強い意志を世界に示すものである」(ソマリア沖アデン湾方面派遣海賊対処部隊指揮官・松下泰士海将(自衛艦隊司令官)=航空集団司令官・重岡康弘海将代読)など、改めて派遣の意義や役割について訓示を受け、名誉ある任務へ臨む誇りを滲ませた派遣隊員たちの表情が印象的で、山形司令は「(厚木として)4回目となる経験を生かし職務に整斉と取り組む」と力強かった。
13次要員は、出国行事参加者の盛大な見送りを受けジブチに飛び立った2機のP—3Cに搭乗の約30名、成田空港からチャーター機で現地へ向かった約80名が、先行して5月下旬から12次要員と交代している一部要員と共に約4ヵ月半の任務に就く。 |